ゴーストプロトコルでイーサンはなぜシディロフを呼ぼうとしたのか?「古き友を助け、新しい友を作る」-古き友とは誰?【ミッションインポッシブル】

この記事はネタバレ情報やあらすじを含みます。映画を未視聴の方は特にご注意ください

映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の中で、ある人物が残したセリフが、妙に心に残るんです。「古き友を助け、新しい友を作る」

さらっと流れてしまいそうなひと言。でも、そのあとの展開を知ってから振り返ると、これはただの気の利いた別れのセリフなんかじゃない、と思えてくるんですよね。

あの電話、そしてそのあとの彼の一言──あれはつまり、“すべてを知っていた人間が、後ろからそっと差し出した一手”だったんじゃないか。そう思うと、映画の見え方がちょっと変わってきませんか?

目次

古き友とは誰だったのか?その一言に隠された役割

この言葉を口にしたのは、ボグダンの従兄。この言葉を口にしたのは、ボグダンの従兄。映画内では名前が明かされていませんが、Wikipediaのキャスト情報によると、“ザ・フォッグ(The Fog)”という名前が紹介されています。

ボグダンとは親類関係にありつつ、立場はかなり異なり、ロシアの情報網や国際的な通信ルートに顔が利く人物として描かれています。イーサンが訪ねた“ただの従兄”にしては明らかに話が通りすぎるあたり、かなりの人脈を持った存在であることがうかがえます。

直接的なセリフや説明は少ないけれど、実質的にはこの人物が外交的な鍵を握っていたといってもいいかもしれませんイーサンが立ち去ったあと、彼がかけた一本の電話──それが、このセリフと大いに関係がありそうです。

一見すると、あの電話、もしやロシアの諜報員にチクっているのか?とも見えるのですけど、管理人的には違うだろうなとみています。或いは、イーサンが頼んだ?だとするとちょっと無粋か…

「アメリカ人を探してるんだろ? 起爆装置も──」

相手はロシアの諜報員・シディロフ。イーサンたちを追っていた人物に対して、「彼らが今どこで何をしているか」を教えたこの電話こそが、この作品の舞台裏で行われた“最大の仕込み”だったんじゃないかと思うんです。

従兄が言った「古き友」とは、おそらくシディロフ。過去に軍や諜報関係、或いはシーンにあったように文字通り追われる側と追う立場での接点があったのかもしれません。


そして「新しい友」は、イーサン・ハント。たった数時間のやり取りであっても、「信じるに足る」と判断できた相手だった。

👉 従兄やボグダン、IMFとの関係を時系列で整理した相関図はこちら

なぜシディロフを“見届け人”に選んだのか?

ゴースト・プロトコルが発令されたことによって、IMFは国家から切り捨てられ、存在しない組織として扱われることになりました。装備も支援もすべて打ち切られ、世界からも姿を消したような状態。

でも、イーサンたちは行動を止めなかった。なぜか。それは、“誰かが止めなければならなかった”から。

問題は、その過程で起きた爆破事件が、ミサイル発射計画の一環であったことを、表沙汰にできる国はどこにもないということ。

国家どころか世界を脅かす行為が、ひとりの男によってここまで進んでいた。その事実は、世界のどの政府も、解決した後なのであれば「なかったこと」にするしかないでしょう

だから、爆破事件の真相が報道されることもなければ、IMFの功績が語られることもないこのままだと、イーサンたちはただの犯人扱いで終わってしまう

それを回避するには、誰かに「実際に何が起こっていたのか」を見届けさせるしかない。しかもそれは、当事者としての立場を持った人間でなければ意味がない。

ロシアの中から、しかるべき立場の者が「彼らは違う」と証言できるようにする──そのために、シディロフが必要だった

👉 ムンバイでの“証人作戦”がどう行われたのかはこちらで詳しく

頼まれたわけじゃない。でもわかってたんだと思う

従兄は、イーサンに直接なにかを頼まれたわけじゃない。でも、彼の中ではもう答えが出ていたんだと思うんです。

この男は、何を守ろうとしているのか。何を背負って、誰にも頼らずに動いているのか。──それを、彼は感じ取っていた。

だから、自分にできることをした。誰かに「何をしたんだ?」と問われても説明できないような、小さな、でも重い一手。

彼が電話をかけたことで、イーサンたちの行動を“誰かが知っている”状況が生まれた。あのまま何もなければ、IMFは葬られていたかもしれない。その流れを変えたのが、この男の判断だったんじゃないかと思うと、背筋が伸びるんですよね。

IMFが戻ってきた理由も、ちゃんとそこにある

ラストで、新たな任務の指令が届いたことに気づいた人は多いと思います。

え、IMFって解体されたんじゃなかったの?…そうなんです。公式には解体されてた。でも、その後にロシア側のシディロフが“すべてを目撃した”ことで、アメリカ政府がIMFの活動を正当化する理由が生まれた

ミサイル発射を阻止したという事実がある。ロシアの諜報員がそれを認めている。ならば─IMFはもう一度、表舞台に戻ってこられる

イーサンがやっていたのは、ただの任務じゃなかった。IMFという組織を、未来に繋ぐための地ならしだったといえるかもしれませんね。

まとめ|「未来だ」と言ったそのときから、もう作戦は始まっていた

「売りたいものがある。未来だ」イーサンがそう言ったとき、相手は「間に合ってるよ」と答えました。

でも、あのときもう、未来に向けた作戦は始まっていたんですよね。イーサンは命令を待っていたわけじゃない。
状況を覆すためのヒーローを探していたわけでもない。彼はただ、誰かが事実を知ってくれる可能性に賭けて動いていた。

それに気づいた従兄が、後ろからその背中を支えた。あの一本の電話が守ったものは、言葉に表現できないほど大きなものでした。

「古き友を助け、新しい友を作る」──その言葉が、こんなにしみるなんて。『ゴースト・プロトコル』って、やっぱりすごい映画だなって、思ってしまいます。

今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。

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