この記事は冒頭からネタバレ情報を含みます。未視聴の方はご注意ください。
『モンスターズ・インク』って、子どもを怖がらせて悲鳴を集めるモンスターの世界のお話ですよね。
でも、見ていくうちに、その世界の常識が少しずつ揺らいでいくの。
きっかけになったのは、人間の女の子ブーの存在。
この記事では、相関図とあわせて、ブーがモンスターの世界にもたらした変化をママ目線で追ってみました
相関図①|ブーがモンスターワールドにもたらしたもの
この作品の面白さって、まず「悲鳴がエネルギーになる世界」という大胆な設定なのよね。
子どもたちを怖がらせ、その叫び声で社会が回っている。
ちょっと突拍子もないようでいて、恐れや不安が世の中を動かしてしまうことって、現実でもなくはないのかもしれないわね。
その中心にいるのが、Monsters, Inc.の名コンビ、サリーとマイク。
サリーは現場のスター、マイクは頭の回る相棒。見ていると、ただの同僚というより、長年連れ添った相棒のような空気すらあるのよね。
そこへ対抗心むき出しで現れるのがランドール。
能力はそれなりに高いのに、どこかねじれてしまっている感じ。
そして、この完成された世界に入り込んでくるのがブー。
天真爛漫で、怖がるより先に好奇心で動く子なのよね。
モンスターたちが「人間の子どもは危険」と信じ込んでいる世界で、ブーの存在はその常識を根っこから揺さぶっていくるの。
恐怖で成り立っていた社会に、笑顔や無邪気さが入り込むと何が起きるのか。
ブーはただ迷い込んだ女の子ではなく、モンスターワールドの価値観そのものを変えるきっかけだったのよね。
ママ的には、この作品って「怖がらせる側こそ、ほんとうは怖がっていた」という物語にも見えるの。
だからこそ、何も知らずに笑えるブーの存在が、あの世界にはまぶしかったのかもしれない。
相関②|ランドールと社長の相関
でも、ブー、どうもモンスターのことを何とも思っていないわけではなさそうなのよね。
サリーのベッドで眠ろうとするブーなんだけど、ちょうど向かいにあるクローゼットが気になってしょうがないの。
なぜかって?
元々ブーは、ランドールが担当だったのよね。担当っていうと変なひびきだけど、つまり、ランドールが驚かせようとしていた対象ということね。
過去にはランドールがクローゼットの中から現れて、それを見たことがあるような感じを受けたわ。
ランドールそっくりの絵を描いて、まるで、こいつが出てくる!ってサリーに伝えるかのように訴えてたの。
ここまで、とっても天真爛漫に見えてたブーだけど、実は、怯える時は、ものすごい勢いで泣き叫ぶ子だったのかも。
だから、ランドールは、その子の部屋の扉を、業務時間外に持ち出して、点数稼ぎをやろうとしていたのかもしれないわね。
でも、サリーに対しては、何か全く違うものを感じ取っていたのかもしれない。
サリーって、とっても優しいじゃない。
ブーに対してもそうだけど、マイクや、インクの仲間たち、それにランドールに対してだって、優しく接していた。
本当に優しいモンスターだったんだね。
サリーは、ブーが危険な存在じゃないと感じ始めたみたい。
一方で、ランドールも必死だったのよね。
この映画の中では、完全悪役キャラなんだけど、でも、なんだかちょっとスケール感小さくない?
その動機も小さければ、自分の責任を問われることに、ものすごく怯えていたり。
小物のワルという感じよね。
実は、次作のモンスターズ・ユニバーシティで描かれる学生時代(モンスターズ・インクの前日譚)には、こんなキャラではなかったのよね。
どこでこんなに歪んでしまったのかしら。
学生時代のランドールって、ちょっとマイクと似たようなところがあるように感じた。
なんかね、地味にまじめに、一生懸命なのよね。
でも、ちょっと違ったのが、マイクはときに開き直ったように前向きに考えたりする面があるの。
だから、大きくゆがむことがなかったのかなとも思うんだけど、ランドールは結果や評価に強く縛られてしまったようにも見えるのよね。
必死にそうしてるだけかもしれないけど。
でも、何のはけ口も見つけられず、悶々と心配し続けるよりはましかも。
そして見えてくるのが、ランドールと社長の相関。
成果を求める者と、会社を守りたい者。
利害が一致した時、人って思わぬ方向へ進んでしまうことがあるのよね。
ランドール一人ではできないことも、後ろ盾があると暴走してしまう。
さらに悪いことに、モンスターズ・インクの社長は、ランドールと手を組んでいたの。
相関③|CDAの潜入捜査とモンスター社会の裏側
サリーは、ブーと出会ったことで、大きく心が揺れ始めたように見えるのよね。
その姿にマイクは、これまで築き上げてきたすべてを投げ出そうとしている心変わりのようなものを感じたのかもしれないわね。
もしかすると、サリーは、ブーが怯える姿を見て、自分がこれまでにやってきたすべてのことを否定したいような気持になっていたのかも。
人を怖がらせること、それがいったい何を生み出すのか。
モンスターワールドのエネルギーを生み出していると思っていた。
たぶん、それに誇りのようなものも感じていた。
でも、それは、誰か別の人が怯えることによって、奪い取ったようなエネルギー。
そんな言葉になって、サリーの後悔となっていたのかどうかはわからないけど、言葉にならずとも、そんなことを漠然と感じていたんじゃないのかな。
それにしても、この世界の扉の設定って面白いのよね。
子どもたちの数だけ扉があり、モンスター側からはその先へつながっていく。
ありえないようでいて、妙に納得してしまう不思議な発想だわ。
見えない世界を信じる人からすれば、心のすき間に何かが入り込む、そんな感覚にも重なる設定なのかもしれないわね。
サリーは、たまたまブーと出会った。
でも、その偶然の出会いが、サリーの心の中に光を灯したってところかしら。
ところで、CDAのボスが言っていた、2年半前から始まった潜入捜査。
なぜそこまで大がかりな捜査が必要だったのかなって調べてみるんだけど、答えははっきり見つけられなかったの。
黒幕が社長であったことがわかってよかった、という流れを見ると、何か以前から不審な動きがあったはずなのよね。
エネルギー調達の方法そのものは公然の仕組みとして存在していたわけだから、それ以外の事件性を感じさせる何かがあったと考える方が自然にも思えるの。
するとやっぱり、例の悲鳴吸引機。
CDAが潜入捜査をする必然性を考えた時、映画の中で示される材料として一番それらしいのは、この装置くらい?
社長は過激な発言までしていたし、実験段階から何らかの怪しい動きが察知されていたのかもしれないわね。
子どもたちに被害が及ばないよう、特別大がかりな警戒網を築いていた――そんな見方もできそうよね。
でもね、この作品って、最後は理屈より感情が勝つのよ。
ブーがとにかくかわいいの。
別れの空気を子どもなりに感じ取っていたのかなって思わせる場面があって、ああいう無邪気さって、胸にくるものがあるのよね。
ちゃんとわかって見送って、それでももう一度会いたくなる。
この物語の温かさって、まさにそこなんじゃないかしら。
相関④|マイクはなぜ、壊れた扉を修復した?
もうそれは、お分かりの通り、笑いがもたらすエネルギーの存在に気づいたからよね。
先にも書いたけど、ブーは、モンスターの世界に足を踏み入れ、そして、笑いのパワーがどれほどすごいのか示した存在なのよね。
サリーの説明によると、そのパワーは悲鳴の10倍ほどにもなるんだって。
悲鳴とか恐れとかが何も生み出さないと考えたら、それと比較すると笑いのパワーは無限大とも思える大きさなのかもしれないわね。
最後にね、マイクがサリーに贈り物をするの。
壊れてしまった扉の破片をかき集め、きっと時間もかかったと思うけど、必死に修復してくれたのよね。
なんでそこまでして、モンスターワールドと子どもの部屋をつなごうとしたのかな。
今まではね、子どもたちに悲鳴をあげさせるための扉だった。
だから、そんな扉は、なくした方がいいような存在だったのかもしれない。
でも、今、サリーたちは、子どもたちを笑わせることで、自らも力を得られる世界を知ったの。
子どもたちを笑わせるために、そして、そんな世界が作れることを示してくれたブーのところに笑いを届けなければならないわよね。
それは、何としてでもやらなければ。
だから、マイクは、サリーとブーのために必死で扉を修復してあげたんじゃないかな。
扉って、ただの道具じゃなかったのよね。
怖がらせるための入口から、誰かを笑顔にするための入口へ。
その意味が変わったからこそ、マイクはもう一度つなぎ直したんだと思うの。
まとめ
『モンスターズ・インク』って、子どもを怖がらせて悲鳴を集める世界のお話に見えて、ほんとうは“価値観がひっくり返る物語”だったのよね。
ブーとの出会いで、サリーは怖がらせることの意味を見つめ直し、マイクは親友のために新しい未来への扉をつなぎ直した。
悲鳴より、笑いの方が大きな力になる。
その気づきは、モンスターの世界だけじゃなく、私たちの日常にも通じるものがあるのかもしれません。
怖がらせて動かすより、笑顔で動き出せる方が強い。
そんな優しい答えをくれた作品でした。


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