『バック・トゥ・ザ・フューチャーPart1』を人物相関で整理!マーティとドクの絆、そして家族や町の人々との関係を図解的にまとめました。物語の展開や人間関係をスッキリ理解したい人向けの記事です。
相関図①|マーティとドクの関係

マーティ・マクフライがドク・ブラウン博士の家を訪ねたとき、愛犬のアインシュタインも含めて誰もいなかったの。部屋の中は雑然としていて、その混沌ぶりに思わず息をのむんだけど、さらに目を引いたのが「プルトニウム」と書かれたジュラルミンケース。
続くシーンではマーティが巨大アンプのボリュームを最大にしてギターを鳴らす。結果はシーンを見た人なら誰でもが記憶するんじゃないかという大爆発。
こんな代物を作り上げるドクなんだけど、Part1を見るだけでは、ドクが周囲からどのようにみられていたかはわかりずらい。でも、どうも周囲からは変人扱いされている感が否めないわね。でももちろん、マーティにとっては特別な相棒なの。巨大スピーカーや奇妙な発明品の数々、どれもマーティを心底惹きつけるのよね。
二人の関係は実はマーティが13歳の頃にさかのぼるといわれていて、当時からドクは危険人物視されていたみたい。
そんな噂を確かめようと、マーティはドクの屋敷に忍び込み、奇妙な所有物に「クール!」と心を奪われていたらしいの。お互いに変わり者だからこそ、すぐに打ち解け、そこから友情が育ったのかもしれないわね。
歴史が変わる前のマーティの父親ジョージ・マクフライは気弱で、職場では同僚のビフ・タネンの言いなり。ビフは横暴そのもので、ジョージを下に見てこき使う厄介な存在。
しかも会社ではジョージの上司という立場だから、余計に質が悪いの。マーティがガールフレンドのジェニファーとデートするために家の車を使おうとしていたときも、ビフがその車を借り出し、しかも壊して返してきたの。
さらには自分がぶつけたくせに車の欠陥のせいにし、さらには汚れた服のクリーニング代まで請求してくる始末。
その理不尽さに怒り心頭なのは当然なのに、ジョージは息子のマーティにまで「言いたいことはわかるよ」と。あまりにも切なすぎる展開に胸が痛むわ。
マーティはその様子を目撃して激怒するけど、冷静に見れば親の財産を当然のように使おうとした子どもが、まるで自分が被害者のように振る舞っているようにも見える。
親の立場からすると、車代を払っているのはジョージなのに、マーティがまるで自分の所有物を壊されたかのように反応するのはなんだかなあと思ってしまうんだけどね。
けれど子どもってそういうものよね(笑)。親のステータスをそのまま自分のものだと錯覚してしまうことがあるのだと思うの。
マーティはその後、自室で眠りにつく。そこに深夜0時を過ぎてドクから電話がかかってくる。実験に立ち会う約束があったのね。
場所は「ツイン・パイン・モール」の駐車場。名前のとおり2本の松の木が植えられているモールで、ここから物語は一気に非日常へと突入。
ドクはタイムマシンに改造したデロリアンを披露し、愛犬アインシュタインを乗せて1分先の未来へ送り出す実験を敢行。驚くことに見事に成功するの。
実験を行った場所、Twin Pines Mallは後に「Lone Pine Mall」へと名前が変わる。理由は、マーティが過去に行った際、農場の納屋に突っ込み、その家の入り口に植えられていた2本の松のうち1本をなぎ倒してしまったから。
モールの駐車場に突然過激派の車が現れ、ドクを襲撃してきたの。冒頭でニュース番組が報じていた原子力研究所からのプルトニウム盗難事件。その犯人こそがこの過激派グループだったのね。2週間前に倉庫から奪われたケースはドクの手に渡っていたんだけど、彼はそれを彼らからかすめ取ったらしいの。その報復として襲撃が行われたわけ。
相関図②|1955年のヒルバレーとマクフライ家のルーツ

過激派の攻撃をどうにか振り切り、マーティ・マクフライは1955年にタイムトリップしてしまったの。デロリアンが突っ込んだのはピーボディ家の納屋。ピーボディ家は例のモール周辺を所有する大地主で、ドクが言っていたように松の栽培に熱心な一家だったのね。
マーティは核燃料を扱うための防護服を着ていたから、彼らの目にはまるで宇宙人が襲撃してきたように映ったらしいわ。発砲までしてくるピーボディから命からがら逃げ出したマーティは、ヒルバレーの町にたどり着く。
そこに広がっていたのは、当然1955年の世界。ほかのタイムスリップ作品のように主人公が「ここはどこ?」っていう状況になることもなく、最初から明確に「過去に来た」と理解している点がまどろっこしくなくていいわね。
でも当のマーティにとってはストレスだらけ。最初に入った「Lou’s Cafe」では、店主に何か注文しろと言われて「タブを」とか「フリーのペプシ」とオーダー。
けれど「勘定書(タブ)は注文の後だ」と一蹴され、「フリーのペプシ?金を払え」と叱られる始末。ちなみにこの「タブ」という飲料、日本では発売されなかったけれどアメリカではカロリーオフの飲料として販売されていたそうね。
そんなカルチャーギャップに戸惑うマーティに追い打ちをかけるように、隣に座っていたのは若き日の父ジョージ・マクフライ。
思わぬ再会は心強いものとは言えず、そこにさらに若き日のビフ・タネンが登場するの。ビフは現代とまったく同じくジョージを脅し、今度は高校の課題を代筆させようとしていた。
現代と変わらぬ支配の構図を目の前にし、マーティのイライラはピークに達するの。店を出たジョージを追いかけると、木の上からロレインの部屋をのぞき見する父の姿。
情けなさすぎてもう見ていられない場面だったわ。ロレイン・ベインズ、つまり未来の母親がここで登場する。マーティはジョージの代わりに車にひかれてしまい、そのままロレインの家に運び込まれる。そこで出会ったのは1955年当時のマクフライ家の面々。
現代で牢屋暮らしをしているジョーイおじさんが赤ん坊としてケージに入れられて「ここが好きなんだ」って。
何より困惑するのは、ロレインがマーティに惹かれて迫ってくること。母親に好意を持たれるという信じがたい状況に耐えきれず、マーティはドクの住所を頼りに家を飛び出すの。
気持ちは痛いほどわかるわ。ところでジョーイおじさんがなぜ刑務所に入ったのか気になって調べてみたら、情報は少なかったけれど、自分の居場所が見つけられず孤独を抱えていたというような情報があったわ。
人との関係を大切にしようとする一方で周囲が理解してくれず、そこにビフがつけ込み、ドクの屋敷に盗みに入ったと言われているの。
でも捕まった後も関係者を巻き込まないために経緯を語らなかったそうで、実はとても心優しい一面があったのかもしれないと感じたわ。
映画を見ただけだと「どうしようもないやつ」っていうイメージだったんだけど、キメツケはよくないわね。
ようやくドクの屋敷にたどり着き、再会を果たしたマーティ。けれど1955年のドクには彼のことがわからないのも当然。まだマーティが生まれる前の時代なのだから。
ちょうどドクは人の素性を読み取る装置を開発中で、マーティを屋敷に入れると頭に怪しげな機械を装着し、正体を探ろうとする。
でも結果は失敗。マーティからしたら、もしかしたら自分のことを理解してくれるきっかけになるかもって期待するじゃないのよねえ。
ところで、屋敷の外観の立派さに目を奪われるけれど、この建物はP&G社二代目社長の邸宅だったそうで、屋敷の見学ツアーまで行われている正真正銘のお屋敷。
屋敷を追い出されかけたマーティは、現代で聞いていた「フラックスキャパシターをどうして思いついたのか」というドクとマーティしか知らない話を口にする。
これが決定打になり、ようやくドクはマーティの話を信じ始めるの。隠していたデロリアンにドクを案内し、屋敷に運び込んで整備が始まる。
1985年のドクが説明していたように、タイムマシンを動かすには1.21ジゴワットという莫大な電流が必要。当時の技術では不可能だと諦めかけたとき、ドクが「雷なら可能だ」と言い、マーティは聞き逃さずにしっかり拾ったわ。時計台に雷が落ちる予定どころか正確な時間まで把握できていたのね。
因みにジゴワットという単位は実存のものではなくて、どうやら脚本段階での思い違いからジゴワットという言葉が使われたらしいの。
本来はギガワットだったみたいね。でもなんかジゴワットの方が凄そうで好きだわ(笑)。
ギガっていうと大きな数字を表す単位なんだろうけど、普段ママたちが耳にするのは、PCや携帯とか結構小さなものの性能について使われることが多いから、なんかイメージがこじんまりしちゃうのよね。
40年前の時代ならギガという言葉もそれなりのインパクトがあったかもしれないけど、2025年の現代ではね。やっぱりジゴワットの方に惹かれるわ(笑)。
未来へ戻れる見込みが立ち、一安心したマーティが「その日まで過去見物でも」とつぶやいた瞬間、今度はドクが「誰にも会ってないだろうな?」と鋭く返す。
歴史改変の危険性を指摘したのね。けれどすでに影響は出ていた。マーティが持っていた家族写真から兄や姉の姿が少しずつ消え始めていたの。
ロレインに干渉したせいで、ジョージとロレインの関係が途切れ、自分を含む未来の家族が存在できなくなる危機に直面していたの。
でもここで気づけたのは不幸中の幸い。失いかけた未来を取り返すためにマーティとドクはジョージとロレインが通う高校へ向かい、二人の成り行きに干渉して何とか縁を取り持とうとするの。
ところで、ロレインが車にひかれた男性に惹かれてしまった状況に、ドクは「ナイチンゲール症候群だ」と言う。この言葉を調べてみたら、wikipediaにもしっかり載っていて、1982年にAlbert Finneyという方がインタビューで使ったのが起源らしいの。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が製作されたのはその少し後。だから当時はようやくこの言葉が広まり始めたころで、知る人にとっては時代を感じさせる言葉なのかもしれないわね。
相関図③|ロレインとジョージ、運命を決めた一夜
魅惑の深海パーティに向かうマーティの車の助手席に座ったのは、若き日の母ロレイン。服装はかなり挑発的で、高校生とは思えないほど大人びた雰囲気をまとっていた。
しかも平気で飲酒や喫煙をして、マーティをぐいぐい押してくる。これではジョージと示し合わせた芝居を打つどころじゃないと感じたわ。
けれどここで一気に流れを変える出来事が起きる。ロレインが半ば強引にマーティへ口づけした瞬間、彼女自身が違和感に気づいたの。
まるで身内と交わすキスのような感覚を覚えたらしいのね。ここでようやくジョージが割って入れる余地ができたのだと思うの。
でも予定は狂う。車に現れたのはジョージではなく、マーティを追ってきたビフとその取り巻きたち。
ロレインにとっては望まぬ相手だったけれど、状況だけ見れば「か弱い女性が助けを求める」場面としてはこれ以上ないシチュエーションが整ったわけね。
そんな中で登場するジョージの姿はいつもと少し違って感じたわ。これまで弱腰だった男が、一度覚悟を決めたら顔つきが一気に変わったわね。
その表情はとても男前に見えた。ロレインも思わず「助けて」と口にして、初めて女性らしい弱さを見せる。
そこからのジョージは完全にヒーローの顔だったと思う。ちょっとはにかんだ感じを残しながらというところが、なかなかよかったわ。
でも二人の恋がすぐに成就するわけではない。未来をつなぐためにはダンスパーティでのキスが必要だった。ジョージはおくてだから、ただ一緒に踊るだけではなかなかそこまで進めない。
ロレインが思いきり誘っているのに、もたつくばかり。でも悠長にしていられない。マーティの存在そのものが危うくなっていたから。体が透けてしまうほどに消滅しかけていたの。
そこへ幸運にも別のチンピラ風の男が現れ、ロレインを強引に連れ去ろうとする。その危機にジョージにやっとこさ火がつき、ロレインをしっかりと守る。
その瞬間、二人の心は強く結びつき、めでたくダンスフロアでキスが交わされたの。このキスこそ未来を決定づける行為だったのね。
写真から消えかかっていたマーティの存在も、ここで完全に取り戻された。マーティは安心すると同時に、バンドメンバーに勧められてステージへ上がり、ギターで大パフォーマンスを披露。
観客を熱狂させたその演奏の直後、舞台袖でロレインと短いやり取りを交わす。別れ際にマーティが「おかげで色々学んだ」と言うけれど、その言葉には何が込められていたのかな。
1985年の両親は光を失っているように映っていたけれど、かつては違った。少し踏み違えただけで、ちょっとくすぶっているように見える人たちにだって、かつて輝く時間はあったのだと思うと、マーティも胸が熱くなったのかもしれないわ。
別れは名残惜しかったけれど、未来を取り戻した喜びは大きい。次のシーンではマーティがドクに向かって「父さんがビフを一発で倒したんだ!」と声を弾ませる姿が描かれる。
強い父親を見られた喜びにあふれていたの。でもそんなマーティにドクは「一度も逆らったことがなかったのか」と問いかける。
マーティは「一度も」と答えるけれど、その瞬間に頭をよぎったことがあったみたい。もし本当に1985年まで一度も抵抗していなかったのなら、今回の一発で歴史が変わってしまったかもしれない。
そう直感したと思うの。けれど今はそれを深く考えている余裕はない。ひとまずはスルーしたようね。因みに、マーティが魅惑の深海パーティにロレインともなって現れる際に使用した車は、ドクから借りたものだったらしいの。
当時のアメリカでは最高級車っていう位置づけの車だったらしいわ。ママは車には詳しくないからよくわからないけど、でも、高級感はあったわよね。
だからどこから調達したのかしらって思ったんだけど、やっぱりドクはお屋敷に見合っただけの暮らしぶりをしていたみたいね。
相関図④|時計台の雷と未来への帰還
いよいよ物語はクライマックス。時計台前、雷をうまく受け止めて現代へ戻ることができるのかという瀬戸際で、次から次へとアクシデントが起こるの。
ケーブルが途中で外れてしまうわ、嵐の中で風は強いわで、見ている方も手に汗握る展開。そんなドタバタの中で、マーティにはドクに伝えなければならない大切なことがあった。
それはドクに宛てた手紙にしたためられていたわ。未来でドクが殺されることを警告するその手紙を、ドクは一度はビリビリに破いてしまう。
未来を知ることを拒絶する彼らしい(?)選択。でもあの場面、風がかなり強く吹いていた。破った紙片がそのまま飛ばされてしまうんじゃないかとヒヤヒヤしたのを覚えているわ。
ところが、ちょうどワイヤーの接続が外れてしまうアクシデントが起きて、ドクは紙片をとりあえずコートのポケットに突っ込むのよね。
結果的にそのアクシデントがドクの運命を生き延びる方向に導いたの。もしワイヤーが外れなければ、手紙は風に散ってもう二度と彼の目に触れることはなかったかもしれない。
未来を生き延びる鍵は、偶然に見えて必然のようにドクの手元に残ったのね。でもそれを知らないマーティは絶望の中でそれでも頑張った。
ドクはタイムマシンの時間設定を、マーティが現代から1955年にやって来たその瞬間に合わせていたけれど、マーティは機転を利かせて10分前にずらす。
少しでも余裕を作り、ドクを救おうとしたの。大雨と雷鳴の中、ドクは切れたワイヤーを命がけでつなぎ直す。マーティはアクセルを踏み込み、デロリアンは稲妻が走る瞬間に見事に未来へ飛んでいくの。
現代に戻ったマーティを待っていたのは、やはり過激派の襲撃シーン。必死でドクを救おうと駆けつけるけれど、銃声が響き、ドクは撃たれてしまったかのように見える。
ところが彼は生きていた。コートの下にはマーティの手紙が貼り合わせて残されていて、ドクはその警告を信じて防弾チョッキを着ていたの。
未来を知ることを拒んだ男が、結局は友情に折れてマーティの言葉を受け止めていた。その姿にマーティは心底安堵。二人の絆は時を超えてさらに硬いものになったみたいね。
そして迎える1985年。家に戻ったマーティは驚く。かつて弱々しくビフに支配されていた父ジョージが、自信に満ちた大人に変わっている。
母ロレインも幸せそうで、家族の暮らしはすっかり明るく豊かなものになっていた。ビフは逆にすっかり腰の低い存在になり、ジョージに使われている。あのダンスの夜、ジョージが勇気を出してロレインを守ったことが、未来を根本から変えてしまったのね。
輝きを失っていた両親が、かつての輝きを取り戻し、マーティが見たかった「本当の父と母」の姿を取り戻していた。
未来を守るために走り抜けた数日の冒険は、一区切りを迎えるけれど、デロリアンのドアが再び開き、ドクが「未来へ行くぞ!」とマーティを誘うシーンが次の冒険を予感させる。映画の幕を閉じながらも心を高鳴らせてしまう、最高のエンディングだと思うわ。
今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。
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