前作で月まで盗んだ男は、いったいどこ行ったんでしょう?
本作のグルー、悪党どころか、娘の誕生日会を盛り上げ、娘の恋に動揺し、寝る前にはキスまでしている。
もはや周りの人間がぶっ飛びすぎていて、元・大悪党のグルーが一番まともに見えてくるという不思議なことになっています。
反悪党同盟からやってきたルーシー、謎のメキシコ料理店オーナー・エドアルド、三姉妹、ネファリオ博士。そして、相変わらず自由すぎるミニオンたち。
今回は相関図とともに主要キャラクターを整理しながら、邦題の「危機一発」って結局なんなん?というところについても見ていきたいと思います。
『怪盗グルーのミニオン危機一発』の相関図

本作の中心にいるのは、悪党稼業から足を洗い、マーゴ、イディス、アグネスの父親として暮らしているグルー。
そこへ反悪党同盟(AVL)のエージェント、ルーシー・ワイルドが現れます。
二人は強力な変異薬PX-41を盗んだ犯人を探すため、パラダイス・モールでコンビを組むことに。
一方、グルーが疑いの目を向けるのが、メキシコ料理店を経営するエドアルド・ペレス。
さらに、その息子アントニオと長女マーゴまで急接近するものだから、グルーにとっては捜査と父親業が完全にごちゃ混ぜ。
そして裏側では、グルーのもとを離れたネファリオ博士と、次々姿を消していくミニオンたちも関わってきます。
『怪盗グルーのミニオン危機一発』のキャラクターと声優さんまとめ
グルー/日本語吹替:笑福亭鶴瓶さん
前作では月を盗む計画まで実行した元・大悪党。
ところが現在は悪党稼業をやめ、マーゴ、イディス、アグネスの父親として暮らしています。
本作のグルーは、悪党としての生活から離れ、三姉妹を育てながら暮らしている人物として紹介されています。
この人、本作ではほんとに元悪党とは思えない。
アグネスの誕生日会では自ら忍者姿になって盛り上げる。アグネスの演技がどう見ても棒読みなのに、最初に出てくる言葉が「最高!」。
そしてベッドでは「大人にならんとってや」と娘にキス。
いや、もう普通にめっちゃええお父さんやないの。
さらに、マーゴに男の子の影がちらついたとき。
PX-41の捜査をしていたはずなのに、アントニオが絡んだ瞬間、グルーの中の「捜査官」より「娘を取られそうな父親」が前に出てくる。
幼少期に女の子たちから避けられた場面が描かれていたけど、それが「グルーが恋愛に消極的になった原因」と考えていいのかしら…本人は否定してたけど
ルーシー・ワイルド/日本語吹替:中島美嘉さん
反悪党同盟のエージェントで、グルーと組んでPX-41事件を捜査する女性。
英語版ではクリステン・ウィグ、日本語吹替では中島美嘉さんが担当しています。
グルーを電撃で倒して、そのまま車に押し込んで連行。
追ってきたミニオンまで片っ端から処理。
なんなんこの女…って感じで登場するんだけど
でも、それだけ強烈な女性なのに、グルーと行動するうちにちゃんと違う表情が出てくるんですよね。
逃走中にグルーがルーシーを小脇に抱えてワイヤーで飛ぶところ。
ここ、ほんの一瞬だけグルーがルーシーを見る。
ああいう一瞬の視線で二人の空気が変わっていくところが、とってもいい感じ。
後半、ルーシーはルーシーで、望まぬデートからグルーを救出し、一瞬のスキをついて頬にキスしたりもできる、チャーミングな一面を見せたりもするの。
もしかして、グルーのことを認めてくれた初めての女性だったりするのかな。
もともとグルーから寄って言った相手ではなかったのにもかかわらず、グルーのうかれっぷりはちょっとじゃないものね。
マーゴ/日本語吹替:須藤祐実さん
グルーの三人の養女の長女。
前作では妹たちを守るお姉ちゃんとしての印象が強かったマーゴなんだけど、本作ではアントニオとの出会いによって「いつまでも子供じゃないのよ」的一面をグルーに見せることになったりもするの。
これには全く対応できていないグルー。
子どもたちにはいつまでも子供でいてほしいのよね。
イディス/日本語吹替:矢島晶子さん
三姉妹の真ん中。
相変わらずお転婆。
グルーに「デートしたら?」と話を振り、マーゴとアントニオのことではアグネスと一緒になって大騒ぎ。
マーゴほど恋に悩まず、アグネスほど母親を求める描写が前面に出るわけでもないけれど、家族の出来事を一番面白がっているのがイディスという感じ。
アグネス/日本語吹替:芦田愛菜さん
三姉妹の末っ子。
本作のアグネスで強く描かれるのが「ママ」という存在。
母の日の劇の練習で、母親がいないからうまく演じられないと口にします。
そしてルーシーと出会うと、かなり早い段階で「結婚するの?」とグルーに聞く。
グルーは父親として十分すぎるくらい娘たちを愛している。
でも、それとは別にアグネスの中には「ママ」という存在への思いがある。
そこへルーシーが現れる。
もうアグネス、反応が早い早い。
大人二人より先に未来を見とるやないの。
ネファリオ博士/日本語吹替:伊井篤史さん
グルーの悪党時代から付き従っている発明家。
本作では平和なジャム・ゼリー製造生活に物足りなさを感じ、別の悪党のもとへ去っていきます。
ここでのグルーの反応。
責めない。
引き止めて怒鳴り散らすこともしない。
むしろ見送る。
そして最終的にネファリオ博士がグルー側へ戻ってくる場面では、グルーたちを「family」として扱う姿勢が描かれます。
悪党時代からの上司と部下というだけではなく、もう関係が変わっている。
ミニオン
グルーに仕える黄色い仲間たち。
本作では何者かに次々とさらわれ、PX-41によって紫色の凶暴な姿へ変えられてしまいます。
……と文字で書くと結構怖い話なんだけど、本人たちがあまりにもお気楽。
捕まっている場所でも普通に楽しそうに過ごしているから、こっちまで危機感がおかしくなる。
エドアルド・ペレス/エル・マッチョ/日本語吹替:中井貴一さん
パラダイス・モールでメキシコ料理店を経営する陽気な男性。
ところがグルーは、彼の正体がかつて名を馳せ、20年前に死んだと考えられていた悪党エル・マッチョではないかと疑います。
グルーとはある意味、非常によく似た立場。
どちらも伝説級の悪党。
でも現在の方向が真逆なんですよね。
グルーは娘たちとの生活を選び、エル・マッチョは再び世界征服へ向かう。
だからエル・マッチョから「一緒に世界を征服しよう」と誘われたとき、今のグルーがどちら側の人間なのかがはっきり見えてくる。
アントニオ・ペレス/日本語吹替:宮野真守さん
エドアルドの息子で、マーゴが惹かれる少年。
エドアルド以上にグルーを振り回した男。
マーゴと仲良くしている。
ただそれだけでグルーの警戒レベルが一気に最大になる。
しかも父親がグルーの捜査対象。
そらグルーの頭も混乱するわ。
サイラス・ラムズボトム/日本語吹替:坂口芳貞さん
反悪党同盟の責任者。
グルーにPX-41捜査への協力を求める人物で、基本的には組織と証拠を優先する立場。
グルーがエドアルドを疑っても、別の証拠が出ればそちらを採用する。
なのでグルーから見れば、まあ腹立つ。
ちなみに「Ramsbottom」のbottomには英語で「尻」という意味があります。
ミニオンたちが名前を聞いて大笑いするのは、ほぼそのまんま下ネタ。
世界共通ね、「おしり」とか「おなら」という言葉だけで笑うの。
「ミニオン危機一発」の“一発”って結局なに?
「危機一髪」じゃなくて「危機一発」なの?
原題は『Despicable Me 2』。
つまり「一発」という言葉自体、原題にはないのよね。
日本では『怪盗グルーのミニオン危機一発』というタイトルで公開されています。
で。
なんで「一髪」じゃなくて「一発」なのよ。
ネファリオ博士を送り出すときの礼砲に紛れてミニオンが「ファート」とやらかす場面を見て、
これか?
これが「一発」なのか?
しかも終盤では、エル・マッチョとの戦いで例の「おなら銃」まで登場する。
「一発」に関連づけたくなるネタが、まああるにはある。
でも、これと断定できるほどの手ごたえはママ的には感じられず、「危機一発」の“一発”=ミニオンのおなら一発
と断定するのはやめておきます。
まとめ
『怪盗グルーのミニオン危機一発』を改めて人物中心に整理してみると、本作で大きく変わるのはグルーの立場なんですよね。
前作では、三姉妹によって「悪党グルー」が「父親グルー」になった。
今作ではその父親グルーの世界へ、ルーシーが入ってくる。
一方でエル・マッチョは、かつての悪党としてのグルーを再び世界征服へ誘う。
つまりグルーの前に、
昔の自分へ戻る道と、新しい家族へ進む道。
両方が出てくるわけです。
そしてグルーが選んだのは後者。
相変わらずミニオンたちは、その大事なテーマの横でおならだの尻だので大騒ぎ。
深いんだか浅いんだかわからん。
でも、その両方が同時に成立しているのが、このシリーズなんでしょうね。
「危機一発」の“一発”については、ママの中で未解決。
あの“一発”、結局なんの一発やったんですかねえ。


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