この記事は冒頭よりネタバレを含みますのでご注意ください!
最終話まで視聴された後の疑問解消にお読みいただくのがお薦めです。
ハリーポッターと死の秘宝Part2。分霊箱についての秘密もおおむね明らかになり、ヴォルデモートの魔の手から仲間を救うための手がかりが見え始めた最終話。
でも、皮肉なことに、自分自身が分霊箱になっていることが分かったハリーは、自ら命を差し出すためにヴォルデモートの元へ向かいます。そして、そこで闇の魔法による攻撃を受けるのですが。。。
攻撃を受けるとほぼ100%命を落とすといわれるた闇の魔法をうけながら、ハリーはなぜ命を落とさなかったのでしょう?!
死の秘宝でハリーが死ななかった理由

映画ではハリーがヴォルデモートの死の呪文「アバダケダブラ」の攻撃をうけ、「ハリーの意識の中の世界」で目覚めるという展開。見た目はこれは死後の世界に違いない。おまけにそこでハリーを迎えに現れたのは亡くなったダンブルドア先生。
このためハリーは亡くなったに違いない!と見えてしまうのですが、実は原書を読んでも、ネット情報を見ても、どうやら死んではいないと解釈するのが自然なようです。
そのうえで、ではなぜ死ななかったのか?!
どうやらとても多くの要素や偶然がハリーを生きながらえさせたようなのですが、そのなかでも ①杖の真の所有者、②ヴォルデモートの魂の破片(分霊箱)の破壊、③リリーの護りの魔法やヴォルデモートが自分の体に取り入れたハリーの血が大きく影響したようです。
杖の真の所有者は誰だったのか?

ヴォルデモート、ニワトコの杖を持ってたのに、なんで決定打にならなかったの?



本当の所有者はハリーだったから、杖が全力を出さなかったんだよ!むしろ、ヴォルデモートが真の所有者だったら、あの場で自滅してたかもね!
ヴォルデモートはダンブルドアを殺害したスネイプが真の杖の所有者であると思い込んだんですね。
けれど、本当の所有者は ダンブルドアを武装解除したドラコ・マルフォイ で、その後、ハリーがドラコを武装解除したため、杖の忠誠心はハリーに移っていたのです。
具体的にどのような流れで所有者が移っていったのかをみてみましょう。
所有者 | 所有の経緯 | 備考 |
---|---|---|
ゲラート・グリンデルバルド | グレゴロビッチから奪う | グリンデルバルドが若き日にニワトコの杖を盗む(決闘ではなく強奪) |
アルバス・ダンブルドア | グリンデルバルドとの決闘で勝利 | 1945年の決闘でグリンデルバルドを倒し、杖を所有 |
ドラコ・マルフォイ | ダンブルドアを武装解除 | 1997年、天文台の戦いでダンブルドアの杖を奪う(実際に殺したのはスネイプ) |
ハリー・ポッター | マルフォイを武装解除 | マルフォイの屋敷でマルフォイの杖を奪ったため、ニワトコの杖の所有権も移動 |
ヴォルデモート | ダンブルドアの墓から杖を盗む | 真の所有者ではなかったため、完全に制御できなかった |
ハリー・ポッター(再所有) | ヴォルデモートを倒したことで所有権を確立 | ヴォルデモート死亡後、杖を修復し、ニワトコの杖を破壊(原作ではダンブルドアの墓に戻す) |
これをみると、本当の所有者はハリーだったから、杖が全力を出さなかったと言えますね!むしろヴォルデモートが真の所有者だったら、あの場で自滅していたかも。。ということです。
ハリーの中にあったヴォルデモートの魂の破片(分霊箱)の破壊



ヴォルデモートの呪文が当たったのに、なんでハリーは生きてるんだ?



実はハリー自身じゃなくて、中にいたヴォルデモートの魂の一部が死んだのよ!
では、ダンブルドアの言葉「(ハリーは)ヴォルデモート自身の手によって死なねばならん」という言葉は何だったのでしょう?どうやらハリーの母、リリーの護りの魔法が大きく関連してくるようです。
リリーの護りの魔法
✅ 愛の魔法:リリー・ポッターが自らの命を犠牲にしてハリーを守ったことで生まれたいわば「愛の魔法」。
✅ 呪文を跳ね返す:ヴォルデモートがハリーに放った「アバダ・ケダブラ」を跳ね返し、ヴォルデモート自身を一度滅ぼした。
✅ ヴォルデモートの影響:ヴォルデモートがハリーの血を取り込んだことで、彼が生きている限り、ハリーの守護も継続された。
ヴォルデモートは今度こそはという思いで決戦前に成し遂げようとしたことに、1.リリーの魔法に対抗できるようにハリーの血を自分の中に取り込んだ。2.ニワトコの杖を自分の杖とするなどがありました。
そしていざ「その時」となり、ハリーに呪文をかけた結果どうなったかというと、前回同様リリーの護りの魔法によって、ヴォルデモートが放った呪文はヴォルデモート自身に跳ね返ったようです。単に肉体として目の前にいるヴォルデモートに向けて跳ね返っただけではなく、ヴォルデモートという存在の全てに対して跳ね返ったのだと思われます。
そのため、ヴォルデモートが放った呪文はハリーの心に引っ掛かっていたヴォルデモート自らの魂の一部も破壊することになったのだと思われます。
このことはダンブルドアも予見していたことでしょう。ただ、ダンブルドアもハリーのことを「思いがけず分霊箱になってしまった」と理解していました。
これまで、ダンブルドアやハリーたちは分霊箱を見つけると、「破壊」するということを繰り返してきました。
つまり、分霊箱は破壊しなければならないというイメージを持っていたのだと思います。だから、これほどまでに都合よく、分霊箱とみなしていたハリーを傷つけることなく、ヴォルデモートの魂の欠片だけを消滅させるなどということができるとは思いもよらなかったのではないでしょうか?
それでも、ダンブルドアは「ヴォルデモートがハリーの血を自らの中にいれた」ことで、わずかな望みを抱いていたのかもしれません。護りの魔法は「ハリーの血を持つものが生きている限り、ハリーは守られる」という性質を持っているため、ヴォルデモートが生きている限りハリーは生きていると考えていたのではないでしょうか。
結果、ハリーは命を落とすことなく、仲間のもとにたどりつき、最後の戦いに臨むことになりました。
蘇りの石がスニッチから出てきた理由


これにはダンブルドアの意図が働いていました。「適切なタイミング」でハリーが手にすることができるように、ダンブルドアが仕込んでいたんですね。



なんでスニッチに入れる必要があったのかな?



スニッチは最初に触れた人しか開けられないから、ハリーに確実に蘇りの石を渡すためよ!
スニッチは最初に触れた者の肌の記憶を持つ特性があるようです。ハリーがクィディッチの試合で始めて捕まえたスニッチだったため、ダンブルドアはそれを利用し、ハリーの手に確実にわたるようにしました。ハリーは最初の時、スニッチを口で捕まえたんですよね。
・蘇りの石は、死者の魂を呼び戻すことができるが、完全に生き返らせるものではない。
・ダンブルドアは、蘇りの石をハリーに与えることで、両親やシリウス、ルーピンといった大切な人々と「最期の対話」をさせ、死への恐怖を和らげる目的 だった。
・石の力によって、ハリーが孤独ではないと感じ、「ヴォルデモートに向かって自ら進んでいく決意」を固められるようにした。
ヴォルデモートの元へ行かんとするハリーの緊張感、これは、本の方がはるかに描写が細かく、緊張感が如実に伝わってきます。映画では、蘇りの石で大切な人々と会った後、「石が手からスルリと落ちていく」ように描かれていましたが、原作の描写によると、恐怖のあまり石を持つことすらできなかった状況がよく伝わってきます。
蘇りの石は、あまりに強大すぎる恐れに向き合うために、どうしても必要なアイテムだったのでしょう。ダンブルドアはそのことをよく理解しており、一番確実に、そして一番適切なタイミングでハリーがそれを手にすることができるように、スニッチを使用したようです。
鏡の破片の役割


鏡の破片の正体はシリウスがもっていた「両面鏡」の一部で、この鏡は持つ者同士が会話できる魔法アイテムです。もともとシリウス・ブラックがハリーに渡したものですが、ハリーはそれを使わず、保管していました。



なんで鏡が割れてるの?



シリウスが死んだ後、ハリーが悔しさのあまり叩き割ったのよ。
説明 | |
---|---|
① 鏡の正体 | シリウスがハリーに渡した 「両面鏡」 の一部。 |
② 鏡のペアの持ち主 | シリウスの死後、アバーフォース・ダンブルドアがもう片方の鏡を持っていた。 |
③ 役割 | ハリーが助けを求めたことで、アバーフォースがドビーを送り、マルフォイの屋敷からの脱出に繋がった。 |
その後、ハリーは壊れた両面鏡の破片を捨てずに持ち歩いていました。鏡の力は残っていて、破片を覗き込むと、そこにアバーフォース(ダンブルドアの弟)の青い目が映ることに気づきます。
最初は「ダンブルドアの目が見えた」と思い込んでいましたが、後にもう片方の鏡の持ち主がアバーフォースダンブルドアであることを知ります。



結局、割れた鏡の破片は何の役に立ったんだ?



ハリーがアバーフォースとつながる手段になって、ドビーが助けに来るきっかけを作ったのよ!
ハリーは誰かが自分を見ていると感じて、破片に助けを求めたんですね。それで、アバーフォースがドビーを送り、マルフォイの屋敷からの救出につながります。
もしハリーがわれた手鏡を持っていなかったら、逃げられなかった可能性もありますね。
役割 :破片を通じてアバーフォースに助けを求め、マルフォイの屋敷から脱出できた。
割れた理由 :シリウスの死後、悔しさと悲しみからハリーが鏡を床に叩きつけて壊した。
破片を持っていた理由 :シリウスの形見として持ち続け、のちに「青い目」が見えることに気づく。
ハリーが怒りにまかせて割った鏡の破片は、彼の命を救う重要なアイテムとなっていました。
まとめ
『死の秘宝』でハリーが生き延びたのは、偶然ではなく 様々な魔法と運命が絡み合った結果でした。ヴォルデモートがハリーの血を取り込んだことで リリーの守護魔法が継続 し、 ニワトコの杖の所有権がハリーにあった ことでヴォルデモートの呪文が決定打になりえませんでした。そして 蘇りの石や鏡の破片もハリーを導く重要な役割を果たしました。ハリーはそれらのお陰で死に向き合うことができ、ボルデモートを大きくしのぐ勇気を示すことで勝利を勝ち得ることができたんですね。
今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。
コメント