この記事では、魔法省と不死鳥の騎士団の対立構造からホグワーツ内部の権力争いまで、相関図でひと目で整理。さらに、物語のあらすじとともに、鍵を握るダンブルドアとハリーの関係も解説します。
相関図①|ディメンター襲来と退学危機

ディメンターがマグルの世界をうろつき始めたの。これは普通じゃない。彼らは魔法省の管理下にいるはずなのに。
ハリーは完全に不意を突かれた。ダドリーと一緒にいたとき、目の前に現れたのはあの恐ろしい黒い影。守ろうとしたけど間に合わない。
ダドリーは魂を吸われたみたいな顔になってしまった。その場の寒気と重苦しさは、見ているこっちまで息が詰まりそうに感じる。それでもハリーは必死だった。
マグル界では魔法を使うのは禁じられている。でも選択肢なんてなかった。杖を握って放ったのはエクスペクト・パトローナム。銀色の守護霊が飛び出して、ディメンターを追い払う。
あの瞬間だけは、ほんの少し空気が軽くなった気がした。でも、そんな安堵もつかの間、その行動は魔法省にすぐ知れ渡る。魔法省の監視網は甘くないの。事情なんて聞かない。結果は早かった。
たちまち退学処分の通知が届いた。救った命より、破った規則のほうが重く扱われたわけ。理不尽さに怒りがこみ上げるけど、この時点ではまだ、これが序章に過ぎないなんて本人は思ってもいなかったはず。
相関②|不死鳥の騎士団との出会い
退学通知を受け取ったハリーのもとに、予想外の迎えが来た。ムーディー、キングズリー、ニンファドーラ・トンクスたち。不死鳥の騎士団の面々よ。
みんな箒に乗って現れたんだけど、雰囲気はどこか張り詰めていた。特にムーディーとトンクスのやり取りは微妙に険しい空気。冗談を飛ばす余裕なんてない感じだったわ。
ハリーの家を離れるときも、行き先も目的も一切説明なし。ただ黙々と飛ぶだけ。しかも飛行ルートが異常よ。マグル世界なのに、あえて海面すれすれ、川の水面すれすれを飛んでいくの。
目立たないためなのか、敵の目を避けてるのか。どちらにせよ、この移動が「決死の覚悟」であることはハリーにも伝わったはず。
到着したのは普通のビル街。ムーディーが杖で地面を軽くつつくと、建物の中央が不自然に開き、中から隠された入口が現れた。そこが不死鳥の騎士団の本部。秘密結社よ。
だけどハリーだけがこの存在を知らされていなかった。ロンもハーマイオニーも知っていたと分かると、当然ハリーは不満をぶつけるわよね。二人は言う。「ダンブルドアに口止めされていた」と。
なぜハリーだけ知らされなかったのか。この時点では理由は見えないけど、のちにダンブルドアの意図が明らかになる。ただ、この段階でのハリーにとっては裏切られたような感覚だったと思うわ。
相関図③|魔法省の尋問とダンブルドアの距離

セドリックの死をきっかけに、魔法省とダンブルドアの間に深い溝ができた。ファッジ大臣はヴォルデモート復活を認めようとせず、むしろハリーとダンブルドアを嘘つき扱い。
14年前、ヴォルデモートに全てを奪われた恐怖が、ファッジを頑なにしているのかもしれない。
そんな空気の中、ハリーは懲戒尋問を受けることになった。アーサー・ウィーズリーに付き添われ、魔法省の神秘部へ向かう。裁く側は完全にハリーを有罪にするつもり。
しかも開廷時間が、ダンブルドアに通知されることなく3時間も前倒しされていた。露骨な悪意が透けて見える。
罪状は、あのダドリーを救うために使った守護霊の呪文。ハリーは理由を正直に話した。「ディメンターが現れたから」と。
しかし法廷の反応は冷たく、「ありえない、言い訳だ」と切り捨てようとする。
ここでダンブルドアが反論に立つ。ディメンターは魔法省が統制しているはず。それがマグル世界に現れたのはおかしい。意図的に送り込まれたなら、誰かの命令があったはずだと。
そして現行法では生命の危機に際しての魔法使用は許可されていると主張。この論理により、最終的にハリーは無罪となった。
だが疑問は残る。なぜディメンターが現れたのか。誰がけしかけたのか。そしてもう一つ不穏なこと。閉廷後、ダンブルドアはハリーをまるで避けるようにして去った。理由はこの時まだ分からない。
ファッジたちが法を変えてまで大法廷を開いた背景も、まだ霧の中のままだった。
相関④|アンブリッジの支配と軍団結成
新学期が始まったが、ハグリッドの姿はなかった。代わりに魔法生物飼育学を担当するのはグラブリー・プランク先生。そして闇の魔術に対する防衛術を任されたのは、ドローレス・アンブリッジ。
魔法省から送り込まれた高等尋問官という肩書きの女性よ。ピンクの服と甘い声の裏に、徹底した支配欲を隠している。
この人事こそ、魔法省がホグワーツに干渉を始めた証。ボルデモート復活を否定し、何も変わらないと主張するはずの魔法省が、なぜ動くのか。それはホグワーツが変化を起こそうとしているから。その芽を潰すためだと思う。
だが、そんな政治の背景を知らない生徒たちも、ハリーを見る目を変えていた。友人だったシェーマスも、親がハリーを危険視するせいで関係がこじれる。
ロンはかばおうとするが、ハリーは苛立ちを抑えられない。夜は悪夢にうなされ、心身ともに追い詰められていく。
さらにアンブリッジから体罰を受ける。ハーマイオニーはダンブルドアに報告すべきだと言うが、ハリーは「ことは簡単じゃない」と拒む。
そんな中、森で出会ったルーナ・ラブグッドが、ハリーの孤独を理解する数少ない存在になる。
彼女は変わり者と呼ばれ、周囲から距離を置かれている。彼女だけが見える魔法生物セストラルは、誰かの死を見た者にしか見えない。
ルーナは「今のあなたの状態はヴォルデモートによって作られたもの。だって、あんた一人だけなら強敵じゃないもん」とたんたんと告げる。
アンブリッジの支配はエスカレートし、ついにトレローニー教授の解雇に踏み切るが、ダンブルドアは自分の権限で彼女を城にとどめた。
とはいえ、この防衛も時間の問題だと本人も感じていたはず。そして、法廷に続きここでもダンブルドアはハリーを無視する。
その理由はまだ謎のまま。そんな状況の中、魔法省はシリウス・ブラックを悪者に仕立て上げ、行方不明事件の責任を押し付けようとする。
暖炉越しの会話でシリウスは、アンブリッジが恐れているのはホグワーツの生徒が戦闘訓練を始めること、そしてファッジが「ダンブルドアが軍を組織する」と疑っていることだと明かす。
14年前のヴォルデモート台頭時も、今と同じように行方不明者が続出していたという。
そしてシリウスは「今は自分で乗り越えろ」と告げる。それは信頼と覚悟の裏返しだったと思う。ハーマイオニーの呼びかけで、生徒たちがホッグズ・ヘッドに集まり、実践的な防衛術を学ぶための組織を作ることを決める。
疑っていた生徒たちも、最終的にはハリーの言葉を信じるに至った。
相関図⑤|必要の部屋と軍団の成長
必要の部屋を見つけたのはネビルだったのかな。この部屋は、真に必要なときだけ姿を現し、求めるものが揃っているという不思議な空間。
ハリーはこれを見て「ホグワーツが戦えと言っている」と口にする。この言葉は、ただの励まし以上の重みを持っていたように感じる。ホグワーツの歴史、先人たちの思い、そのすべてが背中を押すような響きだった。
一方で魔法省の手は着実に学校へ伸びていた。アンブリッジの配下である尋問官親衛隊が結成され、生徒たちの動きを監視し、不穏な兆しを摘み取ろうとする。
それでも軍団の面々は目をかいくぐり、必要の部屋で訓練を重ねていく。日を追うごとに技術は磨かれ、パトローナスを出せる者も増えていった。
ジニーの才能は特に目を引き、鮮やかなパトローナスを笑顔で呼び出してみせるほどだった。
だが、成長していたのは腕前だけじゃない。互いを信じ、助け合う結束が生まれていた。仲間たちは、自分たちの努力を誇り合い、拍手で称え合った。
シリウスがハリーに言った「自分で乗り越えろ」という言葉を、この時まさに体現していたのかもしれない。
ところがそんな充実の中、ハリーは再び悪夢にうなされる。今度はアーサー・ウィーズリーが痛めつけられる場面だ。
彼の背後には謎めいた予言玉があった。ヴォルデモートが探している品物だと知るのは後のこと。
この夢がただの幻ではないと直感したハリーは、ロンとマクゴナガルに付き添われダンブルドアのもとへ向かう。
そこでは家族や仲間たちが集まり、アーサー救出の指示が飛び交っていた。幸いアーサーは無事だったが、ハリーは状況を知らされず、置き去りにされた感覚だけが残った。
ダンブルドアはハリーの状態を理解していたからこそ、セブルス・スネイプを呼び、閉心術の訓練を始めさせる。
ヴォルデモートは人の心に侵入し、不安や怒りで支配しようとする。その防御こそが必要だったのだ。
ハリーはこの胸の内をシリウスに打ち明ける。ヴォルデモートとの絆のせいで怒りがこみ上げると。
シリウスは「誰もが心に光と闇を持つ。どの道を選ぶかで人は決まる」と返す。かつてダンブルドアも同じことを言っていた言葉だった。
相関図⑥|アズカバン脱獄と最後の戦い
物語は一気に加速する。アズカバンが襲撃され、10名が脱獄した。世間ではシリウスが黒幕とされ、背後で糸を引いていると信じ込まされる。
もちろん、これはファッジの思惑通り。彼はダンブルドアの警告を無視し、ヴォルデモート復活に備える策を何一つ講じなかった。
その間にも軍団の訓練は続き、パトローナスを出せる者も増えていく。ジニーの実力は相変わらず抜きん出ていた。
だが、その努力をアンブリッジが邪魔する。彼女はダンブルドアが魔法省を乗っ取ろうとしていると吹聴し、陰謀の罪で彼をアズカバン送りにしようとする。
だが、ダンブルドアはあっさり姿を消した。その直前、ハリーに意味深な目配せを送る。この瞬間ようやく、初期からの重苦しい空気に一筋のダンブルドアらしさが戻ったように感じた。
アンブリッジが校長に就任すると、学校は地獄と化す。ハリーは責任を感じるが、後から見れば軍団の訓練は未来の戦いに欠かせない土台になっていた。
スネイプのもとでの閉心術訓練も続くが、ハリーはなかなか心を制御できない。逆に「プロテゴ」でスネイプの記憶を覗き見てしまい、そこには若き日のジェームズ・ポッターがスネイプをからかう姿があった。スネイプは激しく動揺し、訓練を打ち切る。
このシーン、映画しか見ていないママのような人にとっては衝撃のシーン。あのジェームズポッターがいじめ?でも、原作レベルの情報によると、あの頃のジェームズとスネイプはお互いに攻撃したりされたりの関係だったようなの。
そんなだから、もちろん、リリーもジェームズに好意はもっていなかったようなの。それが結婚にまで至るのは、ジェームズが心改めてからの話のようなの。
それはさておき、そんな中、フレッドとジョージはアンブリッジの虐待を受けたマイケルを慰めながら「俺たちの未来は学校の外にあるな」と語り、派手な花火で校内を混乱させ飛び去る。ここらあたりからアンブリッジ体制にほころびが生じるのを予感させるわ。
その頃ハリーは、ヴォルデモートがシリウスを人質にして予言玉を渡すよう迫っている幻視を見る。ハーマイオニーは罠の可能性を示すが、ハリーは動こうとする。
だがアンブリッジに捕まり、真実薬を要求されるも、スネイプは「すでに使い切った」とかわす。ハリーは「パッドフットが例のあれが隠された場所で捕まった」と暗号を送るが、スネイプは理解を示さず去る。
この時の無表情こそ彼の演技だった。アンブリッジが拷問呪文にかけようとした瞬間、ハーマイオニーが機転を利かせ、ダンブルドアの武器が森に隠してあると誘導。
そこにはハグリッドの弟とケンタウロスが待ち構えており、侮辱を受けた彼らがアンブリッジを連れ去った。
ハリーたちは神秘部へ急行する。予言玉は関係者しか触れられず、ヴォルデモートが欲しければハリーに取らせるしかない。そこへルシウス・マルフォイらデスイーターが現れ、シリウス救出は幻だったと明かす。
彼らは予言玉を要求するが、ハリーは拒否し脱出を試みる。ジニーのレダクト呪文で予言棚が崩れ、混乱の中で脱出を図るが、外では本気の戦闘が待っていた。
予言玉を渡した直後、不死鳥の騎士団が駆けつける。しかし戦いの中で、ハリーはシリウスを失う。ベラトリックス・レストレンジの呪文が彼を襲い、闇の中へ消えた。
怒りに駆られたハリーは彼女を追うが、そこへヴォルデモートが現れ、続いてダンブルドアも姿を現す。二人の激闘は拮抗し、突然ヴォルデモートは姿を消す。
直後、ハリーの心が強く侵食され、憑依されたような苦痛に襲われる。だが、仲間や失った人への「友情」に意識を向けることでヴォルデモートを追い出す。
肉体を伴って再び姿を現したその瞬間、魔法省の役人たちが駆けつけ、ついにファッジもヴォルデモート復活を目撃する。
ダンブルドアがハリーを遠ざけたのは、彼の突進癖を知っていたからだろう。知らなければ飛び込んでいく性格だから、情報を制限しヴォルデモートへの接近を防ごうとしたのだと思う。
最後にルーナが言った。「失ったものは戻ってくる。思いもかけないところから」。これは後の物語に向けた伏線のように感じる。
相関図・あらすじのまとめ
「一方が生きる限り他方は生きられね」――予言が示したこの宿命は、ハリーとヴォルデモートの最終対決だけでなく、ダンブルドアとハリーの距離感にも影を落としていたのかもしれない。物語を動かすのは派手な魔法だけではなく、人と人との信頼、誤解、そして決断。ダンブルドアがハリーを遠ざけたのは、ハリーの心がまだ未熟で、入ってくる情報を制御して守ろうとしたからではないかと思う。ハリーがそれをどう乗り越えたのか――それこそが、ヴォルデモートがもっていなかった力、「友を信じる愛の力」だったのかもしれない。
今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。
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