世界一のチョコレート工場と、貧しいけれど心が満たされた少年チャーリー。
なぜ彼だけが、あの特別賞にたどり着くことができたのでしょうか。
物語に散りばめられた“違和感”をたどりながら、相関図と一緒に考えてみました。
相関図①|なぜ幸運は、チャーリーのもとに用意されていたの?

オープニングから、まったく人の気配を感じさせない。
ウォンカのチョコレートは淡々とラッピングされ、専用の配送車に自動的に積み込まれていく。
実はこの映画、冒頭でこんな風にナレーションが流れているの。
「チャーリーは世界一の幸運をつかむ・・・」って。
チャーリーの家は、その日の食事にありつけるかどうかもままならないほどに貧しくて、その切ない日常も描かれるんだけど、実は、もう幸運を手にすることは約束されているのよね。
チャーリーの家にはおじいさんとおばあさんがそれぞれ二人ずついるの。お父さんのご両親がジョーおじいちゃんとジョゼフィーンおばあちゃん、お母さんのご両親はジョージおじいちゃんとジョージーナおばあちゃん。
チャーリーと一緒にチョコレート工場に行ったのは、ジョーおじいちゃんね。
おじいちゃんおばあちゃん、それぞれにとっても個性的なキャラをもって描かれるんだけど、ママのお気に入りは、ジョージーナおばあちゃん。
耳が遠くて、いつもすっとぼけたような受け答えをするの。
ウィキペディアにまとめられた内容によると、彼女が時折チャーリーを励ますような言葉をかけるんだけど、その内容は、その後に彼の身に起こることを予知しているかのような内容になっているって書かれてるの。なんか面白い。
チャーリーのお父さんは歯磨き粉工場で働いている。
でも、お給料はいいとは言えなさそうな雰囲気。
そのうえ、リストラにまであってしまうの。
そんな環境で、おもちゃを買ってもらえないチャーリーは、お父さんが工場から持ち帰った歯磨き粉のキャップなんかをうまく細工して、ウォンカのチョコレート工場再現したようなたいそう立派な模型を作ってる。
町を支える会社というだけで、子供がその模型をつくったりするかしら?と、何か特別なつながりをこんな冒頭から感じさせるのよね。
ところで、ジョージおじいさんをはじめ、おじいさんお婆さん、みんな90歳を超えているっていうのが原作からの情報のようなんだけど、15年ほど前には、この世界最大のウォンカのチョコレート工場で働いていたって言うのよね。
ということは、75歳も超えて、その工場で働いていたっていうことね。
世界一の向上が竣工したときには、みんな大喜びしていた。
それほど愛される何かがあったチョコレート工場だったのね。
ところが、その独創的なチョコレートで世界一に上り詰めたウォンカを妬み、レシピを盗んでマネをする者たちが現れた。
そして、きっと、そんな裏切にショックを受けたのかしらね、ウォンカは心を閉ざし、工場の従業員全てを解雇してしまったの。
でも、ウォンカが工場を閉鎖する時、もといた従業員に向けてつぶやいた言葉、I am sorry…がほんのわずかな時間だったけど、なんだか寂しく響いていた。
彼はこの後、ウンパルンパに出会うことになるんだけど、彼にとっては、人との関わりが彼の心の中にあけた大きな穴を埋めてくれる存在になっていたみたい。
ウォンカがね、町中に張り紙を出したの。
金の当たり券が入っていたら、工場に招待、さらにそのうちの一人には特別賞があるんだって。
もう世界中の人が、ゴールドチケットの獲得を願いながら、それぞれの懐具合に応じて、それはもう凄い、争奪戦ともいえるくらいに熱狂してるの。
工場に招待されることだけで、そこまで熱狂できるような不思議に満ちた工場だったってこと?
それとも、何がもらえるのかもわからない特別賞、ウォンカだけに半端ではないに違いないという期待感?
この熱狂ぶり自体がちょっと不思議な情景ではあるんだけど、みんな必死。
チャーリーにとっても、それは大変な楽しみ。
だって、いつもは歯磨き粉のチューブキャップであんな風に喜べるんだから、彼の想像力をもってしたら、ウォンカの素敵な(?)企みは、とんでもなく楽しみな出来事に違いないわよね。
彼は、目の前に現れた状況や出来事の全てを、自分以外の誰かと分かち合うことの喜びというのを知っているみたいね。
早々に、ハズレくじと分かったチョコレート、おじいさんたちは孫の落胆を案ずるような表情をしていたけど、チャーリーは、そのチョコレートをみんなで分けて有難くいただこうと、もう気持ちを切り替えていた。
もちろん、残念な気持ちはあったに違いないけど、彼にとっては、そんなことよりも、今、目の前に与えられたものを分かち合うことの方が大切だったのよね。
この子のもとに、奇跡が舞い込むことはもう約束されていたんだけど、こんないい子はそうそういないわよね。
ウォンカの特別な贈り物にふさわしい子。
ウォンカは、勝ち残る子が、これほどまでに優しい子ではなくても、特別賞をあげるつもりだったのかしら?
みんな知っての通り、彼の特別賞って、ウォンカのチョコレート工場を丸ごと与えるというもの。
もし、欲にまみれたような子しか招待することができなかったら、彼はどうするつもりだったのかしらね。
ところで、1枚目の金のチケットが見つかってから、次々に当選者が発表された。
チャーリーは、通りすがりの人が「最後の一人がロシア人だった」って話すのを聞いてしまったの。
ちょっと気落ちした表情を浮かべたチャーリーだったんだけど、この後、視聴者がちょっと疑問に思うシーンが描かれるの。
道に落ちていたお金を拾って、それでチョコレートを買うの。
それはもちろん、チケットが当たることを期待して買っているように描かれるんだけど、チョコレートを買いにお店に飛び込んだのは、5人目の当選者が確定したという立ち話を聞いた直後で、それ以上の情報はまだなかったのよね。
その後、その店の中で、そのロシアの1枚はニセモノだとわかったのよね。
おわかりよね。なぜ落胆した状況で、チョコレートを買おうとしたのか?これが視聴者の疑問として挙がっているの。
ママ的にはね、奇跡が起こる時ってこんなもんなのかなっていうのが疑問に対する答え。
いくつものあり得ない状況が、何事もなかったかのように起こって、その奇跡が起こる状況が整ってしまうの。
チャーリーは、拾ったお金でチョコレートを買うような子ではないわよね。
それが、ためらいもなくお店に行く。
しかも、今、チョコレートを求めてお店に行かなければならない理由はない。だって、もう当たりくじは無いんだもの。
それなのに、なぜだかそこに行ってしまうのよね。
いつも言う、ママの奇跡が起こる前提に照らしてここまでのシーンを改めて見てみると、ここに奇跡が起こった原因は次のようなことだったんじゃないかな。
チャーリーは、家族のみんなが、チャーリーが当たりくじを引き当てることを願ってくれているのをしっていた。
でも、当たらなかった。自分自身の落胆も多少はあるんだろうけど、チャーリーは、自分が当たりくじを引き当ててよろこぶ姿をみたがっている両親や祖父母の気持ちを思いやっていたんじゃないかな。
そんな、両親や祖父母の気持ちを叶えてあげたい。
自分以外の人のことを一番に考えていたんじゃないかな。
その証拠は、この映画の最後近くに描かれるわよね。
家族と一緒にいられなくなるのなら、特別賞である、ウォンカの工場はいらないって言うの。
彼にとっては、家族と一緒にいること、家族のみんなが幸せを感じてくれることが一番大切だったんだよね。
そんな優しい気持ちを神様が見逃すはずはないのよね。
だから、そこに奇跡が舞い降りてきた。
奇跡のことだから、拾ったお金でお店に飛び込むのは、いけないことだっていう思いも、ここでは彼の頭の中に湧き上がらないように制御されていたのかもしれないわね。…でも、それって、だめなんだからね。。。(苦笑)
相関②|チャーリーとウォンカのつながり
さて、工場の中に案内された子供たち5人とその付き添い。
体裁は工場の中の隅々まで、ウォンカ直々に案内してくれるというものなんだけど、各ポイントでは罠でもないんだろうけど、結果的には子供たちが順にふるいにかけられたかのような出来事が起こるの。
まず最初にふるいにかけられたのは、オーガスタス・グループ。
チョコレートの川に落っこちてしまう。
みんなを乗せている船を大人数でこいでいるのはウンパルンパ。
チョコレート工場と銘打たれている映画や原作で、その存在の設定や解釈が分かれているみたいなんだけど、ママ的には、あの余りの小ささや、みんなが同じ顔をしているというところからも、妖精という設定がしっくりくるんだけど、この作品についての情報を見る限り、小人という設定みたいね。
でも、このチョコレート工場自体とってもミステリアスだし、さらに言えば、ウォンカもとっても不思議な存在よね。
この船に乗り込んだとき、ウォンカはチャーリーの隣に座って、「お腹すいてるんだろ」って、チョコレートの川からそのチョコをくみ上げて差し出すの。
なんか最初からチャーリーのことを理解しているみたいに描かれる。
何か、目に見えないもので結ばれた者同士という感じがするのよね。
ウォンカは、家を出てから今日まで、子供の時のことを思い出すことってなかったようなの。
今日、工場を案内しながら子供たちから質問を受けるたびに、過去のフラッシュバックが起こっていた。
子供たちは、思い思いに質問をするんだけど、「なんで5人の子供を招待したんだ」ってチャーリーが尋ねるの。
彼を遮るように、別の子供たちが特別賞って何なんだ?とかいろんなこと尋ねるんだけど、それらの問いには、チャーリー、どうもまともにうけこたえってしてないのよね。
ところが、チャーリーの質問に対してだけは、まともにうけこたえをしようとしたり、応える代わりにこどものころの想いやらできごとやらの記憶がフラッシュバックしているようなの。
このチャーリーとチョコレート工場って言う物語、きっと、ウォンカが父親との失われた関係を取り戻し、そしてチャーリーの家族との間に、あらたな「家族」というものの暖かな関係を得るというものなのかなと思ってるんだけど、やっぱり、チャーリーは元々運命的に結ばれていた子供だったように思うのよね。
チャーリーが引き金になってのフラッシュバックがなければ、捨て去ってしまった父親との関係を思い出すこともなかったのかもしれないと感じたわ。
相関③|特別賞とその条件
チャーリーは、おじいさんとウォンカと共に、透明エレベーターに乗って家まで戻ってきた。
そこで特別賞が何なのか明らかになった。例のチョコレート工場をチャーリーに譲るという話ね。
でもそれを聞いたおじいさんたちは信じられない。
ウォンカは、いきさつを話して聞かせるの。それは、お告げによるものだって。
散髪をしていた時に見つけた一本の白髪。その白髪が彼の頭の中に、後継者を見つけなければという思いを起こさせたというの。
自分が死んでしまったら、愛するウンパルンパと工場は誰が守るのかって。
でも、条件があったの。家族は置いていかなければならない。
ウォンカに言わせれば、年老いた家族は足手まといになるんだって。
自分は家族を捨て、一人で成功したって。
家族を捨てることが、彼の中では成功の条件になっていたみたいね。すくなくとも、今その時までは。
工場に行ったら、もう家族に会えないの?と尋ねるチャーリーに、ウォンカは相も変わらず「そう、厄介払いできる」って応える。
わかりやすいわよね、チャーリーにとって。
厄介払いなんて言われた日には、迷う間もないどころか、あのチャーリーがカチンと来たみたい。
でも、その言葉「厄介払い」という言葉のチョイスそれ自体が、二人にとって運命に導かれたものだったようにも思う。
ウォンカは、自分がかつて家族に抱いていた気持ちを、わかりやすい言葉として言い表すことができた。
チャーリーは、それはとんでもないことだと反応することで、それがどういうことなのかウォンカに伝えるチャンスを得た。
「厄介払い」という言葉のチョイス自体が神がかっていたのかもしれないわね。
なぜ神がかった言葉が必要だったのか、ウォンカがこの後つぶやく言葉が説明していたわね。
「Weird」とは奇妙だ、変だ…そんな意味の言葉。
ウォンカにとって、家族を大切にするなんてことは、奇妙極まりないことだったのよね。
ウォンカとチャーリーはここでいったん決別したかに見えた。
でも、これこそが、ウォンカの学びだったんじゃないかな。
彼はその後、ひどい気分で毎日を過ごしていた。
彼は、自分がひどい気持ちでいることを、仕事を通して認識した。
これまで、何をやってもうまくできたお菓子作りが、このところ全くうまくいかない。
彼は気づいた。
これまでは、いつも気分よくいたからうまくいっていた。
でも今はひどい気分で過ごしているから、ひどいお菓子しかできないんだって。
でも、彼が、以前には気分よく過ごしていたって言うのは、彼の勘違いね。
家族を捨てる前の父親に対するひどい想いとかそういったものを、心の奥底に閉じ込めて思い出せないようにし、しばらくの間、忘れていただけなのよね。
本当なら、まだ一緒に過ごして、お互いに愛情を確かめ合うべき人との関係を、無いものとしてしまっていた。
それは、そのままにしておいてはならない思いなのよね。
チャーリーとの出会いは、それを記憶の底から呼び戻すために運命的に導かれたものだと思うの。
そして、チャーリーとの関わりの中で、彼はその忘れ去っていた思いを思い出し、気分がすぐれなくなっていた。
そしてチャーリーのもとを再び訪れ、彼に尋ねるの。
その晴れない気分を癒すことのできるものはないのか?って。
チャーリーは即答したわ。「家族」って。
もちろんこれは、ウォンカが抱えていた問題に対する答え。
人それぞれに、心の奥底に眠る問題は異なった形をとっているし、それを顕在化させたり、解消するための答えとなる形も異なる。
ウォンカにとっては、家族との関係がそれであって、チャーリーはその答えをウォンカにわかりやすく示すことができる家族という形をもっていたということね。
この二つが、運命的に結びつけられたということじゃないかな。
色んな妄想を膨らませながら、2時間弱をチャーリーやウォンカと共に旅するんだけど、家族が住む家というのも、これまたまた不思議な感じで描かれてるのが印象的。
ウォンカのお父さんが営む歯医者さん、もともとは、横長のビルの中の一部として描かれているんだけど、チャーリーが家を飛び出して、各国を旅して戻ってきたとき、お父さんが住むその一角だけが、ビルの中から消失していたの。
まるで2棟のビルが並んで立っているように描かれていたわね。
あのシーンを、戻る家を無くしたチャーリーの心の中のトラウマを表していると説明してくれる記事とか、いろんな考察があるわね。
ママ的にはね、もしかしてもしかすると、歯医者のお父さんって、チャーリーが旅から戻ってきたときにはもうお亡くなりになってしまってたのかも..なんて妄想も膨らんだ。
エンディング近くでね、その失われた歯医者のビルの部分だけが、荒涼とした丘の上のようなところにぽつんと立っていたの。
ウォンカのあの透明なエレベーターなら、もしかするとあの世の世界にまで飛んでいくことが可能なんていう、奇想天外な設定もありなんじゃないかななんて思ったり。
それにエンディングで、チャーリーやウォンカがおじいちゃんおばあちゃんたちと食事をしていた、あの傾いて倒れかけたようなあの家。
まるでお菓子が溶けかけて倒れそうになっているようにも見えるんだけど、あれが建っていたのは、チャーリーのチョコレート工場のなかを思わせる場所だったのよね。
屋根にかぶる雪はお砂糖なのね。
なんだか見返すたびに、新たな発見が見つかるこの映画。
まだまだ繰り返してみてみる価値がありそうね。
まとめ|なぜチャーリーは特別賞を獲得できたのか?
ママ的には、その答えはとてもシンプルに感じた。
チャーリーは元々、ウォンカにとって「特別」な存在だったから。
はじめから、チャーリーが特別賞を獲得するために開かれたイベントだったんじゃないのかな。
では誰がそのように仕向けたのって言うと、それは、「運命」とか神様というべきなのかな。
ウォンカにとって、過去に捨て去った思いというのは、彼の今回の人生で捨て去ってはならないものだったんじゃないかしら。
家族に対する暖かな気持ちだとかそういったもの。
彼はそれを捨て去ってしまったんだけど、チャーリーはそれを思い出させるためにこの世界に生まれてきたのかもしれないわね。
そのくらいに考えても不自然ではないほどに、チャーリーとウォンカの間には強いつながりがあるように描かれていたんじゃないかと思うの。
必ずしも、チャーリーや家族が貧しい境遇にいる必要はなかったとも思うけど、でも、その環境は、ウォンカとの出会いを自然なものにしていた。
もし、チャーリーのような優しい気質の子供が、幸せなお金持ちだったとしたら、今回のようなイベントに興味持たなかったかもしれないものね。
今回の出会いが自然に発生するように、すこしの間、貧しい境遇に置かれていたんじゃないかな。
チャーリー以外の子供たちが途中で脱落してしまうような、子供たちにとっては魅惑的な設備がいくつもあった。
でも、それらは自然にその子たちが特別賞の権利から遠ざかるきっかけとして運命が利用しただけで、なんか見ていると、ウォンカは参加者みんなの特質をあらかじめ知っていたかのようにも錯覚してしまうんだけど、きっと、そんなことはなかったんだと思う。
仕掛けは何でもよかった。4人の子供が脱落していくのは、最初から決まっていた運命だった。
チャーリーが特別賞を獲得するのも運命だった。
それは、ウォンカが、今回の人生で、忘れてはならないものを忘れたまま置き去りにしそうになっていたけど、運命はそれを許さなかったってことなのかも。。って感じた映画でした。
今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。


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