ライオンハートは、自分のとった行動を単なる誤りといっていた。ヴィランのメイウェザーは、捜査の手が自分に近づいてくるのに捜査協力をしていた。そんな疑問も含めて、相関図と共にストーリーを追ってみました。
相関図①|ズートピアって何?

ズートピアってネーミング、なんなのかなって思っていたんだけど、どうやらこの映画の中の世界でも一部の特別なエリアを指して言っているようね。
生き物は昔からずっと、弱肉強食、肉食獣と草食獣みたいな分け方があるけど、ズートピアと呼ばれるエリアは、肉食と草食が仲良く共存できる世界が出来上がっているようなの。
この描かれている時代の動物たちにとっては、肉食が草食獣を襲って食べていたのはもう太古の昔というようなことを言っていたから、きっと、ズートピアに限らず、動物たちはお互いに食い合うということを既にやめてはいたのかもしれないわね。
そんな時代に生まれた一匹のうさぎの女の子が、より良い世界づくりを目指して、警察官を目指すっていうの。
でも、肉食であったことは昔とは言え、その名残を引きずっているかのように、いじわるをしてくる奴もいた。
きつねのギデオン。このお話の中では、キツネというのが一つのキーになっていきそうな気配。
ところで、この特殊な世界観はいったい何なんでしょうね。
主人公のジュディ・ホップスは田舎育ちで、ズートピアという大都会で警察官として活躍するのを夢見て上京していくお話し。
距離的には400kmにも満たないくらいしか離れていないジュディの故郷とズートピア。
なのに、状況途中の列車が走り抜けた世界は、真冬の雪景色もあれば、半そでで過ごす人がいたりと、それだけで、日本にいる私たちにとっては不思議な世界観。
ジュディが出向いた先、ズートピアは大都会。そして、住みかとして選んだ部屋は、なんだか田舎から都会に出てきて最初の部屋としてピッタリな感じの、隣の部屋の音に悩まされそうな、雑多な生活感があふれてきそうな環境なのよね。
なんか、マイケル・J・フォックスが主演してた「ニューヨークはバラ色に」でマイケルがニューヨークで最初に過ごしたアパートを思い出させるような雰囲気。
とても都会感が感じられていい感じ。都会の警察官としてやっていくって感じがよく出てるわ。
ジュディは警察学校を首席で卒業してた。うさぎの警察官なんて聞いたこともないし、ありえないとさんざん言われていたんだけど、子供のころからの夢をあきらめなかったのね。
お父さんやお母さんが、「私たちが幸せなのは夢をもたなかったからよ」とかなんとか言われながら育ったにしては上出来よね。
そんな彼女だから、警察に配属された初日だって、夢やプライドいっぱい抱えて職場に飛び込んでいったの。
でもね、そこで、割り当てられた仕事は駐車違反の取り締まり。
それだって立派な仕事だし、それに文句言うのどうかとは思うんだけど、たまたまね、その時、その街では、14人(匹)が行方不明になっていて、それを早急に解決しなければならないという状況だったの。
ジュディを除く他のメンバーは、その捜査が割り当てられていたのに、ジュディだけそんな扱いだったの。
当然、配属初日だし..とかいうのも考えられるんだけど、それが不当だと感じられるのは、その朝の集まりの冒頭で、新人の紹介はいらないよねって、本人も苦笑いでかわすにはしんどいくらいの対応をとられていたからなの。
学校では主席だったとか一生懸命アピールするんだけど、それがどうしたって取り合ってもらえない。
もちろん危険な職場で、仕事自体が危険を伴うからある程度の経験が…とかあるのは想像できるんだけど、明らかに、あれは「うさぎになにができる」っていう偏見を伴った対応だったんじゃないかなって思うのよね。
相関②|オッタートン失踪事件
でもね、その駐車違反の取り締まりを一生懸命やって、その時、その場所である出会いがあるの。
出会いといっても、恋愛につながるような素敵な出会いという訳じゃない。
そもそも、このジュディ、そんな色恋沙汰に関心あるようなところは全くないしね。
彼女が出会ったのは詐欺師のニック・ワイルドという名のキツネ。アカギツネという種別らしいの。
彼がねえ、なんだか詐欺師という割には、爽やかな印象なのよね。
もちろん、サギを働いてアイスかすめ取るとかやってるんだから、人の気を引く素振りというのはお手の物なんだろうけど。
言ってることも、相手の心を見透かしているような感があって、ジュディにとっても、どうにも無視しにくい存在だったみたい。
そんなジュディ、ある日、思いもかけないチャンスに恵まれることになるの。
業務命令違反で署内で署長のボゴから叱られていたんだけど、その時、例の行方不明14人のうちの一人の男性の奥さんと思われる女性が現れるの。
ボゴ所長は、その女性とまともに取り合おうとしなかったんだけど、ジュディが勝手に「私が探す」って言ってしまうの。
それをそこに居合わせたベルウェザー副市長が聞いて受け入れてしまったものだから、ジュディは48時間以内という条件付きなんだけど、捜索を行ってよいことになったの。
ただし、失敗したら警察をやめなきゃならないという約束付き。
そんないきさつでカワウソのオッタートンを捜索することになったジュディなんだけど、手掛かりが乏しい。
わずかに存在した写真に写っていたのが例のアイスキャンディをかすめ取った詐欺師のキツネニック。
ニックにエミット・オッタートンの所在を確認するために再びコンタクトをとることになったの。
詐欺師まがいの方法で、ニックに捜査の協力をさせることに成功したジュディなんだけど、ニック、思いもかけず、この町で顔が広いのよね。
しかも、そこそこまっとうな人との付き合いがありそう。その人脈のお陰で、何とかオッタートンの行方を知ることができたジュディ。
追っていった先でわかったのは、オッタートンはリムジンで運ばれた。
そして、理由はわからないけど、オッタートンが閉じ込められたと思われるそのリムジンの社内に無数の傷跡。
そこには、ニックがとても恐れるある人物、ミスタービッグというのが関わっていたらしいというところまで分かった。
それがわかってあわててそこから逃げ出そうとするニックなんだけど、時すでに遅し。
手下の白熊にとらえられたニックとジュディ。
ニックの恐れる様からミスタービッグ、何者?って思っていると、現れたのは小さな小さなモグラみたいな存在。
ネット情報によると、トガリネズミという種らしい。
なんでも、ニックはかつて、このミスタービッグの家族に対してとんでもない無礼というか、詐欺をはたらいたらしく、とても恨まれていたの。
ミスタービッグがニックの前に現れるや、氷漬けにしろって白熊たちに命じたの。
でも、ここでも偶然が働くんだけど、ミスタービッグの娘がそこに現れ、ジュディは自分の命の恩人だと告げるの。
そう、ジュディは確かにその娘がドーナツに押しつぶされそうになったところを助けたことがあったの。
そのミスタービッグがオッタートンととても親しい仲だった。
ある日オッタートンが、大事な話があると言い、ミスタービッグがリムジンを迎えとして彼のところにおくったの。
そしたら、のせていた彼が突然豹変し、運転手を襲ったかと思ったらそのまま姿を消してしまったんですって。
やさしいカワウソが突然豹変したことについて、映画を見た人なら、それがある毒によるものだということを知っているけど、このミスタービッグはなんか興味深いことを言っていたわね。
自分たちはもともとけものだ。進化はしたが中身は今も獣のままだって。
ちょっと異常なことがあると、そっちの可能性の方に行ってしまうのが、ちょっと人間社会とは異なるのかな。
人間の場合には、何かそうした事故があっても、野生が出たとは言わないものね。
ミスタービッグは、オッタートンの行方のことなら運転手のマンチャスに聞けばいいって、居場所を紹介してくれた。
訪れたマンチャスのところで聞いた「夜の遠吠え」。どうやらこれがキーワードのようね。
訪れてほどなく突然野生化したクロヒョウ、マンチャスにおそわれたジュディとニックだったんだけど、何とか辛くも逃げおおせた。
救援に駆け付けた署長たちにそのいきさつを問われ、野生化したクロヒョウに襲われたと訴えるんだけど聞いてもらえないジュディ。
それもそのはず。証拠となるクロヒョウマンチャスが、突然姿を消してしまったんだから。
署長はそれをジュディの失態と見たのかな、その場で警官をやめるようにジュディに詰め寄るんだけど、ここでニックがジュディの助けに回る。
さすがに口は達者。まだ48時間経過していないと言って、…なんだかとってもかっこいいんだけど。
正直なところね、この映画、涙もろいママでも泣いてしまうようなシーンはあまりなかったの。
でもね、ここでのニック、心開いたニックの態度にはちょっとグッとくるものがあったわ。
ここからはきっと、ニックがジュディをしっかりサポートする形で物語が展開するのね。面白くなってきた。
相関③|ベルウェザー副市長がジュディの捜査を支援したのはなぜ?
ニックがその生い立ちをジュディに明かした。
クロヒョウから逃れ、署長に反旗を翻し飛び乗ったロープーウェイの中。
心打たれたジュディがニックにやさしい言葉をかけると、ニックはその心の中に光が灯ったのを見透かされないようにするためなのか、おどけてみせた。
交通渋滞をレポートする交通情報センターのように。路上にむけられたカメラに映る渋滞をレポートしている。
そして、ニックにあるアイディアがひらめいたの。
ジュディが求めるオッタートンにたどり着くためには、まず、それと繋がるかもしれないクロヒョウ、マンチャスを見つけなければならない。
突如消えてしまったマンチャスを見つける手掛かりは、街中の監視カメラに映っているかもしれないと。
カメラが映し出した映像にアクセスするために頼った先は、ヒツジの副市長ベルウェザー。
映画を見た人ならすでにご存じの通り、このベルウェザーが実は14人の失踪事件の黒幕だったのよね。
でも、なんでこの副市長、自分に近づいてくる捜査官の手助けを進んで引き受けているのかしら。
狙い通り、マンチャスが突如消えた理由が映し出されていた。
マンチャスはオオカミたちに捕らえられていたの。
ジュディたちは、マンチャスがつぶやいていた「狼の遠吠え」とはこのことだったのではと考えた。
それが正解かはまだわからないけど、少なくとも、狼たちがオッタートン追跡のための足掛かりになることは間違いなさそうね。
カメラ映像を頼りにオオカミたちが向かった先を確認し、そこへ向かったジュディとニック。
そこにオッタートンはじめとする行方不明の14匹を発見。
ここで、思いがけないものまで見つけてしまう。市長のライオンハート。
ん?もしかして、ヒツジの副市長、メイウェザーはこの状況とライオンハートの関わりを知っていたということ?
それなら、メイウェザーがジュディたちの依頼を快く引き受けたのもうなずける。
ライオンハートが肉食獣のみんなを収監しているということが公になれば、彼の失職が確定的と読んでいたのかも。
でも、彼の14人失踪事件の関与は、悪意によるものだったのかも気になるところ。なんかそう感じてしまうのよね。
市長は事件解決に向けて各所にはっぱかけていたわよね。これはカモフラージュだったのかしら。
でも、なんかすべてを把握して行動していたとは思えないし、事実、なぜ凶暴化するのか原因はわかっていなかったのよね。
ジュディたちが潜入した時、市長はこの突然凶暴化する事象について、肉食獣に限って起こる可能性があることを初めて耳にしているようなの。
この施設の担当者は、この事実を早く公表すべきというんだけど、そんなことをしたら肉食獣である自分の立場がなくなることを懸念している。
でも、今その推測を耳にしたばかりなのに、なんで凶暴化した14人をこんなところに隔離、隠ぺいしておく必要があったのかしら。
その理由がまだ謎のまま。
市民の危険を回避するために確保、隔離したというのはまあいいとして、それを秘密にして追う必要はどこにあったの?
施設担当者に、肉食獣限定とかいう可能性を聞かされる前から、自分自身、例えば、ニックが子供のころ経験したように、何か偏見による不利益というものを経験していて、心の奥底でそれが自分の行動を制御していたとかそんなことなのかしら。。。
そして、そのすぐ後にライオンハート市長は逮捕されることとなり、事件を解決した巡査として、ジュディはマスコミの前に引っ張り出された。
でもね、ちょっといらぬことを口走ってしまう。肉食獣は生物学的に凶暴化する可能性があるのかも…みたいなことを言ってしまうの。
少なくとも、ニックに対しては、自分のパートナーになってほしいと願っていたり、普段の生活の中で、もともと肉食獣と呼ばれていた種族を恐れたりしている風はなかったと思うの。
でも、もしかすると、少女時代にキツネから受けた嫌がらせなんかが、心の奥底にトラウマとして根付いてしまっていたのかしら。
そのインタビューを目の前で聞かされてしまったニックは、ジュディのもとを去っていった。
大きな存在を失って初めて、ジュディは自分が犯したミスに気付いたみたいね。
ライオンハート市長は逮捕され、ベルウェザー副市長が代わりに市長の座に就いて、ジュディの活躍をたたえていたわ。
ジュディは、自分の発言が市民をバラバラにしてしまったといって、責任を感じ、警官の職を辞して故郷に帰ったの。
でも、それも事件解決へ向けて用意されていた道なのかもしれないわね。
そこで、凶暴化の秘密が解き明かされたの。
それは植物のドクによるもので、肉食獣に限らず、草食獣も凶暴化するというもの。
ではなぜ、ここまで肉食獣のみが凶暴化していたのか。ジュディはそこに何かの陰謀を感じ取ったようね。
今、自分がなすべきことを見つけて、以前の元気を取り戻した。
もちろん、自分の過ちが正当化されるわけではない。
逆に、完全に誤りであったということが明白になった。
彼女がなすべきことは、自分の思い違いから傷つけてしまったニックへお詫びすること、そして、ばらばらにしてしまった市民たちに本当のことを告げるために、その事実を公のもとに明らかにすること。
そして、そのためにはニックが必要といって、ニックを求めて街に戻ったの。でも、…ニックが必要?
まあ、ニックへのお詫びはもちろん必要なんだろうけど、事件の真相を明らかにしていくために、ニックは必須ではないかもしれないわよね。。。
ちょっとそんなふうにも思ったんだけど、でもまあいいか。
実際、ニックは、証拠を署長の元へ運ぶために、大活躍したんだから。
証拠の品、その毒の草をもう少しで警察署長のところに届けられそうなところで、現市長が現れた。どうやら、本当の黒幕は、この市長を含めた羊たちだったようね。
人口的に圧倒的多数を草食獣が占める街から肉食獣を排除してしまうことで、草食獣の天下を築こうとしたのね。そのために、肉食獣に毒を放ったという訳。
相関④|ライオンハート市長の「目的は正しいがやり方を間違えた」発言
ベルウェザー市長が逮捕され、一連の事件関係者へのインタビューなどが行われていたんだけど、ライオンハート前市長のインタビューがなんか引っかかるのよね。
目的は正しかったがやり方を間違えたって。
まあ、確かにそうなんだろうけど、なんか、釈然としないのよね。
そんな間違え方するかなって。
一人目の凶暴化が起こったとき、誰にもわからないように隔離する理由ってある?って気がするのよね。
あるとしたら、やっぱり、肉食獣の凶暴化…というのが、同じ肉食獣である自分に対するマイナスイメージにつながってしまうということくらいしか、ママの乏しい想像力では思いつかないのよね。
もしそうだとしたら、ものすごく利己的な理由によるもので、ベルウェザーの企みとは無関係だったとしても、どちらかというと笑顔とも取れるような表情でインタビューに答える彼の心理状態が理解できないわ。
最後にね、警官になったニックの初出勤の場面が描かれてた。
例の水牛所長が、またあのいけ好かない一言を言うの。
初めて署に加わったものもいるが、紹介の必要もないだろうとかなんとか、例のジュディ初出勤の時にも言ったあの言葉をね。
でも、今回、茶目っ気たっぷりに、それはジョークって雰囲気を作り出すの。
ママ的にはね、まだすごーく懐疑的に見てるのよね。
さっきのライオンハート前市長の発言とかまだ引きずってる。
ジュディ出勤初日に警察署長が言ったあの言葉、「今日来た新人の中にはうさぎ初の警察官もいるが、どうでもいい」って。
あれ絶対いけずだったと思うのよね。
でも、そんなイケずしたことを、今回ニックに対しても同じ言葉を再び引用して、そのあと、和やかなムードにすることで、前のジュディに対する言葉もジョークだったって風に、過去まで書き換えてしまおうというたくらみだったんじゃないかしら(笑)。
めっちゃ懐疑的すぎて、自己嫌悪になりそうだけど、そのあと、ジュディが公にいっぱいいいこと言っていたから、なんとかそれをよく聞いて、気分を立て直そうかな。
なんか、ちょっと心のもやもやで、あんまり耳に入ってこないんだけど(笑)。
まとめ|
うーーーん、この映画、何回か見たんだけど、結局なんでベルウェザーはジュディたちの捜査に好意的に手を貸していたのか、そして、ライオンハートの対応とそれについて「単なる誤り」と言い切った心理が明確には読み切れなかった…。また、このあたりの考察が進んだら、アップデートしてみたいなと思っています。
今日も最後までご覧いただいて、ありがとうございます。


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