カリオストロの城の相関図!簡単あらすじやルパンが盗んだ“あなたの心”の意味も考察!【ルパン三世カリオストロの城】

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この記事はネタバレ情報やあらすじを含みます。未視聴の方は特にご注意ください

怪盗ルパン三世が挑むのは、史上最悪の偽札事件?いいえ、真に盗もうとしていたのは──誰かの“心”だったのかもしれません。『カリオストロの城』は、笑って泣ける、そして思わず胸がギュッとなるような“名作中の名作”。

この記事では、物語のカギとなるクラリス、偽札「ゴート札」、カリオストロ伯爵の陰謀、そしてルパンたちの熱い生き様を、4コマ相関図でまるっと整理してみました。

懐かしい人も、はじめての人も、ぜひあのラストシーンをもう一度思い出しながら読んでみてくださいね。

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目次

相関図①|偽札をめぐる追跡劇と、運命の再会

ルパン三世(世界的な大泥棒。盗みの美学を持つ稀代の怪盗)と、相棒の次元大介(早撃ちの名手で、常に冷静沈着なガンマン)は、モナコの国営カジノの大金庫から大金を盗み出すの。でもそれ偽札だった。

その偽札──ゴート札(カリオストロ公国で密かに製造されている超精巧な偽札。世界の裏経済を支えてきたともいわれる伝説の紙幣)って呼んでたわね。歴史の転換点には、必ずそのお金の影がちらついていたらしいの。ナポレオンだとかいう名前も出てくるんだけど、その歴史はなんと数百年近くにも及ぶんですって。

偽札の世界にも、そんな老舗的なものが存在するのかしら?って、ふと思ったりするんだけど──闇の世界の話だから、それはきっと血なまぐさい歴史と繋がっているってことなのよね。

で、それが偽札だと気づいたルパン、「次の仕事は決まった!」って。

どうやらその言葉の裏には、「偽札の謎に再チャレンジ!」っていう気持ちがあったみたい。若かりしルパン、かつてその謎に挑んだことがあったそうなの。

でも、そこは“偽札界のブラックホール”とも呼ばれていて、挑んだ者は誰ひとり戻ってこないっていう話。ルパンはそう、次元に語ってたの。

でもさ、「偽札の謎」って言うけど、そもそもルパンって、偽物には興味がない男なのよね。だから、このときの「次の仕事」っていうのは、ただ謎を暴くとかじゃなくて、その価値をぶち壊すこと──つまり、“あの偽札を世に出させない”っていう使命感だったんじゃないかしら。

ちなみに、今回カジノから盗み出したお金の額は──なんと50億。券面に「AMERICA」って書いてあるから、たぶん50億ドルってことかしらん。個人としてはとんでもない額よね。

でもね、そんな金額が、何の価値もないところから湧き上がってくるってなったら…本来のお金の価値にだって、当然影響するはずでしょ? しかも、一生懸命(?)盗み出したルパンたちのお仕事の価値まで下げちゃうかもしれない。

そんなの、ルパンが許すわけないじゃない!だから、「次の仕事」としてゴート札の出処を暴くことを決めた──それが本音だったんじゃないかしら。

でもね、ルパンとしては、別に原版を狙ってるわけでも、富を狙ってるわけでもなさそう。あの人の美学って、“本物だけを盗む”だから。むしろ「偽札が作られないようにする」こと、それだけが目標だったんじゃないかしら。少なくともこの時までは。

──そんなこんなで、ルパンと次元が向かったのがカリオストロ公国。だけど、入国早々、お仕事の“意義”がガラッと変わってしまったのよね。

突如、その意義は「女」に変わってしまったの。

最初は、どう見てもマフィア風の黒ずくめの追っ手から逃げようとする、ウェディングドレス姿の少女を助けなきゃって──それだけの理由だったと思うの。

でもね、そういった“一瞬の出会い”っていうのにも、やっぱり必然ってあるのよね。

その少女は、かつてルパンを無償の愛で助けた少女だったの。若かりしルパン、当時はきっと飛ぶ鳥を落とす勢いだったんでしょうね。そんな彼が、調子に乗って絶頂の中で瀕死の重傷を負ったとき、手を差し伸べてくれたのが──彼女だった。

その記憶、きっと彼の中では鮮烈に焼きついていたに違いないわ。とはいえ、このときルパンは、目の前の少女がその“彼女”だと、すぐには思い出せなかったみたいね。


でも、心の奥底には、確かにその少女への感謝の気持ちが生きてたのよね。それがルパンっぽくて、ちょっといいわね。

それにしても──なぜウェディングドレス姿?どうやら、結婚式の衣装の仮縫いの間に逃げ出したみたいね。
逃げ出すくらいだから、きっとなんらかの政略結婚よね。

なんでも、カリオストロ伯爵(カリオストロ公国の現摂政。クラリスとの結婚を画策し、“ある財宝”を狙っている野心家)に結婚を迫られているらしいんだけど、クラリス(亡き大公の一人娘で、今は城に幽閉されている気品ある少女)──そう、彼女の名前はクラリス。
彼女自身も、伯爵が何を狙っているのか、明白にわかっていたんでしょうね。

それにしても、命を救ってくれた少女の名前すら、ルパンは当時は知らなかったのよね。でも、この出会いが、すべてを繋げていく──運命って、ほんと不思議ね。

逃走劇の末、いったんは逃げ切れたかに見えたんだけど、ルパンが気を失ってる間に、あの“花嫁”は黒ずくめに舟で連れ去られてしまうの。でも──その“花嫁”は、ルパンに大きなカギを残していったの。

それが、ゴートの紋章のついた指輪(カリオストロ家に代々伝わる秘宝の鍵。金と銀、二つ揃うことで“伝説の財宝”が目覚めるとされている)。ルパンがそれを見た瞬間──ようやくすべてが繋がったの。

あのときの少女=クラリス。そして、その指輪を見た時がルパンの中で、この仕事の核心(意義)が、「偽札つぶす」から「少女を守ること」に変化した瞬間ね。

ところで、クラリスって、今、身寄りがないわけではないけど、なんかそんな風な感じがするのよね。

7年前の大火事で、ご両親を亡くしてしまい、その後は修道院に入られていたようなの。どこにも明かされてないんだけど、カリオストロ伯爵の悪っぷりをみていると、7年前の火事にも関与してるんじゃないのって疑いたくなるわよね。

ルパンは大公のお家のあった池のほとりで佇んで何かに思いをはせているようなんだけど、きっと、あの時の少女が、大火事で両親を失い、悲しみに打ちひしがれていたんだろうと、あの時自分を助けてくれたあの無垢な少女を思いやっていたんでしょうね。

もしかしたら、この映画の中で、一番切なくなるシーンだったかも。

その頃、クラリスは、カリオストロの城の一番てっぺんの部屋に幽閉されていたの。しかも薬で眠らされてる。

きっと、ジョドー(カリオストロ伯爵に仕える忠実な執事で、暗殺もこなすかなり強い男)が、伯爵の命令でクラリスを一時的に眠らせ、身辺を改めたに違いないわね。そこで伯爵は、クラリスが指輪を持っていないことに気づくの。

そして、そこから指輪をターゲットとしたカリオストロ伯爵一味のルパン追跡が始まったの。

それにしても追っ手がなかなか強いのよ。逆にそれがルパンと次元の心に火をつけたって感じね。もうここらあたりで、それぞれの思惑が明らかになってきたわね。

「色と欲の伯爵殿。花嫁はいただきます。ルパン三世」──(笑)。まさにこの一言で、ルパンたちの動機と伯爵の野望が一気に浮き彫りになるのよね。

クラリス=花嫁を守るのがルパン偽札の原版を狙うのが富士子、そして“指輪と財宝”に執着する伯爵
それぞれの狙いがぶつかり合う中、銭形だけがまだ何が起きてるのかわかっていなかったって感じね。

でも、ルパンと銭形の関係だから、銭形は必ず何か裏があるとみていたんでしょうね。だって、ルパンは何かを「自由」にするために盗みをしているって、当然銭形は知っているから。

これがお金や宝石なら、それが何かの自由につながろうが何だろうが、「窃盗」として「逮捕逮捕!」と追い掛け回すことできるわよね。でも、そのターゲットが人で、かつ、その人の「自由」のために奪おうとしているとなると、その人が今、「自由ではない」と銭形も直感して何かがいつもと違うって感じてたでしょうね。

銭形も、このカリオストロ伯爵については、ちょっと怪しいとみていたのは間違いなさそう。「いけすかん城だ」と言っていたしね。

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相関図②|地下牢獄の再会と、光を灯す“泥棒の一念”

城内の警護──いや、城外で警備に当たっているのが、銭形と埼玉県警。夜通しの警備に、カップ麺でお腹を満たす銭形警部や県警の姿には、昭和一桁生まれ(?)への郷愁を感じさせるものがあるわね。

カリオストロ伯爵にどこか“ただならぬもの”を感じながらも、とりあえずはルパンを追いかけ続けてきた結果──
なんと、城の罠にかかって、「二度と戻ってこられない」と噂される地下に転落してしまった銭形警部。

一方そのころ、ルパンは──峰不二子(ルパンの元恋人で、利害次第で敵にも味方にもなる謎多き美女)から、クラリスの居場所が「北側の塔のてっぺん」だと聞き出して、あっという間に再会を果たすの。このへんのスピード感と手際の良さ、さすがよね。

クラリスの部屋では、彼女が沈み込んでいたんだけど──人の気配に気づいて、おもむろに尋ねるの。「どなた…?」

ルパンは答えるの。「泥棒です」──


そしてクラリスは「どろぼうさん?」って。

まだこの男が誰かもわからない。しかも、「泥棒」なんて本来なら強烈なネガティブワードで正体を名乗ってきたその相手に、クラリスはなんの恐れも抱かず、素直に受け入れてしまってるのよね。

それって、心が澄みきってる状態ってことなのかかしら。このシーン、ストーリーを書き上げた人の感性がほんとに光ってるのよ。心がじんと動かされるわ。

でもすぐに、クラリスは気づくの。「あなたは、あのとき(崖から車で転落したとき)の方ですね」って。そう、命をかけてこの場に駆け付けてくれた“泥棒”に──もうすでに、彼女の心は奪われてしまってるのよね

このあとルパンはいろいろ“心に響きそうなセリフ”を連発してるけど、もう、その言葉より前に勝負はついていた感じよね(笑)。

最後には、クラリスの心の中に、ルパンが“信じる力”という光を投げ入れた。ルパンの言葉って、名言っぽいのに、なんか笑えてくるのよ。でもそれが、逆に深い信念を伝えてるように感じるわ。

言葉を超えて、ルパンの一念はクラリスに届いたのよね──そう、光を灯した感じ。あぁ、やっぱりルパンって優しいんだなあって、べたべたなシーンではあってもグッとくる場面よね。

でもその甘い時間もつかの間、次の瞬間にはそのルパンも地下へ落とされてしまうの。でも、落ちていくその瞬間から着地まで、顔色ひとつ変えないんだから。こういうとこ、惚れちゃうのよね〜(笑)。

そして、残されたクラリス。そこへカリオストロ伯爵が現れて、血に塗られた過去の因縁みたいなことを彼女にぶちまけながら、指輪を奪いに迫ってくるのよ。

その指輪、ついさっき──ルパンが命がけでクラリスに渡したばかりのもの。でも、実はそれ…偽物だったの。

ママ的にはね…別に偽物じゃなくてもよかったんじゃない?って思っちゃうんだけど(笑)。でもきっと、この時点ではまだ、その指輪にどんな秘密があるのかわからない。だからこそ、ルパンは渡すわけにはいかなかったのよね。

それに、万が一、それがクラリスの身に危険を呼び寄せたら──って考えてたのかも。そして結果的に、その偽の指輪に盗聴器を仕込んでいたおかげで、伯爵の本音が筒抜けに!

そう、伯爵の狙いは「お宝」──クラリスとの結婚は、そのための“鍵”だったってわけ。ルパンは、偽の指輪を「ポンッ!」って破裂させるんだけど、そのとき彼は、地下へ滑り落ちていく仕掛けの中で、身動きもままならない状況だったのよね。

でもその最中──ルパンは、きっとクラリスが微笑んでくれているって思ってたんだと思うの。だから、ルパン自身も微笑んでるのよ。もう…なんて優しいの…。

──で、その地下では、銭形とルパンが再会!

出口を探して、もうヘトヘトな銭形。でも、ルパンが「出口なんて知らない」って言って、がっかりしつつも、まだ異様な周囲の様子を理解しようと質問を投げかける。

そういうところ、銭形ってやっぱすごいって思っちゃう。

並みの男なら、もう完全に絶望してる場面なのにね。で、壁に書かれた旧日本軍の男性の遺書みたいな言葉を見て、思わず「なんまんだぶ、なんまんだぶ…」って──

……あれ、さっきルパンも同じことしてたよね(笑)?

こういうとこ見ると、やっぱりこの二人、とっても気が合うんだなあってほっこりするわね。

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相関図③|燃える札束、砕ける正義、そして指輪の謎へ

さて、ほどなくルパンと銭形はあっさり地下牢を脱出。地上へ抜ける途中、二人が目にしたのは──偽札の山。そしてその印刷設備。そう、ここがゴート札の印刷が行われている心臓部だったのよね。

ここから、銭形は警察官としての正義に火がつく。偽札製造の事実を公にすることに集中していく一方で、ルパンはただひたすらに、クラリス救出に向けてまっしぐら。

さて、地上では、ルパンを信じて疑わぬ五ェ門と次元。彼らは、ルパンの合図をずっと待っていたんだけど──その合図、なんと煙!?

札束を燃やすというのが、あらかじめの作戦だったのかしら。大胆すぎて笑えてくるけど、ルパンらしいわね。

作戦通り、煙で敵をかく乱しながら、ルパンと銭形はオートジャイロを奪取!そしてクラリス救出へ──!

……なんだけど、そこはやっぱり、そう簡単にはいかない。

もう少し、もうほんの少しのところで──ルパン、敵の銃弾に倒れてしまう

クラリスは、必死でルパンをかばって守ろうとするんだけど、結果的にまたしてもカリオストロ伯爵のもとへ連れ戻されてしまうの。

ルパンは、クラリスを一瞬たりとも伯爵のそばに置きたくない。だからこそ、伯爵に「指輪と引き換えにルパンを逃がす」と言われても、ルパンは指輪を渡したくない。衿の中に、そっと隠していたのよ。

……でも、その秘密、あろうことか不二子が暴露しちゃうの。

でもね、ママ的には──それでよかったんじゃないかなって思うの。もしあのままルパンが指輪を持ち続けていたら、きっとルパンもクラリスも、どちらも伯爵に葬られていたような気がするわけ。

クラリスが、自ら指輪を渡そうとしたことで、ほんのわずかでも伯爵に“隙”が生まれたんじゃないかって思うのよね。

一方そのころ、銭形警部にも逆風が吹いていた。スパイ映画ではよくある話よね──闇の組織と、表の組織の上層部が繋がってるってやつ。

銭形は「後任が決まり次第、ルパン担当を外れる」っていうお達しを受けて、もう身動きが取れない状況。
でも──そこに、富士子の機転が光ってたわ!

ルパンが「結婚式を襲う」という情報を、富士子が銭形に流してくれたおかげで、銭形は“ルパンを追う”という大義名分を得て、再び動き出せるようになったの。

そしてルパンはというと──なんとローマ教皇に変装して結婚式に乱入!もうここ、あの“あのテーマ曲”が脳内再生されるくらい、テンポよく進んでいくのよ。

銭形も叫んでる。「ルパーン!待て〜!」って。

でも、ルパンは上へ、クラリスのもとへと向かうのに──銭形はなぜか地下へ(笑)。

その地下は、そう、偽札印刷の現場

衛星中継が回るテレビ放送の前で、大量の偽札を前に「これは偽札だ!どうしよう!」って銭形が叫ぶの(笑)。

さて、クラリスとルパンは、城の外へと脱出を開始。それは、クラリスにとって自由への第一歩

二人は、水道橋を走り抜け、向かう先は──時計塔。そこでついに、クラリスが幼い頃から聞かされてきた言葉が現実と結びつく。

光と影を結び 時告ぐる 高き山羊の 陽に向かいし眼に 我を納めよ

なるほど、実際に門に刻まれたゴートをみて、その言葉を聞いて**指輪の謎がついに解けた!**って感じよね。

この言葉は、のちに伯爵の耳にも入ることになるんだけど──皮肉なことに、クラリスは小さい頃からその言葉を聞かされて育っていたのに、伯爵のほうは、指輪の本当の秘密を知らなかったってわけ。

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相関図④|ルパンが最後に盗んだ“とんでもないもの”とは?

ラストはもう、このシーンにすべてが集約されてるわよね。湖の底から、古代ローマの遺跡が姿を現すの。

それを見たクラリスは、きっと感じ取ったのよ。──おじさま(ルパン)は、次のお宝を目指して、どこかへ行ってしまうんだって。

だから、クラリスは「一緒に行きたい」って、そう言うのよ。……その瞬間のクラリス、もう本当に愛おしすぎて、
さすがのルパンも、その気持ちを受け止めてあげようとするのよね。

両腕をクラリスに回して──思いを受け止めようとする。……でもね、ギリギリのところで、思いとどまるの

ルパンはわかってたのよ。その両手を、クラリスの背中にまで触れさせてしまったら──クラリスは「受け入れてもらえた」と思ってしまう。その一瞬が、彼女の未来を決定づけてしまうかもしれないって。

だから、ルパンは誤らなかった。腕は確かに回してしまったけど──手のひらが、クラリスの背中に触れることはなかった。

その“触れなかった”ことで、クラリスはこう思えたはずなの。「やっぱり無理よね。さすがに、それは……受け入れてはくれないわよね。」

クラリスは、一瞬の気の迷いすら抱くことなく、きれいに諦めることができた。その潔さこそ、彼女がルパンに選ばれた理由だし、最後の一線を超えないところがルパンを選んだ理由よね。

そして──クラリス、最後のあがきは、きっと口づけの求めだったのかな。いや、それとも、きれいにあきらめはついたうえでの「せめて思い出だけでも」って思いだったのかな。この辺がまだまだ若いな(笑)って思ってしまうのはママだけじゃないわよね。

でも、ルパンはそれも、さりげなくかわすのよ。さすが、ルパン。

そして来ました、あの有名なセリフ。「くそ~、一足遅かったか。ルパンめ、まんまと盗みおって。」

──銭形のこの言葉、ただの決め台詞じゃない。クラリスの表情に、何かを感じたのかもしれないって思うの。

もし、あのときルパンが両の手のひらまでクラリスの背中に触れていたら──案外、クラリスの心は今ほどには持っていかれなかったかもしれないわね。

一番一緒にいたい人が、今ここにいて──でも、その人は目の前で立ち去っていってしまう。

こんなにも心を持っていかれる瞬間って、あるかしら。

もしかしたら銭形は、それを感じ取っていたのかもしれない。目に見えるものじゃなく、“核心”を盗んでいく男。

そして銭形が言うのよ。「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。──あなたの心です。」そのとき、クラリスの表情にはとてもいい笑顔が戻っていたわ。

きっと、ぽっかりと穴が開きそうになった彼女の心を、銭形がそっと見つめ、読み取り、**“言葉で抱きとめた”**からなのかもしれないわね。

そしてその隣で、銭形たちを見送っていたクラリスの家の庭師が、ぽつりと呟くのよ。「なんて気持ちのいい連中だろう。」

──そのひと言が、すべてを物語ってる気がしたの。

自分たちができる最大限の思いやりをもって、目の前の人に接してきた、彼らの心のあり方と、生きざま。それを、見ていた人はちゃんと感じてたのよね。

この物語のラストは、決して“盗み”じゃなくて、贈り物のような優しさで満ちていたと思うの。

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まとめ

ルパンが盗んだのは、お金でも財宝でもなかった。「あなたの心です」と銭形が言ったとき、すべてが報われた気がした──それは、どんな財宝よりも尊く、誰かを救う“ぬくもり”のようなもの。

華やかなアクションも、軽妙なセリフも、すべてがクラリスの“自由”という一点に収束していくこの物語。ラストに遺されたのは、悲しみではなく、静かに胸を満たす希望と敬意だったのかもしれません。

だからこそ、『カリオストロの城』は時代を超えて、ずっと愛され続けているのよね。

今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。

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