フィリップとオーロラの婚約から晩餐会の罠、マレフィセントのルーツであるフェニックスの真実、そして母娘の絆が試されるクライマックスまで、登場人物の思惑や関係性を相関図と共にわかりやすく解説します。
相関図①|フィリップとオーロラの婚約、マレフィセントの葛藤

映画「マレフィセント2」の幕開けに登場するのは、アルステッド国の王子フィリップ。前作「マレフィセント」にも登場した人物だけれど、今回は演じる俳優が交代していたのね。
前作ではブレントン・スウェイツが演じていたけれど、本作ではハリス・ディキンソンがフィリップを新たに演じているの。顔立ちや雰囲気が違うから、観ていて「少し印象変わった?」と感じる人も多いかもしれないわね。
アニメ版「眠れる森の美女」では、フィリップ王子は“真実の愛のキス”によってオーロラを目覚めさせた存在として描かれていたわ。でも実写映画「マレフィセント」ではそうはならなかったの。
妖精マレフィセントによってかけられた呪いを解いたのは、フィリップのキスではなく、母のような存在であるマレフィセントの愛だったの。この実写シリーズは「真実の愛」の意味を問い直す物語になっているのね。
その後5年が経ち、もちろん呪いはすでに解けてるんだけど、冒頭のシーンでフィリップがオーロラに合った場面で、彼は「この愛が真実なら、呪いや魔術に打ち勝てるはずだ」と言っているのよね。
ここで観る側としては少し引っかかるのよね。もう呪いは解けているのに、なぜ彼はそんな言葉を口にするのか。前作の記憶が完全に蘇らないまま、ママ的にはちょっと消化不良気味に物語が進行していくの。
このあと登場するのが、マレフィセントの忠実な従者であるカラスのディアバル。彼はマレフィセントの都合で時に人間になり、時にカラスに戻り、ある時には巨大な熊になったりとかしながら、前作から常にマレフィセントを支えてきた。
今回はフィリップがオーロラにプロポーズしたことを報告しようとするんだけど、もったいつけてなかなか言わないものだから、マレフィセントがしびれを切らして「フィリップが消えたの?」「フィリップが熱病に侵されたの?」と口にしてしまう。
あまりに辛辣な物言いに、一瞬「そんなにフィリップのこと嫌いだったの?」と思わされる場面ね。
一方で、フィリップの周囲からはムーア国に対する敵意が見え隠れする。特にフィリップと行動を共にする将軍は、あからさまにマレフィセントを敵視しているのよね。
どうやらアルステッド国では、マレフィセントのことが“恐ろしい悪”として伝えられているようなの。前作のラストで和解と希望の空気が描かれていたのに、5年後の人間の世界では再び彼女は悪者に仕立てられている。
その父である国王ジョンは、争いを好まない平和主義者に見える一方で、王としての権威には強いこだわりを持っているの。肖像画を描かせる場面では「王妃は自分の後ろに」と命じるなど、細かな言動からその性格がにじみ出る。
彼はオーロラとフィリップの結婚を強く望んでおり、それによって国同士の結びつきを強固にしようとしているのよね。ところが、その妻である王妃イングリスは違う。
彼女は夫に不満を募らせ、素直に従うようなタイプではない。表向きは結婚に賛同するものの、その裏には明確な策略を抱えているの。
特にマレフィセントを結婚の祝宴に招こうと半ば強制するくだりには、彼女の底知れぬ思惑を感じずにはいられないわ。
当然、マレフィセントは猛反対する。オーロラの相手が「人間」だから。彼女は人間の恋がいかに脆く、最後は悲劇で終わることを知っている。
オーロラもマレフィセントの考えを一応は理解しているんじゃないかな。一理あると感じながらも「彼にチャンスをあげて」と願う。ここには母娘のような絆が色濃く出ていて、オーロラがマレフィセントをただの“妖精”としてではなく、自分の家族として見ていることが伝わるわ。
場面はかわって城の地下の研究室へと移る。そこにはリックスピットルという妖精が囚われていた。彼はイングリスによって捕らえられ、牢獄同然の場所で妖精を滅ぼすための研究を強いられている。
彼自身も妖精であるにもかかわらず、残酷な扱いを受け、従わざるを得ない状況に追い込まれていたみたいね。
そんな中、標的にされているマレフィセントは、オーロラのために城へ出向く際の立ち居振る舞いを練習しているの。その健気なマレフィセントに、オーロラは角を隠すベールを差し出そうとするの。直前でためらいを見せたところがまだ救いだけど、ちょっとひどいわよね。
マレフィセントの角はいわば彼女の象徴みたいなところがあるし、それを覆うように勧めるのはちょっとね。でもマレフィセントは何のためらいもなく受け入れる。ここに彼女の変化と強さがみられるわ。
一度「真実の愛」にたどり着いた者は、それを失うことはない。マレフィセントはその証を態度で示してくれているように感じたわ。
相関図②|晩餐会の罠と新たな闇の妖精たち
アルステッド国の城に、マレフィセントとディアバル、そしてオーロラがやって来る。オーロラはムーア国の女王としての責任を背負いながらも、恋人フィリップとの未来にも希望を抱いている。
その思いに応えるように、マレフィセントは苦手な人間の場に身を置き、オーロラのために笑顔さえ作ろうと努力するのよね。
普段ならば威厳に満ちて感情を表に出さない彼女が、わざわざ笑顔を「取繕う」こと自体が異例のこと。母としての愛情を示す場面でもあり、彼女がいかにオーロラの幸せを第一に考えているかが伝わってくるのよ。
しかし、王妃イングリスの本心は別。彼女の胸にあるのは妖精たちを根絶やしにするという恐ろしい野望。この晩餐にマレフィセントを招いたのも、すべては計画の一環でしかない。
表面上は微笑みを浮かべながら、会話の端々にはマレフィセントを敵視する感情がにじみ出ているの。マレフィセントも当然それを敏感に察知して、言葉で応酬していく。
圧倒的な力を持つ彼女だからこそ、相手の挑発を受けても怯まず、場に応じて対処できるのよね。ただし、オーロラを貶めるような言葉や嘘にだけは耐えられなかった。
そして決定的な場面が訪れる。晩餐の席でイングリスの挑発に怒りを募らせたマレフィセントが、抑えていた魔力を解き放ってしまうの。
部屋中に魔力が駆け巡る中、国王ジョンが倒れてしまう。「私に何をした」と言い残して。その一言が事態をさらにややこしくするのよね。
もちろん真相はイングリスが何かやらかしたのに違いないんだけど、あの場にいた誰もが「マレフィセントが呪いをかけた」と信じてしまう。
ジョン王の言葉は翻訳のニュアンスの問題かと思っても、英語版でもそのまま「What has she done to me?」と語っているだけ。
結果的に、イングリスの狙い通りにマレフィセントは濡れ衣を着せられ、オーロラでさえ母のような存在を信じきれなくなる。この瞬間のマレフィセントの悲しみを思うと、胸が締め付けられるわ。
しかしイングリスの企みも完璧ではない。物語の流れの中で、悪だくみは必ず小さな綻びを見せる。眠りについた王を救う方法として「真実の愛の口づけを」と周囲がフィリップに促す場面なんて、まさにその象徴。
観客からすれば「またそれ?」と苦笑いする瞬間だけど、同時に“効かないに決まってる”と誰もが思うからこそ、イングリスの筋書きの脆さが浮き彫りになる。
そしてもう一人、物語に暗い影を落とす存在が登場する。イングリスの忠実な部下ゲルダ。彼は執事のように仕えながら冷酷な役割を担っている。
ジョン王が倒れた直後、マレフィセントが城から飛び去るところを鉄の弾丸で撃ち落としたのが彼女。鉄は妖精にとって致命的な武器。
ゲルダはその特性を利用した武器を大量に生産していたみたいね。その武器でマレフィセントを撃ち抜き、水中に落下させる。彼女もまさにヴィランの一角として描かれる存在ね。
そして、ここで物語は思わぬ展開を迎える。撃たれたマレフィセントを救い出したのは、彼女と同じ黒い翼を持つ妖精たちだった。
彼らは自らを「闇の妖精」と呼ぶ。かつては世界中に広がっていた彼らも、人間からの迫害によって姿を隠し、今ではひっそりとわずかな数が生き延びているだけ。
これがマレフィセントにとっては、彼女自身のルーツを知るきっかけとなるのよね。
闇の妖精たちの中にもさまざまな思想があるみたい。指導者的存在のようにみえるコナルは進歩的な考えを持ち、人間と共存する道を模索している。
一方でボーラは人間との対立を避けられないと考え、徹底抗戦を主張しているのよ。
マレフィセントを救ったのはコナル。彼はマレフィセントに人間との共生の可能性を見出そうとするんだけど、マレフィセントはオーロラにまで疑われ、心を深く傷つけている最中。まだ未来を見据えてコナルの話を聞ける状態ではなさそうね。でも、この出会いは彼女にとって新たな転機であったにちがいないわ。
相関③|フェニックスの血を継ぐマレフィセントとイングリスの真意
さてここで、マレフィセントのルーツが明らかになる。彼女の起源は不死鳥フェニックス。闇の妖精ダークフェイと呼ばれる者たちは皆、このフェニックスの子孫であり、長い歴史の中で少しずつ姿を変え、数世代にわたって進化してきたというの。
マレフィセント自身はその血を色濃く受け継ぐ存在であり、言い換えればフェニックスそのもの。彼女の内に秘められているのは生と死の力、破壊と復活を司る力だとされている。
けれど、この世界で最も偉大な力は「進化する力」なんだって。マレフィセントはオーロラを育てる過程で怒りや苦しみを超え、愛を見出した。
その経験こそが彼女を進化させたようなの。苦しみを抱えたまま封じ込めるのではなく、そこから愛を見つけ出すこと。それが進化であり、真の力だと語られているわね。
そのころ城では、イングリスの計画通りに事が進んでいた。王子とオーロラの結婚を祝う盛大な式典が開かれようとしていたけれど、実際は妖精を滅ぼす罠が張り巡らされていたの。
鉄と妖精の花から抽出されたエキスを配合した赤い粉が完成し、それを使って妖精たちを一網打尽にする準備が整っていたのよね。イングリスの冷酷な計画がついに現実のものとなろうとしていた。
ただ、その計画に思わぬ綻びが生じ始めたのはオーロラの直感だった。彼女は地下室への入口を見つけ、そこでイングリスの企みを目撃してしまう。
そういえば、マレフィセント1でオールらの指を刺した糸車と針、その行方というのは描かれていなかったわね。でもどうして糸車に近づいたときに、イングリスが国王の背中を刺した場面が映し出されたのかしら?
やっぱりそれは、呪いがマレフィセントのものだから、マレフィセントの思いがそこに宿って、隠されていた真実を見せつけたとかそういうことかしら。
オーロラは、ようやく、イングリスが呪いの糸車の針で国王を突いたことを知ったの。
しかし、このイングリスという女王、正体がばれた後の独演で、生い立ちというかつらい過去があったことは分かったけど、話はどこまでホントなのかしら。
飢餓に苦しむ自国からムーアの国に出向いたイングリスの兄が、妖精たちに殺されたと言っていたけど、それはまずない話だし、いったい彼女の兄になにがおこったんだろう??
ダークフェイが言うように、かれらもまだ、平和と共生のための最終進化を遂げなければならない存在というところを踏まえると、イングリスが言うように、彼女の兄は、望んだような援助をムーア国から得ることができず、自国に戻れなかった可能性も否定はできないわよね。
だとしたら、マレフィセントの映画が生まれたように、イングリスについても、一概にヴィラン扱いできないような背景ドラマがあるのかもしれないわね。
でも、この映画の中に限定させてもらえば、ママ的にはイングリスはとっても悪のヴィランよね。
でも彼女がヴィランだからといって、戦いで彼女を倒すことは望まないわ。それは、鉄のたまに倒れ死んでいったコナルや、眠りについたジョン王の願いでもあるのよね。彼らは進化を求めたのよね。だから私もそれに従うわ。
相関④|赤い粉の矢と不死鳥の復活、母と娘の絆の結末
イングリスの企みがついに表面化し、城内はなし崩し的に戦闘の場と化していく。ムーア国から集められた妖精たちを一網打尽にするため、赤い粉を仕込んだ兵器が次々に放たれる中、そこへ舞い降りるのはマレフィセント。
圧倒的な存在感を放ちながら、愛する娘オーロラを守るため、そしてイングリスの野望を阻止するために戦場へと飛び込んでいく。
でも、ちょっとしたスキを突いてイングリスが放った赤い粉を込めた矢が、マレフィセントの背中を直撃する。あの矢、彼女が身を挺してかばわなければオーロラに当たっていた。
母としての愛が示された瞬間だった。でもそれは、オーロラがようやく自分がマレフィセントのことを誤解していたと伝えた直後の出来事。二人がわかり合えたことを喜び合う時間も持てないままだったの。そんな状況のまま、マレフィセントが消滅していくのよ。こんな悲しいことある?
でも、そこはディズニー映画よね。いつまでも悲しみを引きずらせないわ。
マレフィセントはフェニックスの血を継ぐ存在。不死鳥は炎に包まれて灰となっても、そこから再び甦る。傷つき倒れたかに見えた彼女は、やがて力強く蘇り、母としての姿をもう一度娘に示すの。
思い出されるのは前作でのステファン国王の最後。あのときも彼は悪あがきのように執念を燃やして倒れていった。今回のイングリスもまた同じ。最後まで自分の誤りを認めず、救いのない行動を繰り返す。
城の高みからオーロラを突き落とすという暴挙に出たの。けれど、突き落とされたオーロラを救うのは母マレフィセント。巨大な不死鳥の姿となり、娘をしっかりと抱きとめる。地面に叩きつけられてもなお、威厳を保ち堂々と立ち上がる姿は圧巻だったわ。
クライマックスの後、登場人物たちの関係は一つひとつ理想形に落ち着いていく。マレフィセントとオーロラの母娘としての絆は完全に回復し、オーロラが抱えていたわだかまりも解かれる。
ディアバルとの信頼関係も深まり、彼がどれほど献身的にマレフィセントを支えてきたかが改めて浮かび上がる。
さらにフィリップとの関係も認められ、マレフィセントは彼を“オーロラを託せる存在”として受け入れる。
前作から続いてきた人間と妖精の確執は、ここで大きな和解に向かうことになるの。
また、地下で赤い粉の研究を強いられていた妖精リックスピットルも重要な役割を果たす。彼はマレフィセントに呪いの針を手渡すの。
この針の呪いは、ちゃんと破壊しておかなければ終わらないんだって。呪ってしまった結果は誰かの真の愛による奇跡によらなければとけることはなかったけど、針は、たんに呪いの道具に過ぎないということなんでしょうね。
呪いの主のマレフィセントがそれを手放した瞬間に、消えてなくなってしまったわ。そういうものよね。
ところで、ジョン王が眠りから覚めたんだけど、これは、ママの理屈で行くと、誰かの真実の愛のキスをうけなければ目覚めないはずなんだけど、なんで起き上がってきたのかなって考えていたの。
あの呪いは、マレフィセントがオーロラにかけた呪い。16歳になる前に発動する呪いだったのよね。あの老人のジョン王に、その呪いの文言はあてはまらないわね。
きっとあれは、呪いなんかじゃなくて、思いもかけないところで針でつつかれてショックで眠ってしまったとか、そんなことなのかな…って妄想してる。
きっと映画のストーリー的には、呪いの針が破壊されて、国王は目覚めたっていう設定なんでしょうけど。
でも、すべてが丸く収まって、ママ的には大満足のマレフィセント2でした。マレフィセントがあまりにかっこよくて、何ならマレフィセント3も作ってくれないかなって願ってます。
まとめ|マレフィセントとオーロラの関係が導いた結末
晩餐会でジョン王が「私に何をした」なんて紛らわしい言葉を残して倒れたとき、マレフィセントに濡れ衣を着せるイングリスの企みは見事に成功して、オーロラでさえ母を信じ切れなかった。
あのすれ違いの苦しさ、観ていて胸が痛かったわ。でもね、赤い粉の矢がオーロラに向かった瞬間、マレフィセントは迷わず自分の背中で受け止めるの。
無実を信じてもらえなかった悲しみよりも、娘を守る愛の方がずっと大きかったってこと。
不死鳥として蘇り、城の上から突き落とされたオーロラを大きな翼で抱きとめる母の姿は、もう完全に真実の愛だったわ。そして最後に、長く物語を縛ってきた呪いの針を自らの手で消し去った瞬間、過去と決別して未来を選んだのよね。
マレフィセントとオーロラの絆は試され、傷つき、それでも壊れずに進化していった。母娘のようなその愛こそが、人間と妖精をつなぐ鍵だったのね
今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。
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