蘭のあの行動、気になった方も多いのではないでしょうか。沈みゆく船から避難しようというタイミングでの判断に、「え?」と思った人も多いのではないでしょうか?
一方で、普段ちょっと頼りない小五郎さんが今回は意外とかっこよかったりして…。『水平線上の陰謀』、じっくり見返すと細かいところにツッコミたくなる場面がいろいろあるんですよねえ。
今日はそんな中から、蘭の判断が“うざい”と言われる理由と、小五郎がなぜ“かっこいい”と言われているのかについてまとめてみました。
蘭のかくれんぼがうざいといわれる理由は?
物語の終盤、避難用のボートに乗ろうとした蘭が、少年探偵団からもらった“貝殻の金メダル”がないことに気づき、船内へ引き返すシーンがあります。この行動に、思わず首をかしげた方も多いのではないでしょうか。

蘭ちゃん、なんであのタイミングで船に戻るの〜!?



あれはちょっと無理がある判断だったかもね…
「なぜこのタイミングで?」「命がけの状況なのに…」緊迫したシーンの中で、蘭の判断はあまりに危うく見えます。もちろん、少年探偵団の気持ちを大事にしたいという彼女の優しさや責任感は理解できます。
しかし、船が沈みかけている状況で、あの行動を選ぶのは無理があると感じた人も少なくないでしょう。
「感動させたい演出なのはわかるけど、キャラの行動としてリアリティがなさすぎる」「自己犠牲的すぎて共感できない」といった声も聞こえてきそうですね。
この場面は、ストーリー上の山場を盛り上げる“ヒロインの危機”としての演出意図があるのは間違いないでしょう。少年探偵団との絆を象徴するメダルをめぐる蘭の行動には、彼女らしい優しさと責任感がにじみ出ています。
ただその一方で、沈没の危機が迫る中での行動としては、やはり現実的に見て無理があると感じる人がいたのも事実です。実際、ネット上では「キャラクターの感情を優先しすぎてリアリティが崩れてしまった」といった意見も見受けられます。
でも、そもそも、私にとってのコナンは、非現実感8割の痛快(?)人情(?)推理アニメという楽しみ方なので、個人的には蘭が少年探偵団の気持ちを思いっきりくみ取るあの展開に、とっても心揺さぶられていたりしてるんですけどね。
命がけの状況と“優しさ”が噛み合わなかった
視聴者が「共感できない」と感じるギャップが大きかった
このシーンも、見る人によって「共感できる優しさ」と受け取るか、「物語への没入感が一瞬途切れてしまう」と感じるかで印象が大きく分かれたのかもしれませんね。
小五郎が眠らず活躍!かっこいいと言われる理由
そしてこの作品、実は“眠らない小五郎”がめちゃくちゃ活躍する珍しい回でもあるんです。いつもはコナン君の麻酔銃で眠らされて“名探偵”にされちゃってる小五郎さん。
秋吉と廊下ですれ違って“何か引っかかる”って感覚を持つところも、小五郎の元刑事としての勘の鋭さをうまく見せてました。狭い通路で、男性と女性がすれ違う時の体のかわし方。
本当にそうなるかな。。というところは置いておくとしても、ドラマの設定としては、「なるほど~」と素直にうなずけてしまう伏線設定と感じました。小五郎さん、普段はお調子者キャラになりがちなんですけど、こういうときにしっかり決めてくれると、「さすがだな~、大人の男性だなあ」って見直しちゃいますよね。
もちろん、秋吉との格闘シーンで、決して手を上げようとしない姿勢などにもグッとくるところがあるんですけど、何気ない大人の感性というか、感覚を垣間見た時に、何気にかっこいいなという感じがしてきますね。
秋吉はどうやって604号室に侵入したのか?
今作でひそかに気になるのが、秋吉がどうやって604号室に入ったのか、という点です。日下はマスターキーを盗み出していた可能性が濃厚で、604号、社長の部屋への入室は容易に達成できたものと思われます。
しかし、秋吉がどのようにして604号室に入室できたのか、しかも、日下の到着より早くにそれを成し遂げたのかというのが疑問なのです。警部たちが、犯人がどのように社長の部屋へ入室したのか推測しているときには、マスターキーの入手か会社の関係者という推測をしていました。
秋吉がマスターキーを入手したという設定は見当たらなかったため、会社関係者として入室したのかという線が色濃くなるのですが、ただ、入浴中の社長が、会社関係者を、仮に入室させるにしても、それなりの時間がかかりそうで、日下より先に入室するのは、なかなか難しいんじゃないかと思うんですよね。
そのため、インターネット上、もちろん、この映画(TsutayaのレンタルDVD)を繰り返し見てみるのですが、どこにも秋吉がなぜ入室てきたのか明確に示すものが見当たらないんです。これは、私にとっては迷宮入りとなってしまいました。
秋吉と日下の動きの早さについても「え、そんなに素早くできるの?」と感じる場面がちらほらありますよね。
実際の行動タイムラインや格闘シーンの描写が気になる方は、こちらの記事もぜひどうぞ。


船に霊安室ってほんとにあるの?
『水平線上の陰謀』を観ていて、「船の中に霊安室って…ほんと?」と気になった方、多いと思います。でも実はこれ、映画だけの設定ではなくて、現実のクルーズ船にもちゃんと存在する設備なんです。
大型客船では、何千人という乗客や乗組員が一緒に航海するため、長旅の途中で体調を崩す方や、残念ながら亡くなる方が出てしまうこともあります。そういった万が一に備えて、船には2〜6体ほどの遺体を一時的に保管できる冷蔵設備つきの霊安室(モルグ)が設けられているんだそうです。
亡くなった方は次の寄港地まで安置され、港に着いた後、現地の法令に従って家族や関係機関に引き渡されます。これは一種の「国際的なマナー」であり、船が孤立した空間だからこそ必要な配慮といわれています。
私たち乗客の目に触れることはほとんどなさそうなのですが、こういった設備があることで、どんな状況でも落ち着いて対応できる体制が整っているというのが、安心にもつながっているんだそうです。
まとめ
- 蘭の“金メダル探し”は優しさの表れでもあるが、状況とのギャップから違和感を覚えた人も多かった
- 小五郎は今回、直感力や落ち着いた対応で“かっこいい”と再評価されている
- 秋吉が604号室に入った経緯は明示されておらず、推測の余地を残している
- 客船に霊安室があるのは実際のクルーズ船でも一般的で、映画の設定は現実を反映したものだった
『水平線上の陰謀』は、落ち着いたトーンの中にさまざまな人間ドラマや細かな設定が詰まった作品です。違和感もまた考察の入り口として楽しめる要素のひとつ。
あらためて観返してみると、キャラクターの意外な一面や演出の工夫に新しい発見があるかもしれません。
本日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。
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