E.T. の相関図!蘇りや胸の赤い光についても考察

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この記事はネタバレ情報やあらすじを含みます。映画未視聴の方は特にご注意ください

映画『E.T.』は、孤独な少年と置き去りにされた宇宙人が出会い、友情を育むことで、家族まで変わっていく姿が描かれていたのよね。この記事では、E.T.の胸が光るのは何のサインなのか、はたまたメキシコに行ってしまった父の影響なども考察しながら、登場人物の関係や物語のテーマを相関図で整理しながら読み解いていくわ。

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目次

相関図①|孤独な宇宙人と孤独な少年

森に降り立った宇宙船は、植物を採集するために地球へやって来ていた。彼らの丁寧に標本を扱う姿から、愛情深い存在であることが伝わってくる。

その中の一体が、のちに「E.T.」と呼ばれる宇宙人だった。仲間たちが慌てて飛び去ったときに一人だけ置き去りにされ、胸の赤い光を輝かせながら孤独に取り残されてしまったんだよね。

一方、アメリカ郊外に暮らす少年エリオットもまた、孤独を抱えていた。エリオットは物語の中心人物で、年齢は10歳前後。父が家庭を去り、母メアリー、兄、妹と暮らしていたんだけど、その不在をどうしても受け止めきれずにいた。

母は明るくふるまおうと努めながらも、子供たちの前で泣いてしまうほど心を痛めていて、その空気が家族全体を覆ってしまうこともあるほど。

エリオットの兄マイケルは思春期まっさかりの少年で、弟をからかいながらも根っこには家族を思う優しさがあるナイスガイ。妹のガーティはまだ幼いんだけど、何となくぎこちなくなりそうな家族関係の中で、更にぎこちなくさせたかと思えば、うまいリカバリーを飛ばしたりと、割と世渡り上手的に過ごしているように感じるわ。

この三兄妹と母親メアリーの4人家族は、それぞれ父の不在を抱えながらもバラバラにならないよう何とか毎日をやりくりしていたのかな。

そんな状況で出会ったのが、E.T.とエリオット。最初は恐怖に震えるほどだったのに、E.T.の優しさを直感したしたんでしょうね、エリオットは、翌朝にはもう彼を探しに森へ向かっていた。

もうこの段階では、この二人の間に心と心のつながりができ始めていたように感じるのよね。エリオットが夜の藪の中に分け入り、懐中電灯でE.T.の顔を照らし出した瞬間。二人は同じようにとてつもない驚きを感じた。

エリオットは走って家の敷地に戻ってきたけど、そこではなぜだかブランコが大きく揺れ、大きなゴミ箱はひっくり返り…という状況で、いかにも何かのエネルギーがそこを交錯したか走り抜けて言ったような、何かが起こった感じが描かれていた。

映画でよくある二人の人物が階段の上から一緒に転げ落ちたり、激しくお互いがぶつかり合ったりしたときに人格が入れ替わるというのがあるけど、なんかこのシーンに似たようなものを感じたの。

運命の二人と言ってもいいのかな。二人の関係が徐々に絆と呼べるものまで昇華していく様が描かれていたように感じたわ。

ところで、二人は小さなシンクロを重ねながらお互いの信頼関係を築いていったわね。最初は家にE.T.を招き入れた時のジェスチャーの共有。

鼻の下をこすってみたり、唇に指をあててみたり。動作を共有することはお互いに心開くための早道って、セールスの世界でもよく言われるわね。

きっと、この頃には心はつながりだしていたんだと思うのよね。それにしても思わなかった?E.T.ってかなりのインテリジェンスを持ち合わせていながら、かなりどんくさかったり、その頭脳的な能力の高さに比べて、物の扱い方がえらく雑になっているときがあるのよね。

これって、もしかすると、エリオットのまだ稚拙なレベルの立ち居振る舞いが共有されているせいで、E.T.の行動やしぐさがアンバランスになっているのかもって思ったんだけど考えすぎかしら。

眠気を催して、E.T.を前にしながら突然椅子に腰かけ眠りにつくエリオット。E.T.のあくびのタイミングとのシンクロ具合をみると、もうこの段階で二人の心はかなり深くむずびついているようね。

相関図②|友情が芽生える秘密の時間

エリオットがE.T.を家に連れ帰ったことで、家族の関係は少しずつ変化していった。最初に彼と触れ合ったのは兄マイケル。

最初こそ茶化していたけど、エリオットの必死さに心を動かされ、少しずつ弟の秘密を守る立場に変わっていった。ここで兄妹三人の関係性は、E.T.を中心に新しい絆を築いていくことになる。

E.T.自身もまた、彼らとの交流を通じて心を開いていった。エリオットがチョコをまいて誘い出した場面は象徴的。あれは単なる餌付けやおびき寄せじゃなく、「僕の気持ちを受け取って」というサインだったんじゃないかな。

E.T.がそれを拾うことは「確かに君の思いは届いているよ」という返事であり、言葉を持たない存在が心をつなげるための最初のやり取りだった。

ところで映画の冒頭から気になるのが、E.T.の胸が赤く光る描写。あまりに印象的なので、映画の中でいっぱい光っていたような気がしたんだけど、実は胸が光っていたのはオープニングとエンディング間際だけなのよね。

あの発光のしくみが気になって、映画を何度か繰り返し見てどんな時に光っていたのか追ってみたの。するとなんとなくわかってきたのは、あの胸の赤い発光はE.T.自らのものではなく、E.T.が誰か別のE.T.から想いを受け取ったときにその証として輝くものなのではないかと思うの。

冒頭で人間に追われたときに光ったのも、仲間同士で互いの存在を強く意識し合ったからこそ。光は、そばにいるだけじゃ灯らない。誰かに心を投げかけ、思いが確かに届いたときにだけ輝くものだったんだと思う。

エンディングに向けて、死んだと思われていたE.T.が息を吹き返したとき、E.T.の胸が赤く光ったわね。あれは、E.T.の仲間たちが、E.T.が作った電話(発信機)を受信して、E.T.の生存と存在を確信したことによって、仲間たちのE.T.に対する想いが極限まで高まったんだと思うのよね。

その思いをE.T.が心で受信して、思いが届いた証として胸が光ったんだと思うの。そして、その思いというのは、純粋にその人(E.T.)を想うという心のレベルの高さが必要なんじゃないかしら。

なぜかというと、映画を通して、E.T.に想いを寄せる人たちというのは何人か現れたわよね。でも、E.T.の胸が赤く輝くことはなかったわ。

ところが、エンディングで面白いことが起こったの。宇宙船がE.T.のところにたどり着くまでは、もちろん仲間たちの思いがE.T.に向かっていたから、E.T.の胸は赤く輝いていた。

着陸して、中にいたE.T.の仲間の胸も、E.T.から彼らにむけての思いがあったからかな、赤く輝いていた。

でも、その存在をお互いに目にして、きっと、心で思うことよりも目で見ることの方に重きが映った瞬間、胸元の赤の光は消えていた。

でも、面白いのは、ほどなく再び点灯する瞬間があったの。みんなとお別れする時、ガーティ、マイケル、それぞれがE.T.に別れを告げていた。でも、その時には何も起こらなかった。

最後に、エリオットがE.T.に別れを告げようとしたとき、E.T.の胸元はまた赤く輝いたの。

ママはあれは、エリオットのE.T.を想う心の中の愛が、E.T.達の世界のそれと同じくらい純粋になっていたから、簡単に言えば、エリオットの愛は真の愛のレベルに達していたから、それがE.T.の心に届き、その証としてE.T.の胸が輝いたんじゃないかと思うのよね。

E.T.の胸を光らせた最初の地球人という感じかしら。E.T.のことをどこかで恐れていたメアリーも、二人が抱擁する真の愛の姿を見て膝を崩すほどの驚きを見せながら二人の愛を受け入れていたわね。

そして、エリオットが「Good bye」とE.T.への思いを断ち切る方向に振ったとき、E.T.の胸の明かりは消え、そしてE.T.は宇宙船へと乗り込んだ。でも、ハッチ越しに見えたE.T.の胸元は、また赤々と光っていたわ。エリオットが再びあふれる真の愛でE.T.に何か思いを送っていたせいじゃないかしら。

さて、話がエンディングまで行ってしまったわ。ちょっとエリオットとE.T.の心が共有され始めたところまで戻るわね。

エリオットとE.T.の心は出会って間もないころからシンクロし始めるの。E.T.が冷蔵庫からビールを飲めば、学校にいるエリオットも酔っ払ったようにふらつく。E.T.が眠れば、エリオットも机に突っ伏す。

この不思議な連動は、二人が「一心同体」に近いレベルでつながっていたことを示しているんだと思う。孤独だった二人が出会ったことで、心がここまで深く結ばれてしまったんだね。

二人が結ばれていることで起きるハプニングについての考察記事も色々上がっているわね。酔っぱらったETの影響を受けたエリオットが、酔った感覚の勢いや、E.T.が家に帰りたいという思いを募らせているのを感じ取って、授業で解剖されようとしていた、たくさんのカエルを必死で逃がそうとするの。

E.T.の帰りたい気持ちをとても大切に思って、カエルも帰りたいはずという思考になったみたいね。

さらにE.T.が見ていたテレビドラマで男女がキスするシーンの影響で、おそらく、エリオットが好意をもち、その的になっていた女の子もエリオットは気になる存在で、そんな二人がこれまた勢いでキスしてしまうという状況まで生み出されるの。

もうE.T.とエリオットのシンクロレベルはマックスに近い。同体とみなせるレベルかもしれないわね。

でもその状況は、見るものに少し焦りを感じさせるの。エリオットの兄マイケルが、E.T.が元気がなくなってきていると指摘する。

エリオットは「僕らは大丈夫!」と、エリオットとE.T.のシンクロを知らない人にとっては何を言っているのか意味不明な発言なんだけど、E.T.はもしかするとその状況を知っていて、仲間の助けを早急に得なければならないと焦りを感じ始めていたかもしれないわね。

相関③|家族を揺さぶる外の脅威

E.T.とエリオットの絆が深まる一方で、外の世界からは不穏な影が迫っていた。序盤から登場していた大人たち、森で宇宙船を追いかけていた男たち。

彼らは政府やNASAの関係者で、宇宙船の着陸を感知して調査に入っていたんだよね。中でも物語の展開に影響を与える男「キーズ」。腰に鍵束を下げていて、そこから映画のエンドロールではキーズという名前で紹介されていたわ。

彼はエリオットたちと一定の距離を保ちながらも、のちに「私も10歳のときからE.T.を待っていた」と語る重要人物でもあったの。

そんな外の脅威に気づかぬまま、家の中ではE.T.の体調が急速に悪化していく。映画の中で明確な原因は語られないけど、キーズは後に「E.T.がしばらく生きていたこと自体奇跡だ」って言っていたし、やはり、全く異なる環境で、しかもその見知らぬ場所の食べ物まで摂取するというのは、免疫だとかいろんな面からかなりの無理がかかるのかもしれないわね。

仲間とのつながりを失ったことも大きいのかもしれない。そして、同化しているエリオットも同じように衰弱していった。二人の心がどれほど深く結ばれていたかが、このシーンで強烈に描かれていたんだと思う。

母メアリーはここでようやくE.T.の存在を目の当たりにする。最初は恐怖と混乱に包まれ、子供たちがこんな危険なものを隠していたことにショックを受けていた。

ハッキリ言って、ママの立場からしたら、恐怖しかないわよね。それはわかるわ。

相関④|別れが教えてくれた永遠の絆

治療の甲斐なく、E.T.は息を引き取ってしまった。胸の光は消え、エリオットも「もう何も感じない」と絶望に沈む。

二人の心のつながりが途絶えた瞬間だったんだよね。けれどその後、仲間の宇宙船が地球に戻ってきたことで状況は一変する。彼は奇跡的に蘇った。

植物の鉢植えがE.T.の死と連動してしおれ、蘇りと同時に花開いたのも同じ仕組みだと思うわ。

かつてE.T.が想いを寄せ光を与えた対象は、その後も関係が保たれ続ける。だからE.T.の状態がそのまま花に伝わったし、エリオットにも伝わった。

最後にE.T.が光る指を掲げて「痛い」と言ったのは別れで感じる心の痛みのことなんでしょうね。「いつもここにいる」と頭を指したのは、お互い、真実の愛を向け合うことで、それぞれの心の中に光を灯し合うことができた。それこそが、E.T.がエリオットに差し出していた愛であり、やさしさなんだよね。

エリオットの胸は光を放つような仕組みはないから、E.T.のように赤く輝くことはなかったけど、E.T.の真実の愛がエリオットに届いたことでE.T.と同じように心の中に光が灯っていたと思うの。

一度灯った光は、たとえしばらくそれを忘れていたとしても、失われることはない。思い出しさえすれば、その光はそこで輝くんだよ。

平たく言えば、僕(E.T.)と一緒にいた時に感じたほっこりした気持ちを、いつでも味わうことができるんだよ。その「意志」の力を、頭を使って働かせてね!ってそんな思いで、E.T.は光る指でエリオットの頭を指したんじゃないかな。

母メアリーもここで大きく変わった人物のひとり。最初はE.T.を危険な存在として恐れていたのに、エリオットとE.T.の真実の愛を目の当たりにして、彼女の心にも光が灯ったようね。

今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。

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