今回のコナンは、黒ずくめの組織がでてくるから、例のごとく相関複雑回(笑)。『黒鉄の魚影』もまさにそんな一本。八丈島の海に、インターポールに、潜水艦に…場所もひともいろいろ入って、もうてんこ盛りの楽しさです。
でもコナンビギナーにはちょっとしんどい展開かも。ちょっと整理して、登場人物の関係を4つのシーンでまとめてみちゃいます。裏で暗躍してる人、ただの旅行客じゃない人──誰がどこで何してるのか、一緒に追いかけてみましょう
相関図①|八丈島──灰原哀の“ちょっとした優しさ”が、ベルモットを動かしちゃったのかもね?

今回のコナン、黒ずくめの組織が出てくるってだけでも、すでに相関図モリモリ案件なんですけど──
この『黒鉄の魚影』はその中でも群を抜いて複雑!八丈島のリゾート気分に始まって、ユーロポール、潜水艦、世界中の監視カメラにハッキング…って、もう情報の渋滞なんよ。
でもね、どんな大事件も、最初の“ポツン”っていう小さな出来事から始まるものなのよね。この物語の始まりも、灰原哀の、ほんのちょっとした優しさ”だった──ここでまず心つかまれました。
八丈島にやってきたコナンたち一行。きっかけは園子の「海行こうよ〜」なノリなんだけど、実はその前に、街中でちょっとした出来事があって。
灰原哀。元・黒の組織の天才科学者“シェリー”にして、今は小学生の姿でコナンたちと過ごしている。そんな彼女が、「フサエブランド」の限定ブローチの整理券を手に入れるんです。普通なら「やった!」って喜ぶところでしょ?でもね、その直後、すぐ後ろで整理券を逃した着物姿の老婦人が、ちょっと残念そうに立ち尽くしてるのを見て──
…まさかの、譲っちゃうんですよ。あの灰原が。さらっと。表情も変えずに。ママ、ここで思わず「え、優しっ」って声出ました(笑)
でもね──その老婦人、実はベルモットだったの。
黒の組織の幹部にして、変装の達人。しかも“あの方”の絶大な信頼を受けてる、ちょっと異質なポジションの人。
要するに、「コナンと灰原の正体を知っている」数少ない人物。
いやもう、ゾッとするでしょ。よりによってベルモットよ。フサエブランドのブローチを渡したその手は、“かつて自分を殺そうとした相手”に伸びてたってこと。
しかも灰原は、その事実に一切気づいてないの。これが、余計に効くのよね。
ネットの情報によれば、このブローチ──原作でも意味のあるアイテムらしいけど、映画ではそこまで明言されない。
でも、あのシーンはきっと“それだけ”じゃないのよ。
ベルモットにとって、灰原(=シェリー)は「約束だから直接は殺さないけど、チャンスがあれば誰かに殺させる」レベルで、ず〜っと“敵認定”されてきた相手。でもここで、灰原がまさかの“敵と知らずに恩を売ってしまった”わけ。
いやもう、ママの中ではこの瞬間、「関係の書き換えスイッチ、カチッと入ったな」って確信しました。
そしてコナンたちは八丈島へ。観光ムード?もう吹っ飛びます。
なぜって、ホテルでコナンが見たのは、警視庁の白鳥警部。しかも工藤邸にいる“沖矢昴”から電話がかかってくる。
──「ユーロポールに、黒の組織のピンガが潜入した。今日、パシフィック・ブイがそのセンターと繋がる」
……いやもう、情報量すごすぎて胃もたれ(笑)
ちなみにこの“沖矢昴”という人物──見た目はただの大学院生。でもその正体は、FBIの赤井秀一。
組織に“ライ”の名で潜入していた伝説のスナイパーで、コナンとがっつりタッグを組んで動いている、裏の主役みたいな人。
何気ないブローチのやりとりから始まったこの騒動。でもその一瞬が、ベルモットの中で何かを変え始めたように見えるのよね──いや、たぶん、確実に変わってる。
ママはそう感じました。というか、確信してます。
相関図②|狙われたのは、人か、それともシステムか──ベルモットは“ためらい”なんてしてないのよ

さあ舞台は、海に浮かぶ巨大施設「パシフィック・ブイ」へ。…なんて言うと、ちょっとカッコいい感じしますけど、実はここ──世界中の監視カメラと直結した、超ハイテク監視システムの中枢施設なんです。しかも今回のキモは、ただの顔認証じゃないの。
出ました、「老若認証」。
え?なにそれ?ってなりますよね。ママも最初聞いたときは「え、年齢制限か何か?」とか思った(笑)。でもこれがとんでもない代物で、「昔の顔」も「今の顔」も照合されちゃうという、まさに“過去も現在をも暴くシステム”。
つまりね──整形してようが(?)、歳を取ってようが、幼児化してようが、バレちゃう。
…え?「幼児化」?そう。つまり、コナンや灰原のように“姿を変えて生きている人間”にとっては、完全にアウトな技術なのよ。
でね、この超重要システムの中核を担っているのが、19歳の天才エンジニア、直美・アルジェント。「顔データと過去データを紐づけて検索可能にする」っていう、もう未来SFかってくらいの天才っぷり。
でもそんな彼女が──まさかの、ベルモットとバーボンに拉致されちゃうの。
しかもそのやり口、手際よすぎて…ママ、正直ゾッとした。「一瞬ためらう」なんて演出、映像にはまったくない。迷いゼロのプロの仕事。冷静に、ただやるべきことだけをこなす──もう、ベルモット怖すぎるって。
で、ここでちょっと整理しときますね。
一緒に動いてた“バーボン”。この人、表向きは喫茶ポアロのイケメン店員・安室透。でもその正体は、公安警察のエース・降谷零。黒の組織には“バーボン”のコードネームで潜入中。
つまり、これって公安からのスパイと黒の組織の人間が、手を組んで少女を拉致してる図なのよ。おそろしや…。でも、バーボンはバーボンで、裏でちゃんと“公安の任務”として動いてる節もあるから、そこがまたややこしい。表と裏の顔を持つ人だらけで、相関図作らないとほんと迷子になるやつです(笑)
一方そのころ、灰原哀にもヤバい影が迫ってる。ピンガとウォッカが、阿笠博士の車を襲撃して、哀ちゃんをさらおうとする。こっちはこっちで大追走劇。コナンが必死で追いかけて、蘭はピンガとバトルまでしちゃうし、──八丈島、完全に修羅場です。
でもね──ここで大事なのは、「ベルモットはまだそこにべったり張り付いているように見える」ってところ。
でも、違うんですよね。
あの人、もうとっくに動いてるようですよ。しかも、ひと足もふた足も先に。
実は、ベルモットはほどなく遠くフィリピンへ。大きなスーツケースに大量の衣装、しかも犬連れ。犬連れ?──なんでもネット情報によると、犬は何かのカモフラージュのため現地調達。ほんとに芸(仕事)にぬかりがないのですよ。
“世界中の監視カメラに、灰原に似た人物を映しまくる” つまり、「老若認証」を“使えないもの”に見せかける。
「こんなに誤認されるんじゃ、このシステムは信頼できませんね?」って思わせる。ハッキングも破壊もせず、“信用を潰す”。もうね、発想がえぐすぎる。
で、ボスからのメール。「……つぶせ」返したのは、たった一言。「そういうと思ったわ」
──命令が来る前に、もう仕込みは、終わってたんでしょうね。仕込みも、偽装も、誤認データの流布も。ベルモットの手の中で、全部コントロールされてたの。
盗るでもなく、改ざんでもなく、ただ「信じさせない」。それだけで、すべてを無効化する。
ママ、震えましたよほんと。しかもその作戦が、結果的に灰原を守ることに繋がってるっていうんだから、もう意味深すぎて言葉出ない…。
相関図③|誰一人信頼し合える者のいない密室(ウォッカを除く(笑))

さて、舞台は一気に深海へ──灰原哀と直美・アルジェントが連れ込まれたのは、黒の組織の潜水艦。外の世界と隔絶された、まさに鉄の密室。
ここからがね、ママ的には一番ゾクゾクして、一番息が詰まるパートなんですよ。
だってこの中、物理的にも情報的にも完全に“閉じてる”。逃げ場なし、味方なし、信用ゼロ。もう全員が疑わしくて、言葉ひとつ、視線ひとつに緊張が走る──そんな空間なの。
直美のネックレスには、老若認証の顔一致データが保存されていた。そしてそこに映し出されたのが──“死んだはずのシェリー”と、今の灰原哀。
一致率100%。
……はい、アウトです。ウォッカが即座にジンに報告。ジンは言うよ、「その少女を、確保しろ」って。このときのジン、マジでブレがない。ほんとに“感情が存在してない人”ってこういう顔してるんだなって思いましたよママ。
でもね?
ここで、ただ“黒の組織こわ〜い”って終わらないのが、今回の映画のすごいとこなんです。
この潜水艦にいる人たち──実は、全員が全員“同じ組織”にいるようでいて、まっったく信頼しあってない。バーボンは公安のスパイ、キールはCIAの潜入捜査官、ベルモットはボスの寵愛を受けた異端分子、ピンガはラムに忠誠を誓っててジンに反発的、ラムはラムで全体を動かしてるようで実は誰も信用してない…。
いやもう、ここだけで別のサスペンス映画できるわってくらい、関係性が不穏すぎるのよ!いや、何が不穏かというと、疑いよりもっと強いレベルで、「こいつスパイやろ」って気づいていながら、腕が立つもんだから使えるところは使って。。ってそんな付き合い方してないか?って感じるんですよねえ。
だからお互いの間に信頼関係というのは感じられないわね。でもそんな中に会って、ウォッカだけは、なんだかしらないけど、この人、人を信頼してるんじゃないのって感じさせるところがあって、結構ネット上でも高評価(笑)。
でね、そんな中で──ママが特に心震えたのが、キールの行動なんです。彼女、本堂瑛海(ほんどうひでみ)。
かつてCIAの任務中に組織に潜入していたが、バレそうになったところを父の死によって“守られ”、その痛みをずっと背負ってる人なの。
今回、灰原哀を縛る役を任されたときにね、さりげなく“ほどけるように”仕込んでたあの人ね。誰にも気づかれずに、でも確実に“逃げ道”をつくったりする感性は、父を失ったときの思いから身につけたスキルなのかもしれないわね。
でも、ここ、ほんとグッときた。大声で「助ける」って言わない。でも、ちゃんと誰かを助けるために、行き届きすぎくらいの配慮の連続。そういう“静かな守り方”って、ほんと強い。
相関図④|それぞれの「守り方」で、物語は決着していくの

いよいよクライマックス。パシフィック・ブイはもう時間の問題。残されたわずかなチャンスで、コナンは“あの潜水艦”の位置を突き止めようとするの。
どうやったかって?
──阿笠博士の海中スクーターに乗って、改造された花火ボールを海にポイッ。その爆光で、海中に潜んでいた“見えない潜水艦”をあぶり出したのよ。ママ、このシーンでガチ震えた。技術と根性の掛け算、見せつけられました!
そしてその情報を受け取ったのが、FBIの伝説のスナイパー・赤井秀一。コナンが絶大な信頼を寄せる“裏の相棒”です。空から、ズバッとロケットランチャーで一発。
標的は、あの鉄の密室──黒の組織の潜水艦。
命中。潜水艦の一部が破壊され、そこから一気に状況が動き出す。でも──誰も気づいてなかったのよね。たったひとり、潜水艦の外に放置されていた男がいたことに。
ピンガ。
指示も受けず、目的も知らされず、…..爆発に巻き込まれてそのまま…。いや、ほんと虚無。命令一つで動いて、命令がなければ消える。それが黒の組織の“兵士”なんだって、あのシーンで突きつけられた気がして、ママ、ちょっと言葉失ったわ…。
そして同じ頃。コナンもまた、潜水艦の余波で海中に沈んでいく。気を失って、泡だけがぽこぽこっと上がっていくその姿。「ああ、終わったかも…」って思ったその瞬間──伸びた手があった。
灰原哀。
冷たい海の中、必死で彼の体を抱き上げ、人工呼吸で命をつなぐ。あの哀ちゃんが。「誰かを守るために、自分の命を張る側」に、ついに立ったのよ。ママ、涙腺崩壊。あの瞬間、今作ぜんぶが報われた感じがした。
でもね、泣けるのはそこだけじゃないの。
今回の映画、みんながそれぞれの場所で、“誰かを守るために”動いてたのよ。
阿笠博士は、灰原を追って命がけのドライブをかまし、蘭はピンガに立ち向かってホテルの窓から飛び出した。キール(=CIA潜入捜査官)は、灰原の縄に“ほどける細工”を仕込み、脱出の希望をつないだ。赤井は、空から“たった一発の弾丸”で形勢をひっくり返した。
そして──ベルモット。
彼女は最後、空港に現れる。誰にも声をかけず、ただ見ていた。灰原と直美を見送るその視線に、何があったのか。
そこに言葉はない。でも、ママには見えた気がしたの。その直後、バーボン(=安室透)がコナンに言うんです。
「君なら……心当たりがあると思ったんだけどな」
もうこれ、ゾクッとした。昔、コナンと蘭が“ベルモットを助けた”ことがあった──彼女が敵だと知らずに。それ以来、ベルモットは2人には一切手を出していない。
今回、灰原が助かったこと、直美が逃げ延びたこと、ピンガが無言で処理されたこと。
全部が偶然とは言えない何かが動いていたのかも。
バーボンは、気づいてたのかな?「恩が返された」のかもしれないって。因みに、ラストで彼が見ていた“タブレット”。
そこには、老若認証のデータ。過去と現在の顔を一致させる、パシフィック・ブイの超機密システム。
え?公安、そんなの持ってるの?って話。そもそも組織が命がけで狙ってたシステムでしょ?それをサラッと個人端末で見てるって──バーボン、いや、公安、ヤバすぎるでしょ。こんなだから、コナンが過去にベルモットを助けたことなんかも容易に知りえるんじゃないかなと思っちゃうんですよね。
しかも彼は、「知ってても、言わない」タイプね。こういった守られ方をすると、ほんと惹かれちゃうんですよね(笑)
まとめ:
ベルモットが何を考えて動いてたのか──正直、はっきりとはわかりません。でもね、最初のあのブローチのやりとりから始まった一連の流れ。あれが全部、「シェリーを助けるためのトリガーだったんじゃないか」って思っちゃったんです。
もしかすると、あのジュエリーショップに現れたのも、“わざと”だったのかも?──恩を返すためじゃなくて、恩を受け取る瞬間を作るために。
コナンを助ける理由は、ベルモットの中にちゃんとある。でも、シェリーを助ける理由なんて、本来どこにもない。むしろ、いつだって“消すチャンスを探してた相手”のはずなのに。
でも、老若認証が稼働し、正体がバレるのは時間の問題になった今──彼女は、その“敵だったはずの少女”を、誰よりも先に守る行動に出た。
だから、こう思っちゃうのよ。今回のベルモットのすべては、「灰原哀を守るために」組まれていた作戦だったんじゃないかって。
今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。
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