なかなか見ごたえのある映画。
印象に残る登場人物について、相関図と共に感じたことを記してみたいと思います。
なんだかとても考えさせられる映画でした。
容疑者室井慎次の相関図

印象に残った主なキャスト
室井慎次(柳葉敏郎さん)
警視庁刑事部捜査第一課管理官・警視正
彼が逮捕されたのは、弾丸ライナー地下鉄事件から5カ月ほどたってのことらしい。
室井さんが弁護士の小原さんと接見したとき、「調べたのはこれだけです。すみません」とか言ってるこの新人弁護士さんに対して、「きみ、謝るのはやめてくれないか」って穏やかに言うのね。
会話の中に「すみません」とかやたらに出てくる人、確かにいるし、でも、だからといって、それを制止することも少ないような気がする。
室井さんにとっては、すみませんとかいう言葉は、とっても意味があるというか、済みませんに限らず、彼は言葉の使い方にとても慎重になってきたみたいね。
もちろん、きっかけはあったんだと思う。
思ってもいないことを口にするのは室井さんにとっては問題外。
思った言葉であったとしても、それが、言われた相手にどのように受け取られるのか、その言葉が、気遣いや思いやりから出た言葉であっても、相手はその言葉によって、何かを決断することがあるのかもしれない。
室井さんにとって「すみません」は、戦う前から負けてるやんとか、ちょっとネガティブに聞こえるのかもしれないわね。
室井さんが、過去、自分の彼女にかけた言葉、「自分は頑固者だから、こうすると決めたら他のなにもかも捨てることができる」。
「すみません」とかよりは、かなり複雑な言葉よね。
室井さんは当時、この言葉をめちゃくちゃポジティブな意味、相手に完全に寄り添うことを宣言するつもりで発したのかもしれない。
でも、結果的に、その彼女は命を絶つことを選んだ。
室井さんにとって、言葉というのは、人の命と直結したものくらいの位置付けになっているのかもしれないわね。
小原久美子(田中麗奈さん)
まだ始めて半年の新人の弁護士。
「私、警察が嫌いです。死ぬほど嫌い!!」って。
室井さんとは一緒にご飯も食べて、少し打ち解けたかに見えた直後、こんなこと言うのよね。
なんでなのかな。
手帳も取り上げられて捜査とかできないはずの室井さんだったんだけど、室井さんは「事件の中に答がある」って。
捜査するんですか?「私にはそれしかない。」って言っていた。
この小原弁護士、ストーカー被害に遭った過去があったのよね。
でも、警察はまともに取り合ってくれなくて。
つまり、その事件を徹底的に調べようとはしなかったのね。
小原さんは警察ってそんなもんなんだって思っていたに違いない。
でも、室井さんは違っていたのよね。
捜査権限を奪われても、それでも、答えは事件の中にあるんだって、事件を掘り下げ、真実にたどり着くことしか考えていない。
小原さんには、この室井さんは信じてあげなきゃいけない人なんだって映ったのかもしれないわね。
だから、自分が抱えていた思いも、ここで伝えたのかなって思った。
あの時叫んだ「言っておいた方がいい!」って言葉、もしかすると、「室井さんも、心の中に隠し持っていることがあるのなら、しっかりわかるように表に出しておいた方がいいよ!」って言ってあげてたようにも聞こえた。
津田誠吾(柄本明さん)
津田法律事務所の所長なんだけど、新人の小原さんに、手ごわいとわかっている灰島弁護士団関わる事件を担当させるんだけど、勉強のためとか言いながら、ちょっと違う思惑あったわよね。
もう自分はやりたくない。
だいぶ手ひどい目に遭ったみたいね。
沖田仁美管理官が室井さん弁護のために依頼をしたんだけど、それは、潜水艦事件で青島君を救ってくれた手腕を買ってのものだったのよね。
この潜水艦事件というのは、潜水艦乗組員が殺害される事件が発生して、青島君が捜査を担当していたのね。
コンピューター技師に成りすました青島君が潜水艦に乗り込んで真相究明、事件解決に至ったらしいんだけど、青島君が海上自衛隊から訴えられてしまったらしいの。
それを、和解に持ち込んだのがこの津田弁護士。
津田弁護士は、お父さんが公務員で、父親を喜ばせたいという思いから訴えられた護る裁判を得意とする弁護士っていう設定になっていたみたいね。
でも、もうその志とかいうものは、消えてなくなりかけていたのかな…ご本人の言葉にするなら「勇気」かしら。
これがもう消えかけているのね。
新城賢太郎(筧利夫さん)
お父さんのコネを使って、検事総長に室井さん釈放をお願い。
室井さんとは学閥も違うし、のりそりあわなかった人だけど、今では室井さんのこと好きになってるのよね。
新城さんのお父さん、検事総長とは旧知の中っていう設定らしくて、具体的にどんな繋がりなのかネット情報くってみたんだけど、ちょっとつかめなかった。
でも、大の大人が、自分の父親の名を使ってまでことを動かそうとするんだから、新城さんが室井さんを思う気持ちもかなりのものに違いないわね。
それとも、政治が絡んだ世界では当たり前のことなのかしらね…親の名前持ち出すとか。
灰島秀樹(八嶋智人さん)
灰島法律事務所所長弁護士。
この男が室井さんに向かって、「あんたが神村巡査を殺した」って言うの。
真実を知っていながら、こういうことを平気で言える男なのね。
真実は、杏子の悪さを高校副教頭の父親が、金を積み上げ灰島弁護士に隠ぺいするよう依頼したということよね。
お金はいくらでも払うから、娘の弁護をしてください。。。というものみたいなんだけど、その弁護してほしい事件というのが、娘が石本一馬という夜の街で知り合った男性に、黒木というボーイフレンドのような男性を殺害させてしまった件よね。
この父親、神村巡査がなくなったとかそういうこともある程度は知ることになったのかもしれないわね。
今、この親子にとっての問題は、黒木刺殺事件なのよね。そして、その犯人は、神村巡査ということになって決着。
でも、室井さんがそれを許さなかったのよね。
捜査続行って。
それは、杏子たちにとっては真実がばれてしまう恐れが再び出てきたわけで、嬉しくない話ではあるんだけど、ここでちょっと違和感感じたシーン、それは再捜査を開始して、それほどの日数経過したとも思えないような頃に、検察が室井さん逮捕にやってきた。
つまり、灰島は、再捜査が始まったその瞬間くらいからそれを察知して動き始めたという事になるのかな。
あまりの素早さにちょっと驚き。
警視庁の上層部が灰島と接触しているのは事実だけど、その接触時期によっては、警視庁サイドにものすごい悪意を感じるわ。
菅野さん(警視庁警備部長 警視長)、灰島が副総監の元を訪れた時、警察庁側から告訴取り下げるように言われたというのを聞いて、「欲しい情報はいくらでも」って見返りとも思えるような発言と共に告訴取り下げに応じないよう言っていたものね。
悪すぎるでしょ。
安住武史(大和田伸也さん)
室井さんが新宿北署で、神村巡査が被疑者とされた事件の再捜査会議を開こうとしていた時、警視庁総務の金子部長や警視庁刑事部捜査第一課長の一倉正和なんかは、室井さんが警察庁から出向してきた立場とはいえ、今は同じ警視庁で席を並べて働いている人間として、少なくとも同じ組織の中で利害を共にするという感じで接していたのよね。
ところが、この安住という男は違った。
室井さん自身を陥れることで、その後ろにいる警察庁にダメージを与えようとしたのよね。
つまり、室井さんを一人の同僚として見るのではなく、警察庁との対立を利用するための存在として見ていたわけで、同じ警察組織の人間なのに、ここまで立ち位置が違うのかと思ったわ。
新城はなぜ室井を釈放したのか?
留置場から外には出れたものの、事件の真相がつかめない限り、室井さんが警察に居続けることは難しい。新城さんが室井さんを官舎まで送ろうとしていた車中で言った言葉、「本当なら懲戒免職ですよ」。
何か少し違和感を感じて考えてみた。
以前の新城さんなら、厭味ったらしくそんなことを言うのも理解できた。
でも、今のこの言葉に嫌味はないのよね。
これは、室井さんを咎める言葉ではなくて、今、室井さんが置かれている状況を的確に伝えるためのものだったのよね、きっと。
警視庁側が仕掛けた罠に陥って拘留されてしまった室井さん。
警察庁側は室井さんの味方になって動いてくれるかというと、警察庁のお偉い方は自分の保身のことしか考えないから、責任はすべて室井さんに押し付ける。
そして、「懲戒免職」。
自分の身を護るために動くことができるのは、今、室井さん自身しかいないんですよって。
そんなことを伝えてあげたかったんだと思う。
室井さんが警察に残れる唯一の手段は、事件の真相を究明すること。
しかし、室井さん以外に、真相究明に動ける人材はいない。
ここに青島君でもいれば別なんだろうけど、青島君は管轄外なのよね。
すると、室井さんは自分で指揮をとって真相究明を果たすしかないのよね。
新城さんには、それらすべてのことがよくわかっていたんだと思うの。
だから、室井さんの処遇については自分に預けてくれって上訴したし、もちろん、これはダメもとだったのかもしれないけど、何とか受け入れられた。
室井さんのクビを切るなら私の手で…って噓ついて。
なんか、室井さんが官舎まで送ると言っていた新城さんを制止して、途中で食堂に入っていったのも、新城さんを気遣い、自分とべったりになっていらぬ攻撃の対象にならないよう配慮したのかなとか、このドラマの中では、それぞれの想いや「言葉」がとても慎重に取り扱われているような気がしたわ。


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