ハリーポッターと死の秘宝PART1の相関図とあらすじまとめ|死の秘宝とはなんだったのか?

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この記事はネタバレ情報やあらすじを含みます。シリーズの他の作品含め、未視聴の方は特にご注意ください

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』は、ついにハリーと仲間たちがヴォルデモートに真正面から挑む最終章の幕開け。この物語では「守られる子ども」だったハリーが「仲間と共に戦う者」へと変わっていく姿が描かれるの。家族との別れ、不死鳥の騎士団の犠牲、友情の揺らぎ、そして自由を求めた妖精の死。相関図で人物や出来事を整理しながら振り返ってみると、それぞれの関係性や選択の重みがより深く見えてくるはず。

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目次

相関図①|仲間の決意と七人のハリー作戦

映画冒頭、ハーマイオニーがご両親に、「オブリビエイト」と呪文をかける。ハーマイオニー・グレンジャーはホグワーツ魔法魔術学校グリフィンドール寮の生徒で、ハリーの親友であり、才知に優れた魔女。

その彼女が両親に向けて放った呪文は、ご両親から自分に関する記憶のいっさいを消し去る魔法だった。いや、ちょっと待ってと思わず声を上げたくなるの。

マグル(非魔法族)の世界にも危険が及び、ご両親だってオーストラリアへ避難するという事情は理解できるの。でも、あなたたち、決戦で何としても勝つんでしょ?そして戻ってくるんでしょ?

死に対する覚悟をしているにしても、家族の記憶から自分を消してしまうなんてあまりにも切ない選択だと感じるの。

ダーズリー一家も住み慣れた家を後にする決断をくだした。ダドリーはハリーの従兄で、父のバーノンと母のペチュニアは彼を冷たく扱い続けてきた人たち。その一家もヴォルデモートの脅威からは逃げるしかなかった。

もうそこには安全はないと悟ったようなの。そして一人残されたハリー・ポッター。彼はこの物語の主人公で、両親をヴォルデモートに殺され、額に稲妻の傷を持つ少年。

せまる決戦に向け、彼は覚悟と決意を固めていたのだと思うの。ところでバーノンたちが家を出て行ったあと、一人残ったハリーが荷物をまとめていた。

その時に手にしていた鏡と、その中に映り込んだ人は誰だったのかと気にならなかった?映画では鏡の由来は説明されなかったけれど、これはシリウス・ブラックがかつてハリーに贈った両面鏡。

シリウスはハリーの名付け親であり、不死鳥の騎士団の一員。父親のような存在だったが命を落としてしまった人物なの。その両面鏡は二枚で一対となり、テレビ電話のようにつながる魔法のアイテム。

シリウスの死後、ハリーは鏡を割ってしまったが、破片だけを持っていた。今その鏡を見つめると、薄暗がりの中に一見ダンブルドアを思わせるような男性の影が映り込んだのだけれど、それはハリーにも見えていたのかしら。

そんなところに、思いがけずハリーと共に戦う決意を固めた仲間たちがやって来る。ロン・ウィーズリーはハリーの親友で、大家族ウィーズリー家の末っ子の一人。双子の兄フレッドとジョージ・ウィーズリーはおどけた性格で悪戯好きだが、仲間思いで勇敢な兄たち。

マッドアイ・ムーディは元闇祓いで、不死鳥の騎士団の古参。厳格で鋭い視線を持つが、それは仲間を守るための強さでもある。ハグリッドはホグワーツの森番で、ハリーを魔法界へと導いてくれた最初の人物。大きな体と優しい心で、彼もまた命を懸けてハリーを守ろうとしていた。

ダンブルドアを失った今、ハリーに守られる場所はもうない。アルバス・ダンブルドアはホグワーツの校長で、最大の後ろ盾だったがすでに命を落としている。

だからこそ仲間たちは待っていてもダメだと判断し、行動を開始するの。ここで実行されたのが「七人のハリー作戦」。

ポリジュース薬を使って仲間たちが次々にハリーへと変身し、敵の目を欺きながら移動を開始したの。けれど裏切り者がいて、作戦は筒抜けだった。

待ち構えていたデスイーターたちが一斉に襲いかかる。デスイーターとはヴォルデモートを支持する闇の魔法使いたちで、彼の忠実な手下。その空の戦いの中でヴォルデモート自身が姿を現した。

彼は闇の帝王と呼ばれ、ハリーの両親を殺した張本人。その姿を目にした時、本当に実物なのかと疑うほどの存在感だったの。そしてさらに驚きの場面が訪れる。ハリーが気絶しているのに、彼の杖がヴォルデモートの接近に反応し、勝手に攻撃を放って退けたの。

ネット上での原作に基づく解説によれば、以前ヴォルデモートが復活した時に対峙した際、ハリーの杖はヴォルデモートの強大な力の一部を取り込んでいた。そのため、ヴォルデモートが使用していたルシウス・マルフォイの杖を圧倒することができたのだって。ハリーの杖が反応したのは、ヴォルデモートの力の一部を取り込んでいたために、ヴォルデモートが魔法を放った際にハリーの杖も同様に魔法を放つことになったのだとか。

ルシウスはマルフォイ家の当主でデスイーターの一人であり、ドラコ・マルフォイの父親。その杖を持つヴォルデモートを退けたのは衝撃的だったわ。しかし代償も大きい。

マッドアイ・ムーディは命を落とし、ジョージは耳を失う重傷を負った。仲間を守るための戦いの中で犠牲が出る厳しさを突きつけられた。裏切り者が誰なのか、この時点では明かされないが、仲間同士に不安を残す展開になった。

そして舞台はウィーズリー家の兄ビルとフラー・デラクールの結婚パーティへ。ビル・ウィーズリーはロンの兄でグリンゴッツ魔法銀行に勤める魔法使い。フラーはボーバトン魔法アカデミー出身で、三大魔法学校対抗試合で登場した才気ある魔女。

二人は前作で結ばれ、結婚に至った。その祝宴の最中、「奴らが来る」と告げる光が差し込む。これはキングズリー・シャックルボルトの守護霊が伝えてきた警告だった。

キングズリーは有能な闇祓いで、不死鳥の騎士団の仲間。彼が告げたのは、魔法大臣ルーファス・スクリムジョールが殺され、魔法省がヴォルデモートに陥落したという知らせ。そして結婚式の場にデスイーターが迫っているという事実だったの。

その直後、会場は襲撃を受け、ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人は混乱の中を逃げ延びる。しかし逃げた先にもデスイーターが現れる。もはや彼らには安息の場所はなく、世界そのものが敵の影に覆われていく展開となったの。

相関図②|ペンダントの行方と揺らぐ三人の絆

ブラックの館から盗み出されたペンダント。ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーの三人の命を受けて屋敷しもべ妖精のクリーチャーが動かされる。

クリーチャーはシリウス・ブラックに仕えていた古い家の妖精で、かつては反抗的だったが今はハリーの命令に従う存在。そのクリーチャーと、偶然居合わせたドビーがマンダンガスを捕らえて戻ってきた。

ドビーは自由を得た屋敷しもべ妖精で、純粋な心でハリーたちを助け続ける存在。マンダンガス・フレッチャーは盗品を扱うことで知られるずる賢い魔法使いで、不死鳥の騎士団に所属してはいるものの信頼できない人物だった。

そのマンダンガスは、どうやらあのペンダントを例のドローレス・アンブリッジに差し出してしまっていたの。アンブリッジは魔法省の高官で、ハリーやダンブルドアを敵視してきた魔女。かつてホグワーツで専制的な教育を行い、生徒たちを苦しめた人物なの。

ハリーたちはそのペンダントを奪い返すため、魔法省への潜入を試みることになった。とんでもないリスクを背負う決断だけれど、それを承知の上で挑む三人。

これまで臆病さを見せることの多かったロンが、このときは分霊箱を取り戻すためだと強い意志を見せたのが印象的だった。守るべき存在であるハーマイオニーと共に戦う決意が、ロンに勇気を与えていたのだと思うの。

魔法省に潜入したハリーたちが目にしたのは、マグルに関わる者を捕らえ、侮辱し、支配しようとする支配の現場だった。

息を呑むような圧政の空気の中で、彼らはアンブリッジが身につけているペンダントを探す。限られた時間での行動、ポリジュース薬による変身の効力が切れる前にやらねばならなかった。

ハーマイオニーは単身でアンブリッジがいる法廷に潜入。アンブリッジは例によって根拠のない罪をでっちあげ、マグル出身の魔女や魔法使いを裁いていた。そんな隙をついて、ハリーはアンブリッジの首からペンダントを奪い取ることに成功。

だが当然のようにその場は騒然となり、三人は魔法省の中で追われる身となる。必死の逃走の末、何とか姿くらましによって脱出し、瞬間移動で森の中へと逃げ込むことができたの。だけどこのシーンは映画ではわかりづらかった。

ハーマイオニーが向かおうとした先は、かつての隠れ家グリモールド・プレイス。しかしデスイーターのヤックスリーに掴まれ、移動先を変えざるを得なくなった。ヤックスリーは魔法省に勤めていたがヴォルデモートの勢力に加わった闇の魔法使い。

その状態で無理に移動したため、ロンの体はばらばらになってしまいかけ、腕が危険な状態になってしまったようなの。目的はヤックスリーを振り払うことにあり、それは達したため、森に現れたときにはヤックスリーは姿を消していた。

ハーマイオニーは、自分の行動でロンを傷つけてしまったと悔やんでいたのかもしれないわね。薬によってロンの体は何とか回復の兆しを見せる。しかし新たな難題が待ち構えていた。

奪ったペンダントがどうしても破壊できないのだ。このペンダントはヴォルデモートが魂の一部を封じ込めた分霊箱。強力な呪いがかけられており、普通の手段では壊せない。

さらにこのペンダントは持つ者に暗い影響を与え、性格を歪ませてしまう危険な品でもあった。

ハーマイオニーは、ハリーに「心を開いてはだめ」と忠告する。ハリーはヴォルデモートとの繋がりのせいで、心を読まれる危機にさらされていた。

かつて心を閉ざす訓練を受けていたが、未だ完全にはできず、夢や幻覚を通してヴォルデモートの姿や悪行を見せられて苦しんでいた。そしてその上に、ペンダントが放つ邪悪な力がハリーをさらに蝕んでいく。

やがてロンがペンダントを首から下げ続けた結果、とんでもない嫉妬と疑念に支配され、ハリーと激しい口論を繰り広げる。ハリーの「出ていけ」という言葉に、ロンは怒りを爆発させ、本当にその場を去ってしまうの。

だけど幸い、去る直前にペンダントを外したことで、彼の理性は保たれたれることになった。仲間を思う気持ちを取り戻すのも時間の問題だったと感じさせる描写だった。

ところで、この仲違いの直前に、ハリーとハーマイオニーはペンダントを破壊する方法をひらめく。

ロンが以前「ダンブルドアは分霊箱を探せと言いながら破壊方法は教えてくれなかった」と怒っていたことが伏線になっていたようね。そのヒントはダンブルドアが三人に遺した遺品の中にあった。

ハーマイオニーは本の中に破壊の鍵を見出す。バジリスクの毒で分霊箱を破壊できた前例を思い出し、その時使われたのがグリフィンドールの剣だったことに想いが至る。

ゴドリック・グリフィンドールはホグワーツ創設者の一人で、その剣は「吸収したものを力に変える」という特性を持っていた。かつてバジリスクを倒した際に毒の要素を取り込んだ剣なら、今回のペンダントも破壊できるはずだと考えられたの。

ダンブルドアは三人にそれぞれヒントを分け与えていた。ハリーにはスニッチ、ロンには灯消しライター、ハーマイオニーには物語の本。これらが徐々に秘密を解き明かす道しるべになっていくのだと感じさせる流れだったの。

相関図③|グリフィンドールの剣と死の秘宝の伝承

秘密の手がかりを求めて、ハリー・ポッターとハーマイオニー・グレンジャーはゴドリックの谷を訪れる。ハリーの両親ジェームズとリリーが眠る墓に参っている二人を、老婆がじっと見ていた。

その老婆の正体は、バチルダ・バグショット。魔法史の第一人者として知られる人物で、ホグワーツの歴史書を著した学者でもある。しかし残念ながら、そこにいたのは本物ではなかった。

ハーマイオニーが予測していた通り、すでにヴォルデモートの罠が仕掛けられていたのだ。ヴォルデモートの蛇であるナギニがバチルダを殺し、その死体を操っていたらしい(ヴォルデモートが殺し、ナギニが変身していたなど諸説ネット上では確認されたわ)。

なんでもウソを交えながら暴露して行くリータスキータの著書が置いてあったわね。きっとそのせいで、これまではごく限られた人しか知らなかったダンブルドアやその周りの人々の関係がその本のせいで知られることになってしまったのかもしれないわね。バチルダはもしかするとリータスキータの犠牲者ということかしら。

ナギニはヴォルデモートに忠実な大蛇であり、彼にとって分霊箱のひとつでもある存在。二人は危険を察して瞬時に場所を移動することになった。

彼らが辿り着いたのはディーンの森。そこはかつてハーマイオニーが両親と訪れていた場所だった。そこでハーマイオニーは、ハリーが老婆の家で見かけた写真に写っていた男の正体を伝える。彼はゲラート・グリンデルバルド

若き日にアルバス・ダンブルドアと親交があったが後に闇の魔法使いとなり、かつて魔法界を混乱に陥れた人物。彼は杖職人グレゴロビッチから最強の杖を盗み出していた。グレゴロビッチは当代随一の杖職人として名高く、数々の名杖を生み出した存在。

その最強の杖をグリンデルバルドという男が盗み出していたというの。ここに移動する時、ハリーの杖は実は壊れてしまっていたの。どうやら杖がこの最終章で一つの鍵になっているみたいね。

ヴォルデモートは自らの杖がハリーの杖と「双子の杖」となっているため、それに代わる最強の杖を求めていた。ハリーは自らの杖を失い、不安定な状況に置かれる。

そんな中、ハーマイオニーをテントで休ませ、自らは見張りをしていたハリーの前に、青い光を放つ守護霊が現れる。姿は牡鹿で、その導きに従うと、凍りついた湖のほとりに辿り着く。

湖の氷の下には、なんとグリフィンドールの剣があった。これで例のペンダントを破壊できるかもしれない。なぜ剣がそこにあったのか。ダンブルドアの肖像画がセブルス・スネイプに指示を出し、スネイプが剣をそこに置いたという情報もあるわね。

スネイプはホグワーツの教師で、これまで幾度もハリーを苦しめた存在。しかしその行動には別の意図があったということがこの物語の中で明らかになっていくわ。

ただ、ママ的にはグリフィンドールの剣は真のグリフィンドール製の前に現れる..と言われていた言葉が引っかかって、なぜスネイプが取り扱えたのかなあって疑問があったんだけど、どうやらそれは、スネイプがホグワーツの校長になったことで、グリフィンドールの剣を手にする機会を得たという風に理解したわ。(グリフィンドールの剣は校長室にあり、偽物とすり替え、グリンゴッツに偽物を隠してあったらしい)

映画ではよくわからなかったので、調べてみると、どうやらジニーたちが校長室に合ったグリフィンドールの剣(偽物)を、そうと知らずに盗み出そうとしていたらしいの。動機は的を得ていたとは言いにくいけど、真の所有者たるものスネイプにあらず..って感じのようね。

スネイプはそのことがあったために、グリンゴッツのレストレンジ家の金庫に隠すことにしたらしいの。でもなんでって調べてもその情報はみつからなかったの。想像するに、もし万一、ジニーたちがグリフィンドールの剣を奪い取ったなんて話がヴォルデモートサイドに入ったなら、ヴォルデモートにとってはそんな危険なもの持っているものを黙って放置するはずないわよね。だって、分霊箱壊される恐れがあるんだから。ヴォルデモートもそれが偽物とは知らなかったようだから、もし盗まれたらジニーたちがヴォルデモートのターゲットになってしまうと考えたのかもしれないわね。だから、彼女たちが変な気を起こさないように剣(偽物)を隠したんじゃないかな。因みに本物は、ダンブルドアの肖像画の裏に隠されていて、ダンブルドアの肖像がスネイプにハリーに手渡すように指示したんだって。

それでも、重要なのはこの時、剣を通じてペンダントを破壊する道筋が開かれたことだった。氷の湖で命の危険にさらされたハリーを助けたのは、戻ってきたロンだった。

仲違いし姿を消していた彼が、再び仲間のもとに現れたのだ。ハリーと協力してペンダントを破壊する場面は、緊張と解放が一気に押し寄せる展開だった。

ダンブルドアが残した三つの遺品の一つ、ロンに与えられた「灯消しライター」は、この時秘密を明かした。ライターはただ光を消す道具ではなく、仲間を再び導く役割を持っていたのだ。

ロンは一度ハリーやハーマイオニーの元を離れる必要があったのかもしれない。その経験を経て戻ってきた彼だからこそ、ペンダントのまやかしに打ち勝つことができたのだと思える。

ハーマイオニーの提案で、次に三人が向かったのはゼノフィリウス・ラブグッドのもとだった。ゼノフィリウスはハリーの友人ルーナ・ラブグッドの父で、不思議な考えを持ちながらも独自の雑誌を発行する人物。

彼は首から三角に丸と縦棒が組み合わさったマークを下げていた。そのマークはあちこちで見かけるもので、三人も疑問を抱いていた。

ゼノフィリウスを訪ねた三人は、そこで「三人兄弟の物語」と「死の秘宝」という言葉を聞かされる。吟遊詩人ビードルの物語に収められた寓話で、三人の兄弟が「死」という擬人化された存在から与えられた三つの宝物の話だった。

一つは「最強の杖」、それがニワトコの杖。二つ目は亡き人を呼び戻す石、蘇りの石。そして三つ目が透明マントで、「死」から身を隠すことができるもの。

この三つを象徴するのが三角と丸と縦棒のマークであり、これらを総称して「死の秘宝」と呼ばれるのだという。これらをすべて集めると「死を制する者」となると伝えられている。

少なくとも物語では、ニワトコの杖と蘇りの石を使った者は死に至ったと語られているが、三つが揃うことで別の未来が待つのかもしれない。ここで、ハリーたちは「死の秘宝」の存在を初めて意識することになる。

相関④|ドビーの犠牲とヴォルデモートの最強の杖

ハリー・ポッターたちは残念ながらデスイーターたちに捕らえられてしまう。デスイーターはヴォルデモートに従う闇の魔法使いたちで、その中にはベラトリックス・レストレンジの姿があった。

ベラトリックスはシリウス・ブラックの従姉妹であり、純血主義に狂信的な女性。ヴォルデモートに心酔し、冷酷で残虐な性格の持ち主で、不死鳥の騎士団との戦いで幾度も立ちはだかってきた人物だった。

捕らえられたハリーたちは魔法の使えない地下牢に閉じ込められ、ハーマイオニー・グレンジャーはベラトリックスから拷問を受けることになる。

ベラトリックスは、彼女が持っていたグリフィンドールの剣がグリンゴッツ魔法銀行から盗み出された秘密を聞き出そうとしていた。

グリンゴッツは魔法界の銀行で、ドラゴンによって守られるほど厳重な警備が施されており、そこから盗み出されたということは、そこに保管されていた分霊箱(ハッフルパフのカップ)も盗み出されたのではないかと気が気ではない。

一方、地下室に閉じ込められ打つ手のないハリーは、忍ばせていた両面鏡の破片を取り出し、その中に映る老人に救いを求める。ハリーはその姿を「ダンブルドア」だと思い込んでいた。

アルバス・ダンブルドアはすでにこの世を去っていたが、彼は今もなおハリーにとって頼るべき象徴であり続けていたのね。その時、突如として現れたのが屋敷しもべ妖精のドビーだった。ドビーはかつてマルフォイ家に仕えていたが、ハリーの助けによって自由を得た妖精。

以来、恩義を胸に、危険を顧みずに彼を助けてきた存在である。そのドビーが地下牢に姿を現し、ハリーたちを救い出すの。地下牢に囚われていた仲間たちは解放され、脱出の道が開けていった。

しかしここで、ママにとっては、この物語最大の悲しい場面が訪れる。館から逃げ出すその間際、ベラトリックスが短刀を投げつけ、それがドビーの胸に突き刺さってしまったの。

ドビーは倒れ、その命を失う。自由を得てからも常に仲間を守り続けた彼の最期は、あまりに痛ましい犠牲だった。ルーナ・ラブグッドはその場にいて、静かにハリーに寄り添っていた。

ルーナはレイブンクロー寮の少女で、不思議な感性を持ち、他者には見えないものを感じ取る力がある人物。彼女は「眠っているみたい」と言ってドビーを見つめ、涙を流すことはなかった。

彼女の眼差しは、肉体の死を超えてなお存在するものを信じる静かな強さを示していたのかもしれない。その態度はハリーにとっても救いであり、ドビーの死を受け入れるための支えとなったにちがいないわ。

こうしてハリーたちは仲間を失いながらも、なんとか歩み続ける。しかし同じ頃、別の場所では恐るべき出来事が進行していた。ヴォルデモートがアルバス・ダンブルドアの墓を暴いていたのだ。

白い墓石を開け、その中から取り出そうとしていたのはニワトコの杖。死の秘宝の一つであり、伝説の「最強の杖」と呼ばれる存在だった。

ヴォルデモートはそれを手にすることで、ハリーの杖と繋がる兄弟杖の呪縛から逃れ、真に世界最強の力を持つ存在になろうとしていた。

彼がその杖を手に入れた瞬間、勝利の喜びを誇示するかのように天へ向かって稲妻を放つ。その光は、彼がすでに誰も止められない存在になったことを示すかのように、夜空を切り裂いていた。

ハリーと仲間たちの戦いは犠牲を伴いながら続き、そして敵もまた確実に力を増していく。物語は、次なる決戦へと避けられない流れに進んでいくの。

相関⑤|死の秘宝とは何だったのか?

“物語の中盤で、ゼノフィリウス・ラブグッドの口から語られた「三人兄弟の物語」。ここで初めて「死の秘宝」という言葉が登場するの。三兄弟は擬人化された「死」と出会い、それぞれに褒美を授かる。

一人は最強の杖=ニワトコの杖を、一人は死者を呼び戻す蘇りの石を、そしてもう一人は死から身を隠す透明マントを。これら三つが合わさって「死を制する者」を意味する秘宝と呼ばれるようになったのね。

ヴォルデモートが追い求めたのは杖。彼は力こそが支配の源だと信じ、死を遠ざけようとした。でもその欲望は、かえって「死」を呼び寄せていたように思える。一方で、ハリーが受け継いだ透明マントは、ただ逃げるための道具ではなく、「死に抗うのでなく、受け入れる」姿勢を象徴していた。結局のところ「死を制する者」とは、死を拒むことでも勝つことでもなく、死と共に生きる覚悟を持つ者のことなのかもしれない。

こう考えると、「死の秘宝とは何だったのか?」という問いに対しては、単なる三つの魔法の道具ではなく、人間が「死」をどう捉えるかを突きつける物語上の装置だったと思うの。力に溺れれば滅び、執着すれば苦しみ、でも受け入れれば、恐怖から解放される。

ハリーがこれから向き合う宿命の決戦において、この秘宝の意味がどう響いていくのか。その答えはPART2で描かれることになる。

相関図のまとめ 『死の秘宝 PART1』は、ハリー・ポッターシリーズの中でも特に陰鬱で、喪失感に包まれた作品だと思う。ハーマイオニーが両親の記憶を消す場面から始まり、マッドアイやドビーといった仲間を失い、さらには友情の絆までも揺らいでいく。けれど、その中で確かに描かれているのは「進むしかない」という選択。守られていた時代は終わり、これからは自分たちが未来を切り開いていくという覚悟が物語の随所に刻まれていたと思う。

今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。

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