映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』、若き日のインディから始まり、ナチス残党の科学者フォラー、そして天才アルキメデスが生み出した“運命のダイヤル”。本記事では、彼らの思惑と時空を超えた謎を相関関係をみながら読み解いていきます。
相関図①|「運命のダイヤル」アンティキティラを追うヘレナの狙いは?

冒頭でのインディが若い顔つきになっているのは特殊映像処理されているということなんだけど、絞首刑になりそうなところからの脱出にかけて、動きも若々しいんだけど、どういうことだろ?
因みにこの時の時代設定は、1969年。前作となるクリスタル・スカルの王国のときの設定は1957年ということだから、12年経過したという設定。実際の映画製作は15年のときを経て今回の作品が作られたんだそう。
ところで、冒頭でのインディがとても若く見えたのにはもちろん理由があって、そのシーンの設定は1944年。なるほどそこまではわかったんだけど、ストーリー的に懐古シーンになっていたわけ?どこにつながる伏線だったんだろ?
実はこのシーンは、本作の主要テーマ、運命のダイヤルとインディが初めて遭遇する時が描かれていたの。大学退官するご年齢のインディからすると25年ほどさかのぼるわけよね。
オックスフォード大学の考古学者、インディとは旧友でもあるバジル・ショーとインディは、ドイツ領内にロンギヌスの槍があると聞いて、それを探していて捕らえられてしまったようね。
ロンギヌスの槍というのは磔刑になったイエスの脇腹を刺したといわれる槍なんだって。その槍を所有するものに世界を制する力が与えられるという言い伝えがあるようで、それを当時のドイツ総統に献上しようとしていたみたいね。
その時の会話を聞いていると、既に総統の凋落が見え始めていたようで、かなり精神的にも不安定になっていたみたい。
インディたちは例によって、博物館に収めるべき歴史的遺物という観点からその槍を追っていたの。
でも、ドイツ軍が輸送する列車に積み込まれていたその槍は、偽物だったらしいの。ユルゲン・フォラーという元ナチスの物理学者がそのことを告げるんだけど、そうなのよね。インディシリーズで最初に出てくるお宝っぽいものは、ストーリーの最初にちらっと出てくるだけど、その後は振り返られることもないことが多いのよね。
この剣も、偽物でしたっていうオチでおしまいっぽいわね。でも、この物理学者、この列車の中に本物のパワーを秘めたものがあると口にするの。
アンティキティラと呼ばれるダイヤル。タイトルにもあるダイヤルがここで登場!でも、ダイヤルって何なの?アンティキティラの力は魔力でなく数学だっていうの。
ダイヤルをもつものは、神になるというの。ほとんど意味不明のなんのこっちゃって感じなんだけど。
でも、そんな言葉を聞きつけたバジル・ショーはそのダイヤルに魅了されてしまったの。「アルキメデスのダイヤルだよ」って。
確かにエンディング近くでアルキメデスがダイヤル持っていたけど、逆にアルキメデス自体、インディたちがやってきた直後に「やっと手に入れた」感がでてなかった?どういうことなんだろ。
ユンゲル・フォラーを列車内で殴り倒して、彼がもっていたダイヤルの片割れを奪って、無事列車から脱出したの。
でももちろん、それを奪われてしまったことにユルゲン・フォラーも気づいて、そこから彼らの因縁が始まるのよね。
そして、時は流れて1969年。25年もの歳月が流れたのね。インディの授業って、いつも体験したばかりのお話しとかを面白くなく講義する(笑)っていうスタイルかと思ったら、今回の授業では、「マルケルス指揮下のローマ軍はシラクサの街を包囲した」とか言っていた。紀元前213年なんだって。
今回は珍しく、この後に自身が深くかかわることになる出来事に事前に触れてしまっているわね。でもこれはきっと、例のダイヤルに関わる話をしていたんでしょうね。
紀元前213年ごろという必然性がそこにあるのかもしれないわ。彼はその当時の史実として、アルキメデスが太陽光を集めて敵船を焼き払ったとか、大きな鉄の爪を作って敵船をひっくり返したとか…でも、これは史実というよりは、伝承だったのかもしれないわね。
これらを証明するものが必要だと。彼は授業でそれを語ろうとしていたところ、それに乗って反応した女性がいた。彼女はバジル・ショーの娘で考古学専攻。
彼女が伝承の証拠となるものとして、アンティキティラの存在を口にしたの。彼女はアンティキティラの半分を、それを失った川にとりに行こうってインディを誘った。
インディは、なんでオヤジと同じ馬鹿な夢見るんだみたいなことを言うんだけど、おやじさん、それ川に落としてはいなかったわよね。
なんで、川に落ちたことになってるの?どうやら彼女は、川になんか落ちていないことを知っていて嘘をついていたようね。
インディはそんな彼女に「何が狙いだ?」ってつめよるんだけど…ママ的には、彼女の狙いは一つ。インディが父との約束を破っていつまでも壊さずにいるアンティキティラの半分を、自ら「処分」してやる!って、それだけだと思うのよね。
彼女は、さすがにあの天才おやじの子どもだけあって、あのアンティキティラの危うさを誰よりもよく理解していたんじゃないかな。少なくとも、あれに父親を奪われたくらいには思っていたかもしれないわね。父親を過去の遺物に縛り付けたあの代物。
ところで、そんな彼女をCIAがつけていたんだけど、なぜなのかな?ユルゲン・フォラーが彼女を追っているのはわかるけど、なんでフォラーとCIAのメイソンがフォラーと一緒に行動してるのって疑問で、ウィキペディアの情報をのぞかせてもらったんだけど、CIAはフォラーのお目付け役としてメイソンを同行させていたようなの。
この時、メイソンはフォラーが元ナチスであることは知らなかったようなの。というか、欺かれていたのね。だとしても、なんでメイソンはショーの居場所を確認したりしていたのかよくわからなかったんだけど、さらに調べてみたら、単にフォラーに便利に利用されていただけみたい。
逆に、メイソンが所属するCIAは彼の知識を宇宙船開発に利用していたのね。CIAとしてヘレナを追う理由は何もなかったみたい。でも、メイソンもダイヤルの存在を気にしていたようなところがあったけど。。どうしてなのかな。
相関図②|モロッコ・アテネを巡る争奪戦、なぜヘレナは再びアンティキティラを追い始めた?

ショーやインディを見失ったフォラーは、CIAメイソンの命でロサンゼルスに飛び、表彰式に出席するよう依頼されるのに、無視してモロッコに飛ぶようなの。
なんでモロッコ?と思っていると、町で途方に暮れているインディを救いにサラーが現れる。サラーがモロッコ関連の情報を持っていたんだけど、それによると、ヘレナ・ショーは盗品競売の罪でタンジェというところで逮捕され、モロッコのアジズ・ラヒムという奴に保釈金を払ってもらったらしいの。
今週、そのモロッコで盗まれた骨董品のオークションが行われるという情報をもっていた。つまり、ヘレナは奪った半分のアンティキティラをそこで売ろうとするんだけど、フォラーはそのことを見越していたということなのかしら?
それって、ヘレナの情報を相当詳しく持っているということよね。描かれてはいないけど、そこらあたりもCIAの情報網のお陰なのかもしれないわね。
ところで、一度この映画を見た時にはこのヘレナの行動には少し違和感もあったの。父・バジルへの思いや、インディへの敬意を心の奥に抱いていながら、なぜ闇のオークションでアンティキティラを売ろうとしていたのか。
でもこれは、先に言ったように彼女なりの理屈があった。彼女は誰よりも、父が口にしていた「アンティキティラは危険だ」という警告を理解していた。
父を狂気に追い込んだあの遺物を、もう誰にも触れさせたくなかったのよね。
インディは壊す約束を守れなかった。だからヘレナは、壊せないならせめて“遠くに置く”ことを選んだんじゃないかな。
闇市場のような場所に流せば、部品の意味もわからないまま誰かの手に渡り、結果的にそのダイヤルがもつ役割を封じることができる。
つまり彼女の「売却」は、手放すことで封印するための行動だったんじゃないかしら。だから彼女はオークションで、「これはアルキメデス自身の手による天文時計の半欠けです」とだけ説明し、もちろん詳しいことなど一切しゃべらなかった。
表向きは金銭目的を装っていたけれど、その裏では父の言葉を守るため、そしてフォラーやインディのように遺物に取り憑かれた人々から世界を守るための、彼女なりの選択だったのだと思うわ。
インディももちろんモロッコはタンジェという街を目指すことになるの。
ところでサラーは、エジプトが戦争状態に入ったとき、インディの助けでアメリカに移住してきたらしいんだけど、そんなサラーがアメリカでもインディを助けるの。
もうシリーズ通じてNo.1の親友って感じよね。でも彼、地中海や砂漠が懐かしくてたまらないみたいね。なんかそんな気持ちをインディにぽつりと漏らすんだけど、二人の関係が深いだけに、こちらも何気にジーンとしちゃったわ。
サラーの助けを借りてインディはいざモロッコはタンジェという街へ。飛行機の中で、且つてバジルが言っていたグラフィコスについて回想するの。このグラフィコスってのがないとアンティキティラは何の役にも立たないんだって。
インディが飛行機の中で、おそらくバジルが残したメモを読み返しているんだけど、その中に08-20-69 , 08-20-39という記載があるの。
これらはそれぞれ日付のようなの。過去の回想から、それらの日にちは「時の裂け目」に関連している可能性がありそう。
グラフィコスにはアンティキティラの残りの半分の位置が記されているようなの。
モロッコタンジェでのインディ、ヘレナvsシュミットの争奪戦はシュミットに軍配が上がった。
シュミット一歩リードと言いたいところだけど、グラフィコスにたどり着かなければ、アンティキティラの完成は望めないのよね。
その意味では、暗号解読やバジルが読み解いていた情報に精通しているヘレナやインディが常に一歩リードするという構図になっていると思うのよね。
シュミット一味は、ヘレナやインディの後を追い、見つけたものをかすめ取っていくしかないのよね。
ところで、ここでまた違和感。自ら処分することを願っていたアンティキティラの半分なんだけど、ここにきてなぜまたそれを追いかけることになったの?一瞬疑問に思ったんだけど、この答えはきっとこんな感じ。
モロッコの闇オークションに、フォラーが現れた。彼は、アンティキティラが何たるものかを知っている存在。だから、部品が彼の手元にそろうことを何としても阻止しなければならなくなった。
でも、ここまではヘレナ、まだ慌ててはいないの。あのトゥクトゥクでの争奪戦が終わった後の表情から読み取れる。だって、残り半分のありかはどこか。それを読み解くカギ、グラフィコスは地中海、アテネ沖の海の底深くの船の中にあるという情報までバジルは読み解いていたようなの。それを知っているのはヘレナ自身だけと思っていたのよね。
でも、その直後、思惑がちょっと変わってしまうの。インディが思いのほか情報を持っている。争奪戦の後、ヘレナがインディに「家に帰るのか?」と尋ねると、エーゲ海に行くというではないか。ヘレナにしたら「まじか、このおっさん、どこまで知ってんねん!」って感じだったんじゃないかな。
ヘレナはバジルの情報からグラフィコスの位置を知っているのね。一方のインディは、アルキメデスが包囲されていた場所だからという根拠と推測でエーゲ海に目星をつけていた。
「もうこうなったら、行くしかないわね」って感じでため息混じりだったけど、彼女がこの憎むべき過去の遺物探しに、とことん付き合うという決心をした瞬間がこの時だった。
インディには、海深くを探索するためのすべ、友人がいたのよね。このおかげで、ヘレナの情報をもとにエーゲ海の海の底をピンポイントで探索することが可能になったみたい。
ローマ軍の沈没船の中にグラフィコスが眠っている。ローマ軍はグラフィコスの情報を頼りに、そこらの海域でアンティキティラの半分を探していたということよね。
インディたちはシチリアに向かったんだけど、ローマ軍もシチリアに向けて航行中に沈没しちゃったということなのかしら。
さて、案の定、フォラーたちが金魚のふんのようにインディたちの後を追ってきた。でも、今度はグラフィコス奪取、失敗したようね。インディたちは、グラフィコスの情報を頼りにシチリアに向かったの。ディオニュシオスの洞窟へ。
相関③|アルキメデスの棺と「時の裂け目」
ところで、フォラーたち。今回も見事にインディたちの追尾に成功、シチリアに到着、テディをさらってしまうの。
なんでこんなに見事にあとを追うことができるんだろって、素朴に疑問を感じるんだけど、そんなところでの第六感が異常に鋭いということなのかしら。
だって、去っていくインディたちの船を双眼鏡で追いかけてはいたけど「西か。。。」ってそれだけなのよ。
アテネから見たら、アレクサンドリアは南東方向ね。でも、西っていうだけで、シチリアを目指すことができるって、その勘の鋭さには恐れ入るわ。
ディオニュシオスの洞窟で、インディとヘレナはついにアルキメデスの棺に納められた残り半分のアンティキティラとご対面。
でも、そこにアルキメデスが予測した通り、過去に時空を超えた出来事が起こった証があったの。そのご遺体は腕時計をはめており、棺の外側に掘られた模様には、飛行機のプロペラのようなものが描かれているの。
驚きを隠せないインディたちだったけど、そこに知ったかぶりで、登場するフォラーたち。ほんとに見事な追跡劇。
例によって、ここまでの道のり、ムカデなんかがうじゃうじゃいるところを通り抜けてくるんだから、その執念恐れ入るわ。
そして、アンティキティラの部品一式はフォラーの手に渡り、その場で何のためらいもなく、フォラーの手によって具品は合体することになるの。
「時は消滅」って、フォラーはつぶやいていたわね。時は消滅はしてないわよね。ただ、時間の裂け目を超えることで、もしかしたら過去は書き換えられてしまうのかもしれないけど。
よくはわからないけど、時間の連続性の如く思われるものに明らかな裂け目が生じて、二つの隔たった時間が繋がる瞬間が訪れるということかしら。
相関④|フォラーの“歴史改変計画”と、インディが「戻った」意味
ここから先は、ママの理解をはるかに超えてしまうお話。
でも、ざっくり言えばフォラーは1939年8月20日に戻り、ポーランド侵攻前のヒトラーに責任を取らせようとしていたみたい。まだやっていないことに対して責任を取らせるという言い方も変なんだけどね。
フォラーは元ナチスの科学者で、戦後はアメリカに渡ってNASAで働いていた人。だけど心の奥では、「ヒトラーの判断さえ間違っていなければ、ドイツは勝っていた」と今も信じていたのね。
だから彼は、「ヒトラーを排除し、自分の手でドイツを導く」という、とんでもない計画を立てていた。
彼がアンティキティラを使おうとした理由はただひとつ。歴史を修正するため。1939年8月20日という日付を狙ったのは、ポーランド侵攻(9月1日)のわずか10日前。
つまり彼は、戦争が始まる前に介入しようとしたわけね。でも、運命はそう簡単には動かなかった。
アルキメデスの時代からすれば大陸の位置も微妙に違っていて、フォラーの計算はずれてしまったの。
それに、映画を何度か見終えて何となくわかったんだけど、この装置には、バックトゥザフューチャーのタイムマシンのように、指定した日時に移動するなんて力はないのよね。
単に、時間の連続性がたたれて過去と繋がる通路みたいなものがどこに出てくるかを予測できるだけの装置。
結果、飛行機は1939年ではなく紀元前213年――アルキメデスが生きていたシラクサ包囲戦の真っ只中に迷い込むことになるの。上空から見えたのは、古代ローマのガレー船。まるで空と海、二つの時代がぶつかる瞬間だったわ。
少し前の場面で、印象的なやり取りがあったの。ヘレナがインディに尋ねるの。「もし過去に戻れたら、何をしたい?」って。
トロイ戦争を見る? クレオパトラに会う?そんな軽口をたたく彼女だったけど、そこには本音が隠れていたのよね。
ヘレナにとって“過去”は、父を狂わせた呪いのような存在。だからこそ、インディも同じように過去に囚われていると思っていたの。
でも、インディの答えは意外だったの。「息子の入隊を止める」。その一言で、彼がもう“過去の遺物を追う男”ではなく、“家族を見つめる父親”に戻っていたことが伝わってきた。ここにインディが「戻ってきた」のよね。
そしてこのやり取りは、ヘレナの“手品”のような導き方が生きているところのように感じたわ。船の上で、彼女がダイバーの男にスペードの7を引かせたときも、同じだった。
自分で選んだと思わせておいて、実はそう仕向けていた。でもそれは、誰かを操るためじゃなく、気づかせるための誘導みたい。
今回の「もし過去に戻れたら?」という質問も、まさにそれ。ヘレナはインディに“自分で気づかせ、言葉にさせた”んだよね。
過去を見ることじゃなく、今を見て生きることの意味を。
──けれど、なんたることか、そのあとインディはアルキメデスの時代で「ここに残りたい」と言うの。今を見つめ直す答えを出していたのに、また過去に惹かれてしまったのよね。
でも、それも無理のないことだったと思うの。
長い年月、彼にとって“過去”こそが生きる場所だったのだから。あのときの「残りたい」は、過去への執着というより、“もう帰る場所がない”という寂しさの裏返しだったんじゃないかな。
だからこそ、ヘレナは彼を殴ってでも“現在”に連れ戻した。
それが、彼女なりのスペードの7――つまり、「今度こそ自分の手で選ばせるための導き」だったのかもしれない。
彼女は最後まで、インディの選択を尊重しながら、彼に“戻る理由”を思い出させたのよね。
ラスト、「あなたの居場所は?ここよ」と言うヘレナに、「for who」と返すインディ。まるでトランプの続きをしているみたい。
彼女は最後の一枚、“今を生きるカード”をインディの手に残していったの。
マリオンが再び現れ、「ほんとに戻ったの?」と問いかけると、彼は静かに答える――「戻ったよ」。過去に取りつかれた考古学者は、ようやく“現在”へ帰ってきた。
その帰還のきっかけを作ったのは、他でもない、あの手品のようなヘレナのやさしさだったのかもしれないわ。ただ、最後までわからなかったことがあるの。
なぜアルキメデスは、あのアンティキティラを2つに割る必要があったのか。そして彼自身は、未来を“見た”わけではなかったのかどうなのか。
「この時代に戻ってくるようになっていた」と語った彼の言葉。それは、未来を呼び寄せる力のことだったのかしら。
でも、彼にその確信がどうして持てたのか――そこだけは、いまだ霧の中。ネットにも、いろんな考察があげられている。
でも、ママ的考察をあげるとするならこう。アルキメデスは、一度はアンティキティラを完成させていたに違いないと思うの。
だって、彼は、未来から救援が来ることを信じていたようだもの。でも、そのときのタイムラインではインディたちが活躍するのは2000年も先の話。
だから、かれは、歴史が上書きされることを期待しながら、その片割れを抱き、永遠の眠りについたんじゃないかな。
誰かに手渡すために、それを抱えて永遠の眠りについた。そして、それが戻ってきたとき、取り戻した的な言葉を残したんじゃないかな。
時が流れて、それを使って時間の裂け目をみつけ、過去にやってきたもの。それがたまたま、インディたちだったということ。
そして、この時に歴史が塗り替えられ、インディたちがアルキメデスを尋ねた時から別のタイムラインが発生した。
彼はその書き換えられた歴史の中で、フォラーの腕時計を手にして身にまとい、飛行機が空を舞うのを見た。
そしてこの書き換えられた歴史の中で最期のときには、プロペラが描かれた棺で眠ることになるの。
タイトルの「運命」というのは、誰が過去にやってくるのかわからない状況でアルキメデスは未来からの訪問客を待った。
そして彼の死後2000年を経てその訪問客はやってきた。それが、たまたま、彼の目の前で起こっている戦に加勢をするかに見えたドイツの飛行機であり、インディたちだった。
アルキメデスがそれを2つに割った理由。インディがヘレナに初めてアンティキティラを見せたその場所で語った言葉「アンティキティラは”時の裂け目”を予測できるのではないかとアルキメデスは考えた」。
これがもし正解なら、時の裂け目がいつどこに現れるのか大勢の人が知ることになる可能性があって、それこそ、歴史がぐちゃぐちゃに改変されてしまう恐れがあると考えたことによるんじゃないかしら。
そりゃもう、気が気ではなくなるわよね(笑)。だから、めったなことでは時空の裂け目を人々が認識しないように、分けておくことにしたの。
因みにバジル・ショーが書き残した日にちに関する推測はこう。アルキメデスは、その時空の切れ目がいつの時代と繋がるのかを把握していた。
それが08-20-69 08-20-39のうちの1969年8月20日の方ね。
改変された歴史の中で、フォラーがダイヤルにセットした日時がそのまま残っていて、それをバジル・ショーは読み解き、1939年8月20日というのがメモに記録されることになったんじゃないかなというのがママの推測。
でも、アルキメデスは最初から把握していたように、時空の裂け目は紀元前のあの日と1969年8月20日を繋ぐことは「運命」として決まっていた。
まあ、まるっきりの推測に過ぎないんだけど、ママ的にはこう考えると、何となくすっきりした気持ちになれるの。
まとめ | インディ、ほんとに「戻ったの?」
「あなたの居場所は? ここよ。」「誰のために?」そう、人は誰かのためにのみ生きることができると何かの本で読んだことがある。インディはその誰かを長い間失ってしまっていたのね。
彼には多くの友人もいたし、気づきさえすれば、周りにはその誰かが大勢いたはず。でも、一番そばにいて、一番大切に思っていた人を失って、誰かのために生きる楽しみというのを忘れてしまっていたのね。
インディは、マリオンは息子を失った悲しみで自分のもとを去ったと思っていた。でも、本当のところは、彼の心がそこにいなかったことがマリオンには伝わっていたのかもしれないわね。
マリオンは「ほんとに戻ったの?」って彼に尋ねるの。彼にそこにいてほしかったのよね。それを学ぶための、時空を超えた大冒険。それだけの価値はあったように感じるわ。
今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。
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