リトルマーメイド実写と原作人魚姫の違い!アリエル・エリック・アースラの結末とキャラクターまとめ


ディズニーの実写映画『リトル・マーメイド』は、アニメ版や原作のアンデルセン童話『人魚姫』とは多くの違いがあります


この記事では、実写版とアニメ版、さらには原作の「人魚姫」との違いを徹底比較!
特に結末やキャラクター設定に注目しながら、「あれ?これ違わない?」と思ったポイントをわかりやすく解説します。

この記事はネタバレを含みます。映画を未視聴の方は特にご注意ください

目次

実写版リトルマーメイドと原作『人魚姫』のストーリー比較

まずは、原作『人魚姫』、ディズニーアニメ版、そして実写映画版のストーリーの大まかな流れを見ていきましょう。

作品主なストーリーの流れ
原作『人魚姫』人魚姫が王子を救い、人間になりたいと願う → 王子は他の女性と結婚 → 人魚姫は泡になり消える(悲劇的結末)→ 空気の精王子を救い、人間になりたいと願う → 王子は他の女性と結婚 → 人魚姫は泡になり消える(悲劇的結末)→ 空気の精
アニメ版アリエルが人間の世界に憧れ、アースラと契約 → 声を失うが恋を成就 → 王子と結ばれハッピーエンド
実写版基本はアニメ版に沿うが、キャラクターやメッセージがアップデート → アリエル自身が運命を切り開くエンディング ハッピーエンド

実写版は、原作で多くの人が抱きそうな悲哀感を漂わす展開を排し、ストーリー的にはアニメ版にそった展開で描かれています。

リトルマーメイドの原作といわれる人魚姫。リトルマーメイドが多くの人にとって、「ハッピーエンド」を印象付けるのに対して、人魚姫は「悲しさ」を感じる方も多いといわれます

ここで、原作『人魚姫』のあらすじを振り返っておきましょう。

原作の主人公である人魚姫は、15歳になり初めて海の上に浮かび上がった日、嵐に巻き込まれた船から王子を救います。人魚姫は意識を失った王子を海岸へ運びますが、彼女自身は姿を見られないよう、物陰に隠れます。やがて通りかかった別の女性が王子を介抱し、王子はその女性を命の恩人と信じてしまいます

王子に恋した人魚姫は、海の魔女を訪ね、「美しい声」と引き換えに人間の足を手に入れます。しかし魔女との契約は残酷なもので、「王子と結婚できなければ、彼女は海の泡となり消えてしまう」という運命でした。さらに、得たばかりの足は歩くたびに鋭い痛みを伴うものでした。

声を失いながらも王子のそばにいることができた人魚姫でしたが、やがて王子は隣国の姫君と結婚します。その女性こそ、王子が命の恩人だと思い込んでいた人でした。絶望した人魚姫の前に姉たちが現れ、「王子の命を奪えば海に戻れる」と短剣を渡します。しかし人魚姫は愛する王子を殺すことができず、短剣を海に投げ捨て、自ら海に身を投じてしまいます

ところが、人魚姫は海の泡となって消えるのではなく、「空気の精」として生まれ変わります。空気の精となった彼女は、人々を幸せに導く善行を300年間続けることによって、人間と同じく永遠の魂を得て、天国へと行ける道が開かれたのでした。

確かに、リトルマーメイドの魔女との「契約」に比べて、活字で見るだけでも辛そうな内容が描かれています。さらに、王子と結ばれることもない展開ですから、なかなかつらい展開です。

ただ、風の精?魂となって天国に行ける?? 精だとか天国だとか言われると、この世での営みが終わった後の話かということで、そこに価値を見出すことは万人向けの救済とは言えないかもしれないですね。でも、私個人的には、原作者のアンデルセンは、評されるほど悲哀感を表現しようとしたのではないのかもしれないなと思ったりします

もしかすると、この世での限りある時間の中での喜びよりさらに大きな喜びを人魚姫は手に入れることができ、たいそう喜んでいるというようなことを表現したかったのかもと思いました。

でも、リトルマーメイドは、この世界での限りある時間を謳歌することを手に入れ、さらに、原作と同じように人間には魂というものがあり。。という設定を受け継ぐのであれば、考えられる設定の中では最もハッピーな展開になっていると考えられそうですね。


キャラクター設定の違いを徹底比較!

アリエルの描かれ方の違い

原作の『人魚姫』では、アリエルという名前は登場せず、ただ「人魚姫」とだけ呼ばれています。彼女は、美しい声を持ち、深い海の宮殿で静かに暮らしていましたが、ある日、海に沈んだ人間の王子を助けたことがきっかけで、彼に強く恋をします。その想いのために、海の魔女に自分の美しい声を差し出し、代わりに人間の足を手に入れます。しかし、足は歩くたびにナイフで刺されるような激しい痛みがありました。それでも彼女は王子のそばにいるために耐え続けます。

けれども、王子は別の女性と結婚してしまい、人魚姫は絶望します。もし王子を殺せば、自分は再び人魚に戻れるという最後の選択肢を与えられますが、彼を愛するがゆえにそれを選ぶことができません。そして、朝日が昇るとともに海の泡となって消え、静かに命を終えます

これに対して、ディズニーのアニメ映画『リトル・マーメイド』では、アリエルは16歳の人魚の少女として登場します。彼女は海の世界に飽き足らず、船や港を訪れては人間の世界に強く憧れています。人間が使うフォークや望遠鏡などの道具を集め、自分の隠れ家に大切に飾るほど、その興味は尽きることがありません

ある日、海上の嵐で遭難した人間の王子エリックを助けたことがきっかけで、アリエルは彼に恋をします。その恋心から、地上の世界で彼と共に生きることを夢見るようになります。そして、海の魔女アースラと取引をし、自分の美しい声と引き換えに人間の脚を手に入れます。

アニメ版のアリエルは、困難に直面しても決して諦めず、明るく前向きに行動する姿が描かれています。最終的には、エリック王子の助けもありアースラを打ち破り、父であるトリトン王にも認められて、地上で人間として生きるというハッピーエンドを迎えます

さらに、実写映画版の『リトル・マーメイド』では、アリエルはより現代的なヒロインとして描かれています。アニメ版のアリエルは「恋に憧れる少女」という側面が強く、王子への恋心が行動の大きな動機になっていましたが、実写版ではそれだけではありません。アリエルはもともと海の世界に閉じ込められているように感じており、「自分の世界を広げたい」「自由に生きたい」という強い願いを抱えていたように感じられます。人間の世界に惹かれる理由も、単なる憧れや好奇心というよりは、未知の世界を自らの目で確かめ、自分自身の居場所を見つけたいという切実な想いがありそうですね。

実写版のアリエルは、父であるトリトン王の厳しい束縛に対しても自分の考えをはっきりと主張し、誰かに救われるのではなく、自分自身で行動を起こす力強さがあります。アースラとの契約も、王子に会いたいからという理由だけでなく、「自分の運命を変えるための選択」として受け入れる覚悟を持っていたのではないでしょうか。

そのため、実写版アリエルは「声を失う」という設定が、単なる呪いではなく「自分の意志を押し殺さなければならない苦しさ」を象徴するものになっているように思います。しかし、最終的には自分の声を取り戻し、王子とともに海の外の世界へと歩み出す姿は、「自分らしく生きることのすばらしさ」を力強く伝えているようにも思われます。

ポイント
  • 原作:助けた王子に気づかれないまま、声を失い激しい痛みに耐え、最後は泡となって消える「自己犠牲の人魚姫」
  • アニメ版:人間の世界に憧れ、地上で王子と生きる夢を追いかける「恋と冒険に生きる16歳の少女」
  • 実写版:父の支配から抜け出し、自分の人生を選び取るために行動する「自由と自己決定を求める能動的なヒロイン」

エリック王子の描かれ方の違い

原作の『人魚姫』に登場する王子には名前がありません。彼は嵐で海に投げ出され、命を救われますが、助けた相手が人魚姫だとは気づかず、他の女性と結婚してしまいます。王子自身は特に悪意を持っているわけではなく、人魚姫が自分を助けた後、その正体が人魚であることも、彼女がどこにいるのかも全く知りませんでした。王子は嵐で命を救われた記憶だけが残り、彼女が誰であるかに関しては何も覚えていないのです。そのため、彼は自分を救ったのが人魚姫であることを知らず、別の女性を自分の命の恩人だと思い込みます。

この勘違いが、王子が人魚姫の愛と犠牲に気づかない理由です。アリエルの深い愛情や彼女が自ら犠牲を払ったことを、王子は全く理解せず、誤って別の女性に恋をしてしまうのです。最終的に、王子はその女性と結婚しようとしますが、アリエルが彼に真実の愛を捧げたことを認識しないまま、物語は悲劇的な結末を迎えます。結果として、人魚姫が泡となって消えていく悲劇を引き起こす原因のひとつになっています。

これに対して、ディズニーのアニメ版『リトル・マーメイド』では、「エリック」という名前を持つ王子として登場します。エリックは、勇敢で心優しい青年で、船乗りたちにも慕われる親しみやすい存在です。彼は海の上を航海し、嵐の中でも恐れず仲間を助ける勇気を見せるシーンが印象的です。ただし、恋愛に関してはやや鈍感で、アリエルが声を失った理由に気づかず、最初は「自分を助けてくれた女性」と思い込んで別の女性(アースラが変身したヴァネッサ)に心を奪われてしまう場面もあります。アリエルへの気持ちを自覚し、彼女を救うために行動を起こすのは物語の終盤になってからです。

そして実写版では、エリックもまたアリエルと同じように「自分の世界を飛び出したい」と願う人物として描かれています。彼は海に強い興味を抱き、船で未知の海域を冒険し、新しい文化や世界に触れることを夢見ています。しかし、母である王妃からは海を危険視され、王国にとどまることを求められているため、自由に外の世界を知ることができずに葛藤を抱えています。この設定が、海の外に出たいと願うアリエルの境遇と重なり、二人の間に「同じ夢を追う仲間」という対等な関係性が生まれています。

実写版のエリックは、アリエルの声が戻る前から彼女の存在を尊重し、彼女の意思や考えを理解しようと努める描写が増えています。アリエルが自らの声を取り戻すシーンでは、彼もまた「自分らしい人生を選び取る」ことを決断し、アリエルとともに新たな未来に進む姿が描かれています。恋愛だけではなく、「互いを理解し、尊重し合うパートナー」としての関係が強調されているのが特徴です。

【ポイント】

  • 原作:命を救われても人魚姫の正体に気づかず、別の女性と結婚してしまう「無意識に人魚姫を悲劇に導く王子」
  • アニメ版:優しさと勇気を備えた理想的な王子だが、心の奥で“あの声”への未練を断ち切れず、アースラに騙されてしまう「完璧に見えて、迷いや脆さも併せ持つ王子」
  • 実写版:海の外の世界を夢見るアリエルと同じ目線で未来を選び取ろうとする「自由を求める探求者であり、対等なパートナー」

アースラ(海の魔女)の描かれ方の違い

原作の『人魚姫』に登場する「海の魔女」には名前がなく、彼女は善でも悪でもない、どこか中立的な存在として描かれています。
人魚姫に対して「人間の脚を与える代わりに、美しい声を差し出すこと」「王子と結ばれなければ泡となって消える運命」「歩くたびにナイフで刺されるような激しい痛みがある」など、すべての条件とリスクを事前に説明し、そのうえで選択を本人に委ねています。
無理やり騙すこともなく、あくまで「結果はあなた次第」という公平な取引をしており、冷徹ではありますが、善悪では測れない存在として登場しています。

これに対して、ディズニーのアニメ版『リトル・マーメイド』に登場するアースラは、より悪役らしく再構築されています。
彼女はかつて王国を追放され、トリトン王や海の世界への復讐心に燃える邪悪な魔女であり、物語を動かす「ヴィラン(悪役)」として描かれています。
アリエルの人間の世界への強い憧れと恋心につけ込み、巧妙に契約へ誘導しますが、その契約内容はアリエルにとって極めて不利なものになっています。

アースラが提示する契約は、「人間の足を与える代わりに美しい声を差し出す」というものですが、その裏には次のような過酷な条件が隠れています。
まず、アリエルは「3日以内にエリック王子から“真実の愛のキス”を得なければならない」という厳しいルールが課せられています。しかも、声を失ったアリエルは歌うことも話すこともできず、自分が王子を救った存在であることを伝える手段がありません。
もしキスが成功しなければ、アリエルは再び海に引き戻され、アースラの奴隷のような存在となり、魂を奪われた他の犠牲者と同じ運命をたどることになります。

さらにアースラは、公正な取引の立場を装いながら、自らヴァネッサという美女に変身し、奪ったアリエルの声を使ってエリックを魔法で洗脳します。これにより、アリエルが王子の心をつかむチャンスは限りなくゼロに近づきます。
契約の時点では「公平」に見えても、その後アリエルの成功を積極的に妨害する行動によって、実質的には「勝ち目のない罠」となっているのです。

そして実写版では、アースラはトリトン王のであるという新たな設定が加わり、彼女の動機には家族との確執や過去の傷が色濃く影を落としています。
かつて王家の一員でありながら、野心や考え方の違いから疎まれ、追放されたことで孤独と屈辱を味わい続けたアースラ。
その復讐心だけでなく、自分が得られなかった「愛や自由」をアリエルに見ることで、嫉妬や哀しみが複雑に絡み合い、より人間味のあるヴィランとして描かれています。

アリエルの結末

実写版ではアリエルが自らの力でアースラを倒すことで、アリエルが自分の力で道を切り開く、頼もしくてかっこいいヒロインになっています。。実写版のクライマックスでは、巨大化したアースラに対し、アリエル自身が嵐の海の中で勇敢に船を操縦し、アースラの胸に船の舳先を突き刺して倒します。

アリエルは父トリトン王の反対やアースラによる妨害を乗り越え、人間界への憧れを自分自身の力で実現させます。かつてアリエルは父や周囲の価値観に縛られ、自分の望みを十分に表現できず、運命を他人に任せるしかない状態でした。しかし、彼女は自分の行動によって人生を選び取ることを決意し、具体的には、自らの声を犠牲にするというリスクを負ってでも海の魔女と契約を結び、人間の世界に飛び込むことを決意します。

最後にトリトン王は、アリエルが自分自身の意志で行動し幸せを掴んだ姿を見て、彼女を認めます。トリトン王は自らの力を使ってアリエルに再び人間の足を与え、「どこにいてもお前は私の娘だ」と優しく告げます。このシーンは、アリエルの生き方を理解し応援する父親の愛情が象徴的に描かれています。


実写版とアニメ版で異なるクライマックスの結末とは?

アニメ版と実写版『リトル・マーメイド』では、アースラとの最終決戦に大きな違いがあります。
まず、ディズニーのアニメ版では、アースラが海の魔力を使って巨大化し、嵐の海でアリエルたちを追い詰めます。このクライマックスでアリエルは恐怖に囚われつつも状況を見守るだけになり、戦いの主導権はエリック王子に渡ります。

エリックは沈没船を操縦し、その舳先をアースラに突き刺すことで、彼女を倒します。アリエルはこの場面ではあくまで受け身の立場であり、自ら戦うことはありません。物語の終盤は、王子の勇気と行動によって危機を乗り越える「王子がヒーロー」の物語として描かれています。

一方、実写版ではアースラが巨大化する展開は同じですが、戦いの流れが大きく異なります。
エリックではなく、アリエル自身が沈没船の舵を握り、自らアースラに向かって船を突進させます。
エリックはアリエルを助けようとしますが、最後の決断と行動をするのはアリエル自身です。
アリエルは、ただ王子の救いを待つのではなく、自分の手で船を動かし、巨大なアースラに立ち向かう選択をしました。

その瞬間、彼女は誰かに助けられるのを待つ少女ではなく、自分の力で大切なものを守り抜く女性になったのです。
このクライマックスによって、アリエルが誰かに運命を託す存在から、自らの意志で物語を動かす主人公に変わったことが、観客に強く印象づけられます。

アリエルが自分の力でアースラを倒す結末は、今の時代に合った新しいヒロイン像と言えるかもしれません。
誰かに助けてもらうだけのお姫様ではなく、自分で考えて行動し、自分の力で困難を乗り越える主人公として描かれている、そんなふうに感じた人も多いのではないでしょうか。


まとめ

実写版とアニメ・原作の主な違いは…

  • ✅ アリエルが「自分の意志で行動する」ヒロインになっている
  • ✅ アースラを倒すのはエリックではなくアリエル自身
  • ✅ 原作の悲劇的結末から、希望と自由を描くハッピーエンドに進化
  • ✅ 現代的な価値観で「自己決定」と「異文化理解」がテーマに

実写版『リトル・マーメイド』は、アニメ版の名作を現代的にアップデートし、より多くの人が共感できる物語に仕上げられているように感じました。
もし、原作の『人魚姫』や『リトル・マーメイド2』、『アリエルのはじまり』を観たことがない方は、これを機に一度チェックしてみるのもおすすめです。
物語の奥行きがもっと深く見えてくるかもしれませんね。

今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。

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